
八木重吉の詩碑[2024年02月12日(Mon)]
◆茅ヶ崎市美術館前に八木重吉(1898-1927)の詩碑がある。
茅ヶ崎にあった結核療養の施設・南湖院で療養し、退院後も茅ヶ崎に住んだ。

むし
蟲
蟲が鳴いてる
いま ないておかなければ
もう駄目だめだというふうに鳴いてる
しぜんと
涙がさそわれる
八木重吉
◆この「蟲(虫)」を収めた第二詩集『貧しき信徒』の完成を見ることなく詩人は29歳で没した。
「いま ないておかなければ」とは、詩人の胸中から常に衝き上げてくる思いであったろう。
作品は短章が多いけれど、短い生涯に二千を超す詩篇を遺したという。
詩人の略歴と茅ヶ崎について記した碑もかたわらにあり、建立に携わった人たちの詩人への敬慕を示すごとくに、こちらも立派である。
