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石垣りん「若者」[2023年12月07日(Thu)]


若者   石垣りん


皆の体格が
目に見えて大きくなった

国土、と呼ぶものが
ゆたかにふくらみ
広くなったような気がする

だけどまだ裸ん坊だ
エライ人は
愛国心を植えたい
とおっしゃる

まあ待っていらっしゃい
そこには
鳥が落として行った見知らぬ木の実
風が運んだ花のたね
何かわからないものの芽が
いっぱい吹き出ようとしている

新しい土地は
昨日よごした手
銃の引き金をひいた手で
掘り返さないことです。


『レモンとねずみ』(童話屋、2008年)より


◆国、などというものを建て、「国土」を絶対視しようとするからいけない。

グテーレス国連事務総長が安保理に対して、パレスチナ自治区ガザについて人道的停戦を宣言するよう要請したという。国連憲章第99条に基づき発動したもので、印パ紛争以来、半世紀ぶりの事務総長権限の行使は異例のことだという。

国連=the United Nations自体、「国」という枠組みを前提にしているわけだし、どれだけの効力を発揮するか不明だ。
欠点のある仕組みを手直ししてこなかったことの代償の大きさをつくづく思い知ることにもなった。
(NHK夜9時のニュースは、依然として、イスラエルへのアメリカの働きかけを期待するだけだった。自ら動かず他力本願路線の日本政府にどこまでも追随して行く姿勢。)

井伏鱒二『黒い雨』の〈国家のない国に生まれたかったのう〉という悲嘆が、切実な言葉としてよみがえる。

◆上の詩、空襲を経験し、敗戦の記憶を生涯忘れなかった詩人の、ソフトだが、テコでも動かない信念を丹念に練り込んだ言葉だ。


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