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山田隆昭「敵」[2023年11月24日(Fri)]

◆ガザ・イスラエルの戦闘、ようやく一時停止。
だが、その間も、自宅のある北部に向かおうとしたパレスチナ人がイスラエル軍から攻撃され、2人が死亡、11名が負傷したという。

イスラエルが空から撒いた警告ビラには「戦争はまだ終わったわけではない!」と書いてあった。(11/24TBS NEWS23)

◆初日のハマス側からの人質解放では、予定のパレスチナ人13人とは別に、タイ人12人が解放されたという(タイのセター首相のSNS)。

24日夜のNHKNEWSWEBによれば、タイ政府が公表しているところでは、ハマスによる奇襲攻撃で、これまでにタイ人39人が死亡、26人が人質となっている、とのことだ。
イスラエル国内で働いていたタイ人の存在も含め、知らなかったことの一つだ。

彼らについて取り上げた記事を探すと、朝日新聞にいくつか記事があった。アジアからの出稼ぎ者たちも巻き込んでのハマスの襲撃、思いがけないところで現代の人の動きを知る。
アジアの一員という視点から見ると、違う光景がひろがっているのではないか。


ハマス 人質のうちタイ人12人を解放 タイ首相が発表
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231124/k10014268561000.html

朝日10月17日記事
「イスラエルのために働いて幸せか!」 ハマスがタイ人を標的に?
https://www.asahi.com/articles/ASRBK6K5GRBKUHBI03H.html

朝日記事10月12日 記事
イスラエルでアジア人被害、なぜ多い 撃たれたタイ人労働者の証言も
https://www.asahi.com/articles/ASRBD5RSRRBDUHBI01Z.html?iref=pc_extlink



*******


敵   山田隆昭


真昼のゲームセンターだった
ひとり またひとり
撃ち倒す
次々にもの陰から現れる敵の
銃が火を噴く前に

指に残る軽い衝撃
のけぞり もんどりうって
彼らは地に伏したまま動かない
 たぶん死んだのだ
 たぶん
画面の中の兵士にも
人生があっただろうか

古い記録映画だった
コマ送りの技術が稚拙なためか
兵士の動きが不自然だ
妙にせかせかと灰色の空間に向かって進んでゆく
近くで砲弾がはじける
土と一緒に空中に吹き上がる兵士四〜五人
曲がった手足がなまなましい
もりあがる黒煙が作る影のなかで
 彼らも死んだのだ
 たぶん
その後の彼らの消息は伝えられていない
ぼくが生まれる数年前の出来事だというのに

父から受け継いだもの
刻印された銃撃戦の記憶
安穏とした日々のとあるひととき
向きあった鏡のなかにむっくりと身を起こす
自分という凶暴な
兵士いっぴき


詩集『伝令』(砂子屋書房、2019年)より。

◆「記憶の継承」と一口に言っても、加害の記憶を親たちからじかに聴くことはまれだろう。
まして当事者が次々と鬼籍に入って行ってしまう現在、必要な想像力は半端でないはずだ。
ゲームと現実の戦闘の間に想像力の橋を架ける、といった単純なことではない。

◆たとえば、TVに映った血まみれの若者、彼を撃ったのは自分だ、と想像できるかどうか。
そんなことをするわけがない、と、一笑に付すことができるのか、ほんとうに。



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