
祖母の至言「まつげェの無い人は居ネェ。」[2023年06月28日(Wed)]

合歓(ネム)。梅雨の季節を実感させてくれる花だ。
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◆美女・西施のまなざしに譬えられる花だから、ではないのだけれど、この花を眺めるたびに祖母の口癖が思い出される。
――まつげェの無い人は居ネェ。
津軽の言葉で「睫毛」と「間違い」を掛けたしゃれになっている。
――間違いの無い人など居ない
孫たちの失敗を目の当たりにするたびに、とがめるのでなく、むしろ祖母自身に言い聞かせるように繰り返すのが常であった。
◆マイナンバーカードの不手際に「ヒューマン・エラー」によるミス、という弁疏がはやっている。
どんなに細心の注意をはらっても間違いは起こりうる。だから大目に見ろよ、ではなく、健康保険証と無理やり紐づければ命の危険に出くわすこともあることに鑑みて、仮に間違いが起きても問題や影響の少ないものに限定すればいいだけのことだ。
あらゆる情報を紐づけて万能カードにしようとするから、取りかえしのつかない事態を引き起こす。
◆コーノタローをデジタル担当大臣にしたことこそヒューマンエラーだ、という指摘がネット上にあって、笑った。
「ハンコ全面廃止」を言い出した時と同じ失敗を繰り返しているのだから、失敗に学ばないのは本人だけでなく、彼を任命した首相自身もまた同様だと言うしかない。
「万能」風を吹かしているだけの無能大臣にも「まつげェ」はあるだろうけど、言い訳は許されない。「まつげェ」だけでなく、潔く責任を取る能力もあるはず。いや、それもアヤシイのかも。