
堀田京子「ありがとうの詩」[2023年06月03日(Sat)]
ありがとうの詩 堀田京子
あ は 愛の あ
り は リレーの り
が は ガッテンの が
と は ときめきの と
う は 受けて立つの う
ありがとうは魔法の言葉
不思議だね その一言で幸せになる
『吾亦紅』(われもこう)(コールサック社、2022年)
◆5行ある各行の頭の文字をつなげると「ありがとう」となるようにした折句の詩。
各行の末尾にも5文字の語を散りばめたのを「沓冠(くつかむり)」と言うが、ここでは同じ「ありがとう」の語を一字ずつ提示した形なので、沓冠の亞種と言うべきか。
◆詩に込めた意味は「愛の作用」について。
託されたものを大切につなぐこと、ガッテンと全面的に受容すること、突然の告白に驚き、心ときめかせながら、それに応じようと勇気をふるいおこすことも、相手があればこその相互作用であり化学反応だ。
嬉しい驚きをこめて返す言葉「ありがとう」――永田町の人々からはついぞ聞こえてこないが。