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阪田寛夫「今晩は」[2023年06月01日(Thu)]


今晩は  阪田寛夫


大きな声では言えないが
あれが、今晩はの木です
ずいぶん老けているでしょう
あんな姿で夜ごと「今晩は」と呻(うめ)くから
だれも寄りつくわけがない
でもあの丘で偏西風を受けて
あの木が地球を廻してるんです本当です
静かな夜はいいけれど嵐を孕(はら)むと命がけで
いよいよの時は自分で幹を裂く
呻きは実は天気予報なのです
「今晩は、穏やかないいお天気でしょう」
「今晩は、西の風が強く
場合によっては最後の夜となるでしょう」


『含羞詩集』(河出書房新社、1997年)より


◆夜の間、「今晩は」と呻きつつ、〈偏西風を受けて/…地球を廻してる〉という「今晩はの木」、というのが可笑しい。
そうして、人知れず地上に踏ん張り、わが身が犠牲となることもいとわない様子。「わたくし」を捨て、肚が座っている潔さにはあやかりたいものだ。

◆「総理公邸」を私物化してへっちゃらだったキシダ父子のためにも、あの広い前庭の真ん中に「今晩は」の木を一本植えた方が良い。
秘書官辞任後も公邸に住み続けるつもりらしいから、なおのこと。

それにしても、「事実上の更迭」と報じたマスコミは訂正記事を書かねばね――間違ってました。「辞めさせた」フリだけでした。なおも家賃払わず無銭飲食を続ける模様です、と。




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