
《相手の意見を尊重できるようになると、生きることがすごく楽になる。》[2023年01月21日(Sat)]
◆高校生のすごい言葉に出会った。
相手の意見を尊重できるようになると、
生きることがすごく楽になる。
石井光太『ルポ 誰が国語力を殺すのか』313頁(文藝春秋、2022年)にあった言葉だ。
中学・高校一貫制のさる私学、ディベート同好会のキャプテンをつとめる高校2年生の言葉だ。
授業で経験した「哲学対話」に同好会活動で取り組んでいるという。
◆ディベートというと、意見を闘わせて相手を説得するイメージから敬遠する人が少なからず存在するが、その学校の「哲学対話」というのは全く違う。むしろ相手の意見に耳を傾け理解しようとすることのようだ。
相手の意見に最後まで耳を澄まし、自分の思うところも言葉に紡いで相手に伝える。
相手も同様に受けとめ、こちらを理解してくれたと手ごたえが感じられるならば、どちらにとっても楽に呼吸し、前を向いて歩み出す力を分かち合うだろう。
肩の力を抜いて静かに息を吸い、しっかり吐く、それを可能にするのも言葉の力だ。
若い世代のしなやかな言葉に学んだ。