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若松英輔「生きる足取り」[2022年11月27日(Sun)]

◆若松英輔の詩集『美しいとき』からもう一つ――



生きる足取り   若松英輔


ゆっくりにしか
歩けなくなったら
街には
ゆっくり歩く人が
たくさんいるのに
気がついた

立ち止まりながらでしか
歩けなくなったら
世の中には
立ち止まりながら
生きている人が
たくさんいるのが分かってきた

どこへ行くために
あんなに急いでいたのだろう
自分の歩き方を
忘れるほど
わき目もふらずに


『美しいとき』(亜紀書房、2022年)より


◆ゆっくり歩くほど多くのものが見えてくるのは、実際に歩いていて体験することだが、他の「ゆっくり歩く人」が見えてくるのは、自分自身がゆっくりにしか歩けなくなったときにようやく、ということか。

◆第二連、「立ち止まりながら/生きている人」というのは、良く考えてみると、スゴイ人たちである。そのような生の在りようもある、というよりは、彼らこそ、より良く生きているのかも知れない。他の人々の存在も含めて多くのものが彼らには見えていて、しかも立ち止まったところに自分が足を着け、ちゃんと居ることを知っているからだ。

さらにもう一つ。自分の歩き方を忘れている人に、そのことを気づかせてくれさえしているのだから。




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