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嵯峨信之「ヒロシマ神話」[2022年08月03日(Wed)]


岸田文雄首相は国連本部で行われたNPT(核拡散防止条約)再検討会議で演説した(8/1=日本時間8/2未明)そうだが、すこぶる評判が悪い。国内外から問わず、だ。

核兵器禁止条約を批准しない姿勢は前&前々政権と同じ、今年6月の第1回締約国会議にオブザーバーとして参加することもしなかった日本政府が本当に「被爆国」として語れるものがあるのか、疑わしく思うほどだ。
広島選出を売りにするだけで、核兵器廃絶を願う被爆者に向き合うことも、ヒロシマ・ナガサキに学び明日を拓こうとする世界中の良心に応える気持ちもなければ、演説が具体性に乏しく聴く者の心を動かさないのは当然だ。

◆嵯峨信之の次の詩は中学生用の国語教科書にも載っている。
岸田首相も虚心に読み味わってみたらどうか。


*******


ヒロシマ神話   嵯峨信之


失われた時の頂にかけのぼつて
何を見ようというのか
一瞬に透明な気体になって消えた数百人の人間が空中を歩いている

  (死はぼくたちに来なかつた)
  (一気に死を飛び越えて魂になった)
  (われわれにもういちど人間のほんとうの死を与えよ)                

そのなかのひとりの影が石段に焼きつけられている

  (わたしは何のために石に縛られているのか)
  (影をひき放されたわたしの肉体はどこへ消えたのか)
  (わたしは何を待たねばならぬのか)

それは火で刻印された二十世紀の神話だ
いつになつたら誰がその影を石から解き放つのだ


『嵯峨信之詩集』
(青土社、1985年)より


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