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森崎和江『地球の祈り』より「空」[2022年06月19日(Sun)]

◆十五日、詩人の森崎和江さん死去。享年九十五。
植民地時代の朝鮮慶尚道大邱府で生まれた。父は旧制中学で朝鮮の生徒たちを教えた。

『地球の祈り』と題する連作詩に、次のような一篇がある。



空   森崎和江


あのころ
といっても戦争に敗れたあとのこと
学生たちの朝は
米つぶがありやなしやの粥(かゆ)でした
だまって流しへ棄てる人
だまって胃袋へ流す人
米も麦も配給
ほんのひとすくい
わたしは食欲を失っていました
ひとあし ひとあし
考えながら生きなきゃならないのですから
見知らぬにほんで
にほん知らずの女の子が
笑い話ね

ああ
はるかな地図の空
からだのなかびっしりと罪の思い
植民二世は空を失いました

鳥さん
あなたに空はありますか


『地球の祈り』(深夜叢書社、1998年)より。
同題のラジオドラマも収載。


◆「空を失いました」――戦火の只中に在る人々の、薄い胸から吐き出される切実な思いだろう。



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