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地球儀[2022年05月17日(Tue)]

DSC_0277.jpg
シャリンバイ

◆*◇*◆*◇*◆


破れ目のある地球儀  服部誕


熱気球よりずっとおおきな
見上げるばかりの巨大な地球儀
よく見れば そのあちこちに
破れ目がある

新しく国が出来たり滅んだり
国境線が変わったり
埋め立てられて
海岸線の形そのものが変化したり
海底火山が噴火して
突如 島が生まれたりしているのに
この地球儀は元のまま

もうずいぶん古くなってしまった
何度も何度も手荒にぐるぐる回されて
そのたび乾いた骨のような音をたてる
軸も少々歪んでいて
回されるたびにグラグラと首を振る
北の方に三ヵ所 南に四ヵ所
継ぎが当たっている
前はどんな地名が書かれてあったのか
今ではもう判らない

地球儀の内部がどうなっているかは
誰ひとり知らない
でもいつか(きっと近いうちに)
またどこかがあたらしく破れて
中身が漏れ出すにちがいない
そのときには大爆発でも
起こすのだろう


服部誕『息の重さあるいはコトバ五態』(書肆山田、2021年)より

◆「戦術核」という単語がふつうにTVで繰り返される。「あって欲しくはないことだが」と枕言葉付きでだが。
いくさの行き着く先を「シナリオ」と言いなすやりとりも疑念無く電波に乗る。
電子紙芝居を見物しているわけでもあるまいし。

誰もが、上の詩の”地球儀”をもてあそんでいるかのような日が続く。
破れ目にチョビ髭で継ぎ当てして当座をしのぎながら。


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