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シェフチェンコ「監獄で」V[2022年02月25日(Fri)]

◆ロシア国内でも戦争反対を訴える人々のデモが広がっている。世界中の連帯の声がクレムリンを包囲し、ウクライナの人々への、これ以上の蛮行を阻むよう祈る。

***

◆1847年、タラス・シェフチェンコ(1814-1861)の、故郷ウクライナへに寄せる思いをつづった詩を――

シェフチェンコは秘密結社の仲間たちとともに官憲に逮捕され、詩によって皇帝夫妻を批判したかどで無期追放の刑に処せられた。首都からの追放に加え、ニコライ一世の勅命により詩を書くことも絵を描くことも禁じられた。

流刑地はオレンブルグで、同地の独立軍団の監視下で一兵卒として働かされることになった。
苦役が解除されたのは10年後のことである。


***


「監獄で」より  シェフチェンコ
             渋谷定輔・村井隆之 訳

  V

わたしはどうでもかまわない これから先
わたしがウクライナに住めようが 住めまいが
遠い国で わたしのことを思い出してくれようが
それとも思い出してくれるものがなかろうが
そんなことはすべて わたしにはどうでもかまわない

自由を奪われ 他人の中で育ったわたし
だから身内のだれにも 悲しまれずに
自由のないまま 泣く泣くこの世に別れを告げ
すべてを 自分と共に持ち去るのだ
跡形もなく 永遠に捨ててしまうのだ
名誉あるウクライナの広がりも
自分の国も 異国の地も 捨ててゆくのだ
わたしのことを思い出して
たとえ父が 息子に語らなくてもかまわない
「彼のことを神さまに 祈ってやりなさい
だって彼はウクライナのために 苦しんだのだから
遠く離れた異郷の地で……」

わたしにはどうでもかまわない その息子が
わたしのことを 神に祈ってくれようが くれまいが……
だがわたしには どうでもよくないことがある
それは 邪悪な人たちがウクライナを
ずる賢いやり方で まるめこんでしまうことだ……
火の中でウクライナを目覚めさせ 略奪することだ……
おおそれが どうしてわたしに どうでもよいことがあろう!

                      一八四七年 監獄で

渋谷定輔・村井隆之 編訳『シェフチェンコ詩集』(れんが書房新社、1988年)より

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