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茨木のり子「鄙(ひな)ぶりの唄」[2022年02月20日(Sun)]

◆北京五輪閉幕。
閉会式前、夜空に浮かぶ羽生結弦選手の顔には驚いた。ドローンによるものらしい。大変な人気だと聞いてはいたが。
閉会式で次々と映し出された競技の映像の中にも4回転アクセルに挑んで転倒した場面が流された。それだけだったら気の毒な気がしていたら、その少し後に、華麗に着氷を決めた姿も映し出された。破格の扱い。改めて観衆を魅了したことだろう。

◆閉会式の中で二種目の表彰式があった。
毎度思うことだが、旗を揚げる時の軍隊式作法、不要だ。
国歌も要らない。

ロシア五輪委員会選手団はチャイコフスキーのピアノ協奏曲の冒頭を使っていた。そちらの方がまだマシと思ったものの、流された演奏そのものは今一つ。
、余り感動的な演奏では、かえってジャマかもしれないけれど。



*******


ひな
鄙ぶりの唄  茨木のり子

それぞれの土から
陽炎(かげろう)のように
ふっと匂い立った旋律がある
愛されてひとびとに
永くうたいつがれてきた民謡がある
なぜ国歌など
ものもしくうたう必要がありましょう
おおかたは侵略の血でよごれ
腹黒の過去を隠しもちながら
口を拭って起立して
直立不動でうたわなければならないか
聞かなければならないか
   私は立たない 坐っています

演奏なくてはさみしい時は
民謡こそがふさわしい
さくらさくら
草競馬
アビニョンの橋で
ヴォルガの舟唄
アリラン峠
ブンガワンソロ
それぞれの山や河が薫りたち
野に風は渡ってゆくでしょう
それならいっしょにハモります

  [ʅ]ちょいと出ました三角野郎が
八木節もいいな
やけのやんぱち 鄙ぶりの唄
われらのリズムにぴったしで


『椅りかからず』(筑摩書房、1999年)より

*「鄙ぶりの唄」は拙ブログをスタートさせたころに一部を紹介したことがあった(下記リンク参照)。
【根府川とカンナの詩】[2014年8月2日]記事
https://blog.canpan.info/poepoesongs/archive/13

**[ʅ]の箇所、民謡などの歌詞の出だしに用いる「庵(いおり)点」という記号が入る。「へ」の字に2つコブを付けて右下に長く引いたような記号。むかし月刊『明星』などの付録の歌集で良く見かけたあの記号である。
入力してアップしてみると[]に置き換わってしまうので、やむなく暫定的に[ʅ]として置くのでご了承を。



この記事のURL
https://blog.canpan.info/poepoesongs/archive/2232
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