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"どうしちゃったんだろう" 河内さち子「呟き」[2021年12月28日(Tue)]

◆仕事納めを迎えて、夕刻の渋滞の車列が常より長い。
散歩で思いがけない所にゴミを詰め込んだレジ袋が落ちていたりすることも微増。
年をまたいで持ち越したくないやり切れなさが捨てられているように思える。

*******


呟き  河内さち子


 ぼくの体 どうもおかしいんだ
 教わった通りに狩りをして
 沢山食べたんだよ
 それなのに食べても食べても
 ひもじいの
 それにお腹が張って
 妙に苦しいんだよ 
 どうしちゃったんだろうね ぼく

フィリピン南部ミンダナオ島の海辺に
うちあげられた若い雄鯨
血を吐き やせ細り
脱水状態で瞳は乾ききり
もはや何も映し出しはしない
絶命のお腹は
大量のプラスチックで埋めつくされ
買い物袋 米袋 バナナ栽培用の袋等
その数量 何と40キロにも及ぶ
バナナ栽培用の袋は
主に日本向けに使われるらしい
大地や川はもとより
海中にまで散乱するプラスチック
分解されないそれらを
餌として口に運んでしまった雄鯨

種々のペットボトル 惣菜のパック類
常日頃 何気なく手にするプラスチック
死へと追い込んだのはきっとわたしでもあろう
鯨に限らず海の生物 陸の生物
空行く鳥にいたるまで
彼らは知らずに口に運んでしまう

 どうしちゃったんだろうね ぼく
声にならない呟きは
遠く海を越え空を渡り
今日もわたしの胸に痛く問いかける


『詩と思想 詩人集2021』(土曜美術社出版販売、2021年)より



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