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自衛隊機による外国人移送は適法なのか?[2021年08月28日(Sat)]

◆アフガニスタンに邦人移送のために派遣されていた自衛隊機が日本人1名をパキスタンに運んだ27日の前日=8月26日には、14人のアフガニスタン人をカブールからパキスタンに運んでいたようだ(28日テレビ朝日)。

★【テレ朝news 2021/08/28 23:07
自衛隊機、アフガン人14人も移送 外国人は初

https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%e8%87%aa%e8%a1%9b%e9%9a%8a%e6%a9%9f%e3%80%81%e3%82%a2%e3%83%95%e3%82%ac%e3%83%b3%e4%ba%ba14%e4%ba%ba%e3%82%82%e7%a7%bb%e9%80%81-%e5%a4%96%e5%9b%bd%e4%ba%ba%e3%81%af%e5%88%9d/ar-AANQq7x?ocid=msedgdhp

◆記事は外務省への取材に基づくもののようだ。
自衛隊のC130輸送機が日本大使館の現地スタッフや家族など数百人を運ぶ予定でカブール空港で待機したものの、爆発テロ事件でバスは空港にたどりつくことができず、自衛隊はアメリカ側と調整して米軍と調整して、アフガニスタン人14人を載せてパキスタンに運んだという経緯である。

記事は〈自衛隊法84条の4に基づく「在外邦人等の輸送」で外国人を運ぶのは初めてです。〉と結んでいるが、こうした単純化した報じ方は危険である。

先日書いたとおり、自衛隊法の第84条の4は〈在外邦人等の輸送〉を定めたもので、「等」の字を付けてある通り、「邦人」のみに限定したものではない。ただし、無条件に拡大解釈できるものでないことは条文を読めば分かる。

再度引いて置く。

(在外邦人等の輸送)
第八十四条の四 防衛大臣は、外務大臣から外国における災害、騒乱その他の緊急事態に際して生命又は身体の保護を要する邦人の輸送の依頼があつた場合において、当該輸送において予想される危険及びこれを避けるための方策について外務大臣と協議し、当該輸送を安全に実施することができると認めるときは、当該邦人の輸送を行うことができる。この場合において、防衛大臣は、外務大臣から当該緊急事態に際して生命若しくは身体の保護を要する外国人として同乗させることを依頼された当該外国との連絡調整その他の当該輸送の実施に伴い必要となる措置をとらせるため当該輸送の職務に従事する自衛官に同行させる必要があると認められる者又は当該邦人若しくは当該外国人の家族その他の関係者で当該邦人若しくは当該外国人に早期に面会させ、若しくは同行させることが適当であると認められる者を同乗させることができる。


◆現地指揮官の判断でも、他国(および他国の派遣軍)でもなく、「外務大臣からの依頼」が必要であり、しかも邦人輸送を遂行するに際して外国人(やその家族)を「同行」させる形で、と定めてあるように読める。

上の記事は、今回のアフガニスタン人移送が、これらの条件(外務大臣の依頼および邦人輸送への「同行」)を充足させているかどうかについて触れていない。もしかしたら、この外国人輸送は、法の定めを超えた処置であったかもしれないのだ。

◆法律があらゆる場合を想定して作られるとは限らないが、だからと言って、自衛隊派遣に当たって、外務大臣がいかなる事案についても一括委任してあるとは思えない。

命にかかわる緊急事態にあって細かな手続き上の問題をあげつらうな、という向きはあるだろうけれど、自衛隊派遣が妥当であったか、意志決定のプロセスや手続きに不備はないのか、他により確実で安全なやり方が、もっと早くに追求できたのではないか等々、事態の進行中も事後的にも検証できるようにして置くことは欠かせない。

自衛隊法に「外務大臣の依頼」が明記してあるのは、方針決定のプロセスに外務大臣が関与することで防衛大臣や自衛隊の独走に歯止めをかける意味があり、同時にその責任を明示したものだと思う。

◆一方で、「国外避難を希望するアフガニスタン人を運ぶのは人道的支援として国際貢献である」という考え方は当然ある。しかし、であるならば、政府は速やかに移送の事実とその理由を公的に説明すべきであり、メディアもそれを要求すべきである。法的な要件充足の有無もそこで説明させれば良い。

監視役のメディアはそれらを外務大臣・防衛大臣および首相に常に意識させる責務がある。




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