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池田瑛子「凌霄花」[2021年08月22日(Sun)]

ノウゼンカズラ DSCN2252.jpg
ノウゼンカズラ

***


凌霄花   池田瑛子


何年ぶりかで
山沿いの路を車で通った
大きな道路へ出る角に建っていたその家は
あとかたもなく 更地になっていた
秋になると凌霄花が窓をふさぎ
屋根まで赤い花が攀じのぼり
覆っていた

崖上からの夕陽をあびると
花々はソプラノの声で歌い出す
あの花と蔓にからまれた家
聞こえない歌声が立ちのぼっていた

『星表の地図』(思潮社、2020年)より


◆「凌霄花」(ノウゼンカズラ」の漢字表記のたたずまいがゆかしく、記憶にとどめていた詩。
詩にふさわしい花の写真が撮れれば、と思っていて、あちこちの生け垣などに咲いているものに何度か出会ったはずなのに、適当な一枚を得ないまま今年も過ぎてしまいそうだ。
明日のことは誰にも分からないパンデミックのこととて、この詩を眠らせて置くのももったいなく、間に合わせに以前撮った写真を添えてアップすることにした。

◆「凌霄花」。「霄」は〈そら〉のことだから、空をも「凌ぐ」ほど高い所まで蔓を伸ばす花、ということだろう。

◆かつてその家を毎年飾り立てていた凌霄花の記憶。
周囲の緑を従えた鮮やかなオレンジの花たちが、夕陽を受けるといっそう鮮やかに燃え立った。
そこに住んでいた娘たちの歌声が今も聞こえてきそうだ。



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