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あかぎれ・ますく・ことのは[2021年01月19日(Tue)]

◆何かにつけ手指を消毒する回数が重なるからだろう、例年になく指のあかぎれがひどい。
効き目のありそうなハンドクリームや軟膏を買ってきて試しているが、店の出入りのたびに何度も消毒を繰り返すから一進一退。
台所に立つことの多い人や、食料品を扱う仕事の人などは、この程度では済まないだろうと推察する。早く暖かい季節になってほしいと願う。

あかぎれの根本原因は加齢にあるのだろうけれど、我が相棒は足の肉球も未だ軟らかさを保っていて、霜の降りた朝も散歩は元気にこなす。もっとも朝の寝覚めは主人に付き合うように寝坊である。散歩から帰ってからもコタツ布団の端で昼寝をする時間が長くなった。ウトウト猫になった夢を見ているのではなかろうか。

共通テストでマスクの着け方をめぐってトラブルがあった。
試験監督者の再三の注意に従わず、失格を宣告されただけでなく、警察に連行される事態になったというから尋常ではない。

尋常じゃないことが、でもイザ起きてしまうと、サテ、粛々と受験生が試験に臨み、マニュアルに従って監督業務を遂行する者がいるということが、本当に尋常なのだろうか?――と身中の天の邪鬼が目を覚ます。

◆一連のやりとりを目の当たりにして、ツイ舌打ちした受験生も少なからずいたことだろうが、多くは「迷惑なヤツだ」と尻目に見つつも集中を切らさぬよう必死だったろう。平静さを失わないように最大限の努力を傾けるのは当然のことではある。

◆しかし、どうだろう、たとえばこんな受験生はいなかったろうか?――騒動の主にムラムラ燃え上がる憎悪が精神の亢進をもたらして異様に頭脳が冴え返っている自分を発見する――。
「終了」のチャイムで、さっきの自分は何だったんだろうと我に返った者――あるいは次の試験に移ってもそのままカイトウ乱麻の状態を続けて鉛筆を走らせた者――。
一人か二人、居たかも知れない。

その一人か二人の潜在力を出現させることに騒動の主の企みがあったのだとするなら……
――まア、妄想の類いだけれど……。


***


企て   池井昌樹


さんぐらすしているとはいえ
あぶないものではありません
ちかごろめっきりめがよわり

ますくをつけているとはいえ
あやしいものではありません
かふんにまいっているだけで

このずだぶくろのなかですか
これはおひるのおむすびです
ふしんなものなどなにひとつ

わたしはこれからつとめにでかけ
よもふけまさるころかえってくる
ただそれだけのじいさんなのに

それでもあぶないあやしいと
それほどいぶかしまれるなら
あなたへこっそりうちあける

ばすつくまでのつかのまに
ほんとうは
こんなあぶないくわだてを

それがなにかはいえないけれど
ほんとうに
こんなあやしいたくらみを

たったいま
あなたへおめにかけましょう
ささやかなこのことのはで


ハルキ文庫『池井昌樹詩集』(2016年)より。

***

◆「ことのは」は、「言の葉」であると同時に「事の刃」「異の端」、あるいは「殊の羽」であるかもしれない。




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