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馬場晴世「川を」[2020年11月29日(Sun)]

馬場晴世「草族」表紙カバー帯付.jpg


◆昨日と同じ馬場春代の詩集『草族』 (くさぞく)から、やはり水の詩を一編。



川を  馬場晴世


神さまが一つだけ願いを
かなえて上げようと言ったら
庭の先に”川を”と頼みたい
両岸には草や葦が生え
木々があり
白鷺や水鳥の来る
一日かけて行かなくては出会えないような川

言葉の迷路に疲れたとき
悲しみにおそわれたとき
いつまでも見ていられる

流れはいつも新しい
淡々とした流れをみていると
ああ私はいま ここに
一本の木のように立っているのだと思える

雨の日の川もどんなにいいだろう
風景はかすんで
水は小さな影を作りながら流れていく

桃が流れて来ても拾わない
花が流れて来ても静かに見送る
いつか月の光の下を 私が
小舟に乗って海に向かう


『草族』(土曜美術社出版販売、ちょうど2年前の2018年11月30日の発行)
*題名は【くさぞく】と奥付にルビがあった。
*装丁は司修

◆「私」は木のように立って川を見ているだけではない。
しまいには小舟に乗って海に向かう。
月の光に照らされた「私」は、もはや人間と呼ぶだけでは足りない。

はるか古代から現代にいたる数知れない旅人までが「私の」中に静かに流れていて、彼らが岸辺や舟の上で見た葦や水鳥、水面に浮かぶ桃や花が次々と、見えてくる。そうしていつの間にか見る者と見られるモノたちとの境界もおぼろになってゆく。



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