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対(つい)[2020年09月23日(Wed)]

DSCN4395ツチイナゴ.JPG
イナゴ。


タゴール『迷い鳥』から3編


88 「あなたは、蓮の葉のしたにある大きな水溜まり。わたしは、葉っぱのうえのずっと小さな滴り、」と露はみずうみにいった。


89  刀の鞘(さや)は斬れなくても満ち足りている、鋭い刃先を納めているときには。


90  闇のなかで、ただひとつであるものはひとつに見える。光のなかで、ただひとつであるものがさまざまに見える。


    *タゴール『迷い鳥』より(川名澄・訳  風媒社、2009年)

◆詩集では、連続する3篇だ。

88ではひとしずくの露と大きな湖との、対照的だが本質を同じくするものが、小さなものの視点から語られる。

89は、刀身を内に納めた鞘の満足を、すなわち脇役を務めるものの自負をうたう。鞘なくしては刀は殺傷の道具に堕する。生殺与奪はむしろ鞘の抑制の力が担っている。

90もまた、光と闇という対をなすものについて。ただし世間知とは反対のことを述べて真実を語る。
普通なら、得体の知れないさまざまなものがうごめいているように感じさせる闇に、光を当てれば、正体は一つということが明らかになる、と考えるところだ。しかし本当は逆。

さらに言えば、光と闇は不即不離のもので、その交錯の中で、本質は一つ、と見抜き省察する心と、同じ一つのものがさまざまに変幻することを鋭敏にとらえる感受性との両方が大切、と教えているようだ。

326篇の短章を収める詩集『迷い鳥』は、以上のように、対から構成されているものが多い。
タゴールという人は、立場や視点を入れ替えて発想することが常であったのだろう。
独り沈思のときも自己内対話を忘れるなと語りかけてくるようだ。



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