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レトキ「少年と灌木」[2020年07月05日(Sun)]

DSCN3720.JPG

何の木か、青い実をつけていた。
光がもたらす恵みの中でも緑の色の味わいは格別だ。
人が造り出す緑の色は、ペンキにしろ衣服の染色にしろとうていかなわない。

*******


少年と灌木  セオドア・レトキ 長田弘・訳

何でもためしてみなければ気のすまない少年がいた。
灌木にむかって、しょっちゅう話しかけていた。
たまりかねて、灌木はいった。「きみ、
ぼくにもいいたいことがある。
きみが黙って聴いてくれるとわかれば、ね」

もう誰も少年をからかったりしない。
少年は灌木と、黙って話すようになったから。
もう二人の話は、誰にも聴こえない。
動物たちにも、鳥たちにも、ね。
そうして少年と灌木は、黙ったまま、いつまでも話しつづけた。
 


長田弘『詩は友人を数える方法』(単行本:講談社、1993年。講談社文芸文庫、1999年)
〈Z ルーフレス・スカイ〉より。


◆一風変わっている、という理由で、のけっぽにされている少年に出会った人は少なくないだろう。
だが、彼が「木と話す」ことができる、と気づいた人は決して多くあるまい。

コロナ禍で失われた授業の補充にあくせく・汲々とする学校では、もっと多くのだいじなものを失っていくような気がしてならない。






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