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広部英一〈空(そら)の教室〉[2020年06月02日(Tue)]

DSCN3573.JPG

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邂逅   広部英一


ひろびろとした空で
体から離れたばかりのものが飛んでいる
飛んでいるものたちには
出来のいいのもいるし
出来の悪いのもいるのだ
地上のことは忘れたふりをして
飛んでいるのは出来のいいほうで
地上にばかり気をとられているのは
空の教室では出来の悪いほうだ
出来の悪いのが空から落ちるように
地上近くまで降りてきたので
声をかけてみたら
そいつはてれくさそうに
おまえに会いたくなってと
いったものだ


詩集『邂逅』(紫陽社、1977年)の標題詩。

空を飛ぶ魂たち。
母の魂も、それを探す己の魂もあちこちを飛ぶ。
ここでは幼なじみの魂。
空は果てしなく広々としているのに、不自由な地上を離れるわざに熟達していないために、降りて来てうろうろしているみたいな魂もあるのだ。

『広部英一全詩集』(思潮社、2013年)に拠った。

***

おととし桜の頃に千鳥ヶ淵戦没者墓苑を訪ねた折に、同じく『邂逅』所収の一篇、「迂回」を取り上げた(2018年3月29日)。
https://blog.canpan.info/poepoesongs/archive/811

地上と空、生と死が交錯する落花の詩として取り上げたのだった。

詩人の年譜には、1945年7月の福井空襲に遭ったこと、そうして夜が明け、疎水の底に赤子を背にくくりつけて横たわる若い母親を目撃したことを記してあった。詩人にとって「永遠の母子像」となった、とある。



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https://blog.canpan.info/poepoesongs/archive/1604
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