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〈森は終日むずがゆそうに揺れている〉[2020年05月29日(Fri)]

DSCN3580ベニシジミA.jpg

ベニシジミ。夕方の散歩途中、花応院墓苑の上の杉林で。
昨秋の台風で何本もの木が倒れたものの、丹念に片付けられていた。
身を横たえた杉をステージのようにして、ベニシジミは悠揚と羽を開きまた閉じていた。

ウグイスの声がする方に少し近づいて耳を澄ますと、警戒の啼き声はせずに、短いさえずりが聞こえた。たっぷり間合いをとって再びゆるやかな一声で歌い、すぐ止めた。それを二度三度繰り返す。
せっかくだから一節だけ聞かせてやるゾ、と気をもたせるそぶりでいて、相手の反応を確かめずにおれない若者の求愛のごとくであった。

*******


森   川崎洋


もしかすると
森は自身を一つの全体だと
思っているかもしれない
この僕は
もしかすると一つの全体ではないかもしれないように
森は終日むずがゆそうに揺れている
しかしいつも森全体が
ということではない
森の中央部が静まり返っていると
一方では
森の入口のあたりが騒がしく
沼のまわりがおだやかだと
今度は少し離れたところがざわざわし出す
始終どこかしらが停(とま)っていて
始終どこかしらが動いている


『川崎洋詩集』(ハルキ文庫、2007年)より


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