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「8割削減」はおまじないではない[2020年04月09日(Thu)]

DSCN3058アイリス.JPG
アイリス。
ゴッホが描いたのもこの種類だろうか。

*******

◆昼前に買い出しに出かけたら、駐車場はほぼ満杯。店内は高齢者の姿が目に付く。
サバイバルのための買い物という雰囲気が漂っていた。

「8割削減」はおまじないではない

◆「緊急事態宣言」後、感染拡大地域の人の動きがどの程度減ったか、携帯電話の位置情報によるデータをTVで取り上げていた。
横浜で50%、東京で35%という数字。
拡大を押さえ込む「8割削減」との開きがなおある、と述べ、「私たちの一層の努力が必要」という結論にもって行った。

◆番組は「8割」という数字に近づくことが難しいのはなぜか、という問題にまで掘り下げることはなかった。
せいぜい1時間程度の番組で料理できる問題ではないだろうが、恐らく、呼びかけに応じようとしない店や、テレワークに踏み切らず社員が出社している会社が相当数ある、とかいう問題ではない。
無論、交通機関をほぼ通常通り動かしていて、補償が全く不充分で休業要請に応じられないところや、休業対象業種の絞り込みがなお検討中、などとという事情もあるにはある。だが、実際問題として、一切の活動を停止するという荒療治をしない限り、「8割」減らすという目標は無理、というのが本当のところなのではないか?

◆そもそも「8割」という数字は、専門家会議のクラスター対策班が提示した数字だった。感染症や疫学的数理計算の専門家集団が出した数字に説得力はあった。
だが、8割減とは一人の人間が出かける回数を1/5にすることなのか、会う人間の数を1/5減らすことなのか分からない。

そもそも人間の社会における行動は複雑だ。定量化できるものとできないものとが混在している。
それを「コントロール」(今やシニカルに使うしかない言葉だが)しようとするならば、社会学など、それにふさわしい分野の専門家の知見が欠かせない。

在宅勤務が可能な人の割合はどのくらいなのか?
逆に余人をもって替えることの難しい、ライフラインの維持運営に携わる人々の割合、医療・介護等の従事者、食料の流通、販売に関わる人々は?……
そうした人々を積算すればたちまち2割を超える人々がそれぞれの部門を支えている。それが世の中の仕組みなのではないか。

(中身は良く分からないまま)「8割削減」を果断に行ったなら、社会そのものが瀕死状態に陥ってしまうのではないか?

◆しかも、「8割削減」は「クラスターつぶし」という戦略において掲げられた目標だ。
すでに、感染経路不明、という感染者が東京や大阪では7〜8割に達している4月9日現在、この数字にしがみついたまま「さらに頑張ろう」と呼びかけるのは精神主義でしかない。

局面が変わった以上、戦略の立て直しを図ることが急務なのではないか?


◆ダイヤモンド・オンラインに以下のインタビューがアップされていた。
耳傾けるべき意見の一つと感じた。

「東京は手遅れに近い、検査抑制の限界を認めよ」WHO事務局長側近の医師が警鐘
渋谷健司(英国キングス・カレッジ・ロンドン教授、WHO事務局長上級顧問)インタビュー

(片田江康男 記者) 2020.4.9
https://diamond.jp/articles/-/234205



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