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二〇年たっても卒業でぎね[2020年02月28日(Fri)]

DSCN2816メジロとオカメザクラ.jpg
咲き初めたオカメザクラにメジロ。
宇田川沿いの遊歩道で。

*******

◆権限もないのに子どもたちから学びの場を奪い、権限があるのに子どもたちからも保護者たちからも見送りたい在校生たちからも卒業式を奪った大人たち――彼らのことはもう信用しなくてよい。

紙切れだけの卒業に価値があるじゃなし、心の中に大きな大きな学びの殿堂をうち立てるべく「われも黄金の釘一つ打つよいチャンスではないか。
次の詩の如く。


わだすの大学     吉田啄子

高校も落ぢでまったし
看護学校も落ぢでまったし
青森の山田学校さも行げながった
中学校も卒業したんだが
中退したんだが
でぎのわりいわだす
泣ぎながら
千円札四枚持って汽車に乗ったの
着いだのは上野

たったひとりで入った
わだすの大学
試験もねば授業料も要らね

みんなしていいゴッタなあ
親がらゼンコもらって
学校さ行って マージャンやって
パチンコやって よだれたらして昼寝しているうぢ
卒業できるんだもんなあ
いいゴッタなあ
卒業してしまうんだもんなあ

わだす
わだすの大学で本読んだの
古本屋に行ったり 図書館に行ったり
伸子 も読んだし
或る女 も読んだし
チボー家の人々 も読んだ
リルケにハイネにヴェルレーヌ
プーシキンにボードレール
いろんだ本 ずっぱど読んだ
頭わりィして文章の書ぎがだも知らね
漢字も知らね なんもわがね
ほんだして勉強しているの
二〇年たっても卒業でぎね
できるわげねぇ 頭わりィんだもん

わだすの大学



◆『わだすの大学』(ネフド社、1988年)所収。
*木坂涼/水内喜久雄編著『いま中学生に贈りたい70の詩』(たんぽぽ出版、2001年)によった。

劫初(ごうしょ)より造り営む殿堂にわれも黄金の釘一つ打つ〉 与謝野晶子




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