分かち合う気組みこそ[2019年12月29日(Sun)]
マサキ(柾・正木)の実が鈴なりだった。
夏に白い花をつけていたように思うが、実は赤っぽく、中から鮮やかなオレンジの種が現れてきたものもある。
*******
◆大晦日を前に退院がかなった方の帰宅に同道した。
道々、高齢者の医療費負担を増やすという国の動きの話になり、嬉しい気分が湿りを帯びてしまった。良いお年を、と声かけておいとましたが。
現行1割負担のところ、2割負担にしようというのだ。
その昔、お年寄りは医療費の自己負担ゼロを実現した時期も短期間ながらあって、やがて老いを迎えることへの不安は相当和らぐように感じた記憶があるのだが、いつの間に、かくも世知辛い世の中になったのだろうか。
◆若者への就学支援として大学生等への給付型奨学金も始まるというが、所得による制限が設けられており、在日の人たちは蚊帳の外に置かれている。
若者の教育、年配者への医療と福祉ぐらい、分け隔てなく保障してほしいものだ。
バクチに頼らず出来るはずのこと。
*******
ひとつの精神で ヘリック
ひとつの精神で結ばれていることが
人や物に整った美しさをもたらす。
分かちあうものが等しいときに
どうして不平の声が聞かれよう。
(森亮・訳『ヘリック詩鈔』岩波文庫、2007年)
*ロバート・ヘリック(1591-1674)はイギリスの詩人。