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モネ〈アルジャントゥイユ〉の眩暈[2019年11月27日(Wed)]

モネの眩暈(げんうん)

モネ「アルジャントゥイユ」1875年−A.jpg

クロード・モネ〈アルジャントゥイユ〉1875年

◆横浜美術館の「ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」展に来ているモネ作品はこれ一枚。
アルジャントゥイユとはパリ北西10kmほどのセーヌ川右岸の町とのこと。

有名な〈印象、日の出〉の3年後の作である。

◆絵の前に立つと、軽い目まいに誘われた。
2艘あるオレンジ色の舟のうち、右手前の一艘の、こちらから見て右がわの舷とその陰影を映した水面――濃い群青色の水面――がくっきりと手前に飛び出して見えて来たのである(図録の写真では殆ど感じられない)。

対比を考えた色の配置によるものだと思うが、裸眼で平面作品を見て立体感を感じるのは時々あるとはいえ、今回も不思議な感覚に襲われた。
他の人たちはどう感じているのだろうか?聞いてみたい衝動にさえ駆られる。

二度三度この絵の前に戻り繰り返し見て飽きない。
水面に映った空の青も我々を引き寄せてやまない。身を乗り出してそこにある空をのぞき込みたい気持ちにさえ誘われるのである。

左奥の桟橋に人物がいて現実世界の描出であるように見せながら、視る者を幻想の世界に容赦なく引きずり込む。

◆家に帰ってからも、アー、あっちの世界に行ってしまわなくて良かった……という気持ちがしばらく続いている。
同時に、そっちに行っちゃって現実世界に戻れなくなったとしても、甘美さに身を浸し溶けて行っても悔いはないような、舟同様、鏡のような水面に浮かびながら揺曳を感じ続けている感覚。

*本展の図録は紙質によるのか、どの頁もクッキリ感を抑えた印刷の仕上がり。悪く言えば、鮮明度が欲しいこの絵のような場合にはもどかしさが募る印象(実物を見た後には特に)。
だが、図録の写真すら、現代の3Dアートを見るときと同様、焦点を結ばないようにボウッと眺めていると立体に見えてくる、そうした効果は写真でもかすかに感じられる(トライして見て下さい)。

それほどにこのモネの絵は永遠の眩暈の裡に我々を引き込む。その画家の手業の鮮やかさに舌を巻かざるをえない。

ぜひ会場で現物を御覧下さいますよう。



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