日本は、7人に1人が貧困に属し、OECDに属する国の中では第4位だと言う。かっては殆どの国民が中流と思っていた時代に生きた者としては驚いた。この相対的貧困率は、計算方法から見て、他の国とは比較できないが、経済格差が大きくなっていることは事実のようだ。
どんな時、貧困と感じるかと街の人に聞いているTV番組を見たが、旅行が出来なくなったとき・・とか随分贅沢な答えが返ってきていたが、一方で住む家もなく、食事も十分食べられない働き盛りの人も多くいるとのTV報道もよく見られる昨今である。
世界第2か3位の経済大国と思っていた日本が何故こうなったのか、考えさせられる。世界第1位の経済大国アメリカも日本以上に相対貧困率が高いので国全体の経済力では一人一人は幸福な生活を送っているとは言えない。
WHOは、健康を保つ前提条件として@平和A住居B教育C食料D収入E安定した環境F持続可能な資源G社会的公正と公平・・を挙げている。これらが全て十分だとは言えないのは頷ける。しかし、ここで豊かさとは何だろうと考えさせられる。
日本国内の風景として、ある小さな島での全校生徒10人足らずの小学校とその子どもたちの日常を追っている番組があった。都会とは違って電車も自動車も少なく不便と思うが、子供たちは家にゲームは持っているが殆ど使ったことはないと、屋外で嬉々として遊ぶ姿を見て、豊かさを感じた。
健康や環境で個人の努力のみではどうにもならない人々があることは忘れてはならないし、社会で援助すべきであるが、富のみを追いかけ、利己主義に走る現在の社会は考えるときが来ているのではないか。
アメリカのニュヨークの病院で、誰か分からないが、壁に落書きとして詩が書かれていたと言う。長い詩なので一節を書くと
幸せになろうとして富を求めたのに
賢明であるようにと貧困を授かった
このような心境に簡単にはなれないが、この作者は相当苦しんだのでは・・・・・
(写真はオランダの風景)