
少し前には、「格差」の問題が叫ばれたが、日本は殆どの人が「中流階級」と思っているとの調査結果もあるように、国民の多くは平等を望んでいる。逆に、アメリカなどは競争で勝った者が多くの利益を得て、格差が出来るのはある程度当然との考えが支配的のようでであった。しかし、この金融危機で風向きが大きく変わり、従来の方式が否定されることとなった。
初めての黒人大統領が、「変革」を標榜して国民が賛同し当選を果たした。世界一の経済大国でも「格差」がクローズアップされている。

格差を無くし、平等にと言ってもそれは簡単ではない。男女平等の問題でも同様である。男の私が言っても非難されそうだが、ただ、男を非難攻撃し押さえ込んでも解決しないと思う。しかし、同性から見ても非難されるべき事実もあることを認めざるを得ないので、それを認識させる啓蒙は必要であると思う。アメリカで、黒人の権利を得るため「暴力でなく、正義で」と叫んだキング牧師の言葉は今になって更にその重みを感じる。

世界的経済危機に直面して、従来の方式の欠陥が浮き彫りにされ、大国だけでなく、新興国も含めた幅広い協調の必要性が叫ばれてきていることは喜ばしいことであるが、多くの問題を抱える現在の世界は、果たして解決策が見出せるのか一寸不安である。

どうすれば良い意味の競争による発展と、同時に平等と感じることが出来るか、日本国内も世界も真剣に考える時が来ている。利己主張が強すぎては解決しないことは確かである。

東洋とヨーロッパの境

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