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2025年10月21日

臨床から行政に転職して(姫路市保健所 栗林睦子)

こんにちは。兵庫県姫路市の保健所で勤務しております、栗林と申します。

私は一昨年まで臨床で小児科医として勤務していましたが、昨年姫路市保健所に入職しました。今回はまだ行政に入職して1年の私が、臨床から移って感じたことについてお伝えできればと思います。現在臨床で働いている先生や学生さんなどで、今後行政にも興味をお持ちの方の参考になれば幸いです。

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(姫路市保健所からも姫路城がギリギリ見えます!)

臨床で働いていたとき、保健所との接点は感染症の発生届を出したりコロナ禍での入院調整をしてもらったりする程度で、正直その業務の全体像は見えていませんでした。

実際入職してみて改めて驚いたのは、その守備範囲の広さです。感染症以外にも、乳幼児健診をはじめとした母子保健、依存症などに対応する精神保健、生活習慣病や熱中症の予防、がん検診、予防接種、医療機関の立ち入り、市民からの医療相談の対応、食品衛生や動物の対応まで!

今は小児科医ということで母子保健中心の課で仕事をしている一方で、医師業務の必要に応じて所属課以外の業務にも顔を出していますが、本当にいろんなことをしている部署があり、1年経った今でも日々新しいことを学んでいる気持ちです。

入職当初に戸惑ったことを思い返してみると、最初に感じたのは誰を自分の上司としていいのかの戸惑いでした。病院では自分の上司は迷いなく小児科医師である先輩や部長でした。保健所に入職してからは、医師が少ない自治体であることもあり、他職種である係長や課長にいろいろなことを教えていただきました

医師業務とそれ以外で上司となる相手が変わる感覚で、最初は誰に何を聞いていいのかわからず戸惑った部分もありましたが、実際に事業に携わるようになると多職種で一緒に取り組むことが非常に多く、行政の現場においてのコミュニケーションの重要性を実感しています。 

最後に生活スタイルについて。前職は急性期病院で勤務していたので、定期的に当直があり、働き方改革が進んできていたとはいえ、やはり時間外勤務も多かったです。幸運なことに素敵な上司や同僚に恵まれて、やりがいもあって楽しかったのですが、一方で体力的に長く続けられないのでは、という不安がありました。勉強したいことはたくさんあるのにその時間と元気がない、ということも悔しい部分でした。

転職後は少し体力的に余裕のある勤務の中で、休日も自己研鑽として学会や勉強会に参加することはありますが、業務として職場へ出勤することはかなり減りました。上で述べたように幅広い業務に携わるので、勉強したいことは山のようにありますし、勤務時間内外を問わず様々な研修の案内が得られるのもありがたいです。 

行政医師はまだまだ人数が少ないですが、その分つながりを大事にされている先生方が多いなと感じています。姫路市は行政医師の多くない自治体ですが、本ブログを運営している事業班でのつながりや、県内での他市町とのつながりなど、入職直後から自治体を超えていろいろな先生方のお話を聞く機会があり、とてもありがたく感じています。

10月29日の第84回日本公衆衛生学会総会の自由集会でも若手公衆衛生医師の本音をお話できればと思っています。(詳細はこち)学会に参加される方はぜひ、お待ちしています!

(姫路市こどもの未来健康支援センター 兼 保健所健康課 栗林睦子)

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posted by 公衆衛生医師確保育成事業班 at 12:00 | TrackBack(0) | 公衆衛生医師の日常

2025年10月18日

【イベント告知】PHWS2025を開催します!

公衆衛生ウインターセミナー(Public Health Winter Seminar、略称:PHWS)は、社会医学系専攻医のためのセミナーとして2022年に始まり、今年は4回目です。


保健所やその他の立場で専攻医として日々がんばっておられる皆様、全国の仲間たちとオンラインで交流しませんか?この交流で生まれた「ゆるやかなつながり」が、今後のみなさまの支えになることがあると思いますので、ぜひご参加ください。



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今年のテーマは「公衆衛生医師の輪を一緒につくろう」として、参加者同士のつながりづくりができるプログラムを目指し、レクチャーを2名の保健所長にお願いしました。レクチャーごとにグループワークを行い、実際の業務で悩んだり、疑問に思ったりしていることを共有、意見を交わします。

○講演1「社会医学系専門医研修と保健所長」ーワーク・ライフ・バランスを考えながらー

 郡司 真理子氏(郡山市保健所 所長)(30分)

 グループワーク:それぞれの専門医研修(20分)


○講演2「日常の公衆衛生活動の延長線上にある災害時対応」

 服部 希世子氏(熊本県有明保健所 兼 山鹿保健所 所長)(30分)

 グループワーク:災害時に生じる公衆衛生上の課題とその対応(40分)


【イベント詳細】

・日時:202512月6日(土)14:00〜16:30

  *16:30〜17:00 オンライン懇親会(参加自由・途中退室可)

・開催方法:オンライン(zoom

・参加人数:定員40

  *社会医学系専門医研修の専攻医・専攻予定の方を優先させていただきます。

  *「産業・環境」「医療」分野の先生や大学院生、医学生の方々にもご参加いただけます。

・申込締切:11月21日(金)

・申込方法:申込用Googleフォーム

・参考情報:PHWS2024のブログ報告記事


みなさまと画面越しにお会いできるのを楽しみにしております!


(福島県県中保健所 堀切 将・長崎県県央保健所 宗 陽子)

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2025年10月03日

【イベント告知】第84回 日本公衆衛生学会総会 企画セッション G-009「若手行政職員のためのケーススタディ」グループワークを開催します!

84回日本公衆衛生学会総会で、初の試みとしてグループワークセッションを開催します。


保健や福祉の現場では、ひとりですぐに解決することが困難な事例に出会うことがよくありますよね。全国保健所長会の事業班が作成したケーススタディ集をもとに、自分だったらどう対応するか一緒に考えませんか?色々な解決手段や方針の考え方に出会えるチャンスです!


若手を主たる対象として銘打っていますが、職種・年齢を問わず、公衆衛生に熱意を持つ保健師や精神保健福祉士等専門職の行政職員や、公衆衛生に関心を持つ学生の皆さまの参加を歓迎します。ぜひご参加ください!

*基本的には事前登録制ですが、当日の飛び込み参加も可能です。

〇第84回日本公衆衛生学会 企画セッション G-009

 グループワーク「若手行政職員のためのケーススタディ」

 ●日 程:令和71030日(木) 13時〜1430

 ●会 場:第8会場(グランシップ9910

 ●対 象:公衆衛生に熱意を持つ行政職員および公衆衛生に興味を持つ学生

 ●参加費:無料

 ●定 員:50名(想定)

 ●内 容:ケーススタディ集の事例を用いた多職種・少人数でのグループワーク

     ・事例 (精神保健福祉法第23条に基づく通報への対応)

     ・事例10(マルトリートメント疑いの保護者への対応)


〇参加申込方法:参加登録システム「Confitにて申込

 【手順1】「Confit」にログイン

 【手順2】「参加登録」の下部にある「追加購入」をクリック

     

 【手順3】[10/30] グループワーク

     →「グループワーク12:若手行政職員のための〜」を選択し登録


〇問合せ:

 toshihide_iwasepref.okayama.lg.jp

までご連絡ください(@に変換してください)。


(岡山県備前保健所 岩瀬)

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