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2022年11月29日

「救急医×公衆衛生医師のキャリアパス」とは

先日は、日本救急医学会の学生・研修医部会の近畿ブロックが開催されたオンラインイベントに参加してきました。

救急医学会の学生・研修医部会ということで、救急医になることを目指しつつも、その先のキャリアとして公衆衛生医師になる場合どういうものになるのかといったことについて、富山県の小倉先生と私の2人から、救急医としてのキャリアを踏まえた現在の公衆衛生医師としての仕事についてそれぞれお話ししました。


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当日は救急医療に興味をお持ちの医学生や研修医のみなさんが15名ほどご参加いただいたのですが、講演の後にスモールグループに分かれて、
Q.一旦臨床を離れて公衆衛生の分野に来てもまた臨床に戻ることは可能なのか
A.3〜5年程度までのブランクであればすぐに戻れると思うが、本人のやる気さえあれば20年程度のブランクがあっても何とかなると思う
Q.厚生労働省の医系技官になることは考えなかったのか
A.地元に生活の基盤ができていたこともあって積極的には考えなかった。独身だったら東京へ行くことも考えたかもしれない。
などの様々な質問に答えさせていただきました。

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今回は、幹事の研修医さんが地域枠の方であったり、学生さんが今年のオンライン合同相談会(PHCC)に参加されていたりしたことから、この企画を考えていただいたとのことですが、私たちもそういったご縁を今後も大切にしていきたいと考えています。


この記事をご覧の医学生や若手医師のみなさん、全国で公衆衛生医師はもちろん不足していますが、救急医も大変不足しています。大変そうというイメージで語られがちな救急医ですが、どんな疾患や外傷にも対応できる救急医は大変やりがいのある仕事でもあります。将来の進路の選択肢の1つに救急分野も加えていただきつつ、その先のセカンドキャリアとして公衆衛生医師も選択肢に加えていただけると大変嬉しく思います。


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ところで、私は以前保健所長として10年間勤務してきたのですが、2020年から本庁へ異動して「地域医療支援センター」というところで医師偏在対策や医師確保などに関する仕事をしています。

私が所属する大阪府では、全国で唯一へき地と呼べる地域が従来から存在してこなかったため、いわゆる医師の地域偏在の課題は比較的小さかったのですが(それでも府内で医師が全国平均より少ない地域があってその対策も進めています)、それに対して救急医療や周産期医療など、政策医療と呼ばれる分野に従事する医師が少ないという、診療科偏在の課題に対応してきました。


その中で、地域枠卒業医師や自治医大卒業医師に対して、卒後義務の中でそれらの診療科や府内の医師少数地域で勤務してもらうよう、府内の大学や病院、関係機関や関係団体と調整を進めるのが私たちの役割で、本庁に勤務する公衆衛生医師の一部はそんな仕事もしています。

将来の進路を卒後義務という形で縛るのは職業選択の自由の観点からいかがなものか、といったご意見があることは承知していますが、実際に卒後義務に従事した経験があり、その中で学生時代には全く考えていなかった公衆衛生分野で現在働いている私としては、実はそんなところに思いがけない出会いや明るい未来が待っているかも知れないのではないかと思っています。

私たちとしては、地域枠医師や自治医大卒業医師に医師確保対策としての卒後義務をお願いしつつ、彼らのキャリア形成を応援していきたいと考えながら、その他の医学生や若手医師の先生方も含めたみなさんが活躍できる環境づくりをこれからも応援していきたいと考えています。


(大阪府健康医療部保健医療室 宮園将哉)
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2022年11月17日

「DOCTOR-ASE(ドクタラーゼ)」公衆衛生医師インタビュー記事、再び!

 日本医師会の医学生向け情報誌「DOCTOR-ASE(ドクタラーゼ)」には、たびたび公衆衛生医師へのインタビュー記事を載せていただいていますが、9月に当ブログでも紹介いたしました東京都世田谷保健所の橋千香先生(記事掲載当時は北区保健所)のフォローアップ記事が掲載されました。


 コロナも含めた感染症に最前線で立ち向かう保健所医師の「いま」と「これまで」を伝え、「これから」も視野に入れた、現場の思いがよく伝わる記事です。
 どうぞ、ご一読ください!
posted by 公衆衛生医師の確保と育成に関する事業班 at 22:00 | TrackBack(0) | メディアに登場する公衆衛生医師

2022年11月01日

【イベント終了】公衆衛生医師ウインターセミナー2022のお知らせ

イベント参加応募については締め切りました。多くの専攻医・若手公衆衛生医師のみなさまにご応募いただき、ありがとうございます。イベントが終わりましたら本ブログにその模様をアップさせていただきます。

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8月のサマーセミナー、9月のWEB合同相談会、10月の日本公衆衛生学会の自由集会とシンポジウムに引き続き、今年度は新たに若手医師のためのウインターセミナーを12月に開催します。

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○社会医学系専門医研修プログラム 専攻医のための公衆衛生ウインターセミナー
日時:令和4年(2022年)12月17日(土)13:30〜16:30
会場:オンライン(zoom)
内容:管内医療機関と保健所の協力体制の構築/専門医体験談と情報提供/専門医制度の誕生秘話(終了後17:00ごろまでオンライン懇親会の予定)
対象:行政機関に勤務する社会医学系専門医研修専攻医、および行政機関入職から概ね5年以内の若手公衆衛生医師
申込:チラシのQRコードからお申し込みください。(申込締切11月26日(土)・先着30名まで)

今回、全国に点在する若手公衆衛生医師・専攻医たちに交流と学びの場を提供するために、初めてこの企画を立ち上げました。

専攻医を経て専門医試験を受験して合格した先輩からの体験談や、院内感染対策を通じた管内医療機関と保健所の協力体制の構築に関するお話、国立保健医療科学院の先生からの情報提供、専門医制度の誕生秘話や専門医制度に込められた想いなど、盛りだくさんの内容をご用意しております。

全国の自治体で働く若手公衆衛生医師のみなさん、社会医学系専門医研修の専攻医のみなさん、ぜひご参加ください!

posted by 公衆衛生医師の確保と育成に関する事業班 at 22:00 | TrackBack(0) | お知らせ