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このブログでは、保健所や都道府県庁になどに勤務する現役の公衆衛生医師が、主に公衆衛生の分野に興味をお持ちの医師や医学生のみなさまや、転職・転科を考えていらっしゃる医師のみなさま、社会医学系専攻医・若手公衆衛生医師のみなさまに対して、公衆衛生・行政医師の業務や関連イベント等を紹介しています。なお、本ブログの記事に関するお問い合わせ、公衆衛生医師への入職・転職に関するご相談はこちらのフォームから受け付けております。
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【イベント終了】第81回日本公衆衛生学会総会シンポジウム「これでいい!?若手公衆衛生医師のキャリアと育て方」のご紹介[2022年10月05日(Wed)]
イベントは終了いたしました。ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。

当事業班におきましては、引き続き公衆衛生医師の業務を知っていただき、あるいは若手公衆衛生医師の育成に資するイベントを開催してまいりますので、どうぞ今後とも宜しくお願いいたします。

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先日の自由集会の記事に引き続き、日本公衆衛生学会総会関連の情報です。

10月7日から9日まで山梨県甲府市で開催される「第81回日本公衆衛生学会総会」において「これでいい!?若手公衆衛生医師のキャリアと育て方」と題したシンポジウムが開催されます。昨年度の学会総会でも、行政機関で働く公衆衛生医師の専門性やコンピテンシーなどをテーマにしたシンポジウムが開催されましたが、このシンポジウムはその続編という位置づけになっています。

学会シンポ2022.png

昨年度は、社会医学系専門医制度によって社会医学系医師の専門性やコンピテンシーは明確になったきた中で、行政機関で働く公衆衛生医師に特に求められる専門性やコンピテンシーが存在するのか、それはどういったものか、といったことが意見交換される一方で、社会医学系医師のコンピテンシーには階層性があり、獲得すべき順番があるのではないかという提案がありました。

今年度は、行政機関で働く医師に特に求められるスキルをどのように明確にしていくべきかといったことや、若手医師育成のために職場環境がどうあるべきか、実際に最近社会医学系専門医資格を取得したばかりの若手医師の経験などの話を通じて、今後行政機関で働く公衆衛生医師をどのように育てていくべきか、具体的な育成方法についても意見交換を進める予定にしています。

このブログを運営する事業班のメンバーも参加しますので、行政機関で働く公衆衛生医師の専門性、専門能力、スキル、コンピテンシー、キャリアパスなどにご興味をお持ちの方はぜひご参加ください。お待ちしております!

(追記)
シンポジストのうち、大阪府健康医療部の宮園将哉が都合により学会総会を欠席することとなったため、北海道渡島保健所・八雲保健所の山本長史が代理を務めることになりました。あらかじめご了承ください。
Posted by 公衆衛生医師確保育成事業班 at 22:00 | お知らせ | この記事のURL | トラックバック(0)
原子力防災(北海道庁保健福祉部(前・北海道岩内保健所長)村松 司)[2022年10月01日(Sat)]
 健康危機管理の中で、最近とりわけ注目されてきているのが、CBRNE災害と呼ばれる大規模かつ大きな災害です。
 CBRNEとは、Chemical(化学)、Biological(生物)、Radiological(放射性物質)、Nuclear(核)、Explosive(爆発物)の頭文字をまとめたもので、いずれも広範囲に甚大な被害をもたらすものです。

 私は本年3月まで、倶知安保健所との兼務ではありましたが、泊原子力発電所の立地する岩内保健所の所長をしておりました。
 岩内保健所の所長は、あまり考えたくない事態ではありますが、原子力発電所において万一の過酷事故が発生した際、泊原発から距離にして10kmほど離れた共和町にある「北海道原子力防災センター」に詰めて、国の現地対策本部の医療班の副班長(班長は国から派遣される)として、現地の負傷者等の医療調整を、近隣の医療機関や場合によっては大学病院などとも連携して行います。また、現地住民への安定ヨウ素剤の内服指示の伝達なども重要な任務です。

原子力防災センター.png

 北海道では毎年秋頃に、このような原発の過酷事故を想定して、現地住民にもご協力いただいての大規模な避難訓練を伴う、「原子力防災訓練」を行っています。昨年度は私も岩内保健所長として参加し、実際に防災センターに詰めて危機管理のオペレーションに参加しました(本当は写真などがあると良いのですが、保安上の理由から内部の撮影は厳禁なのです)。残念ながらコロナ禍のために住民参加の避難訓練は中止となりましたが、国や原発立地周辺町村などとも協力して、実際の危機管理のオペレーションを動かすことで様々な課題が抽出でき、実りの多い訓練であったと思います。

IMG_0980.JPG

 今はコロナ禍で保健所の健康危機管理が注目されていますが、健康危機は感染症だけではなく、こういった災害も想定して、訓練などを通して常に「起こってはならないが、起こったらどうする」を頭に描いておく必要があります。それが平時からの危機管理です。

 それもまた、保健所長の大切なお仕事です。

(北海道庁保健福祉部地域医療課・地域保健課・感染症対策課(前・北海道岩内保健所長) 村松 司)
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Posted by 公衆衛生医師確保育成事業班 at 22:00 | 業務紹介 | この記事のURL | トラックバック(0)
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