大阪府では、府内の医学部を中心に医学生の公衆衛生学・地域保健の実習を受け入れており、多くの場合2〜5日間程度で大学から依頼があった期間について、各班2〜3名程度の人数で保健所等で実習を受け入れています。
また、一部の大学では基礎医学分野への研究室配属の時期に、公衆衛生学教室に配属された学生さん(3年生)をインターン実習生として3〜4週間程度府庁等での実習を受け入れています。
先日、上記のインターン実習とは別に、将来大阪府への入職も視野にお考えの医学部5年生の方から個人的に相談を受け、検討の結果所属大学の公衆衛生学教室から正式に実習受け入れの依頼を受けるという手続きを経て、6週間のインターン実習を保健所と府庁で受け入れることになりました。
今回のインターン実習の中では、保健所内でのカンファレンスや感染症診査協議会などの所内の各種会議に加え、保健医療協議会や懇話会など所外の会議にも事務局等の一員として参加しながら、保健所職員の日常業務を体験していただき、法令に基づいた行政上の手続きなどについても理解を深めていただきました。
感染症診査協議会では症例のプレゼンを体験
一方で、感染性胃腸炎の集団発生に対する疫学調査や、精神科病院の臨時の実地指導、保健師の家庭訪問への同行など、医学生でも比較的イメージしやすい様々な業務も体験していただくことで、保健所の専門職が現場に出向くような業務についても理解を深めていただくことができたと思います。
保健所職員と机を並べて資料作成などの日常業務を体験
その中でも、今回は特に感染症患者搬送訓練を実施する時期と重なったことから、感染症の担当保健師チームと一緒に訓練の事前準備から関係機関との調整、訓練当日の実演に至るまで、一連の業務を経験していただきました。
訓練前日には府庁から運んできた搬送車を使って訓練の準備とリハーサルを実施
訓練当日には車いす型アイソレーターを用いて患者搬送や事後の消毒を実演
訓練当日には管内の消防本部の救急車(予備車)を用いて車内の養生を実演
管内消防本部の救急隊員のみなさんにも養生の実習をしていただきました
また、6週間のインターン実習の最終日には、大阪府庁の健康医療部長室において、健康医療部長や医療監をはじめ、私も含めてインターン実習の指導や調整などに関わった職員の前で、今回の実習で経験したことをまとめて発表していただきました。
発表内容には実習での経験がしっかりとまとめられていて、大阪府の保健所業務や府庁での保健医療行政の業務に加え、私たち公衆衛生医師(行政医師)の仕事内容についてもより理解を深めていただくことができたのではないかと思いました。
実習最終日の発表会では今回のインターン実習で学んだことを職員の前で発表
(発表会資料の中から本人のご感想などを抜粋・一部改変)
○行政医師(公衆衛生医師)の役割について
・保健所長には管理職としての役割や、医師として医学的な専門性を担う役割とともに、組織を代表する立場としての役割があった
・本庁の行政医師は、臨床を知る医師としての知識や、医療機関側の視点への理解が深く、専門職としての役割がより顕著であった
○インターン実習の感想について
・医療機関と府民をつなぐ保健所の業務を体験できた
・医療を制度・仕組みの面から支える本庁業務を経験できた
・「なぜこの業務が行われているか」を意識しながら、業務に取り組むことができた
・行政医師の担う多岐にわたる役割を学ぶことができた
・行政医師としての自身の適性と課題を認識することができた
今回のインターン実習については、将来大阪府へ行政医師としての入職を考えているという医学生の方でしたので、個別のインターン実習受け入れも比較的スムーズに進めることができたと考えています。また、大阪府では、毎年9月ごろに行政医師の業務説明会を開催しており、その後例年11月ごろに行政医師職員の採用選考(採用試験)を実施しています。
公衆衛生医師(行政医師)として大阪府の保健所や府庁で働いてみたい!医療政策や感染症対策、精神保健福祉、難病対策、健康づくりなど、保健医療行政の現場で働いてみたい!とお考えの医学生や臨床医の方は、まずは大阪府庁の担当課(健康医療総務課人事グループ)までお問い合わせください。
(大阪府岸和田保健所 宮園将哉)