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災害時の公衆衛生活動(長崎県 県央保健所長(兼)上五島保健所長 宗 陽子)[2020年06月27日(Sat)]
 地震や台風、豪雨災害などの大規模災害が発生した場合には、人々の健康を脅かす様々な事態が生じるため、保健所は地域における健康危機管理の拠点として災害時公衆衛生活動を行います。


 災害時公衆衛生活動は、防ぎえた死と二次的な健康被害を最小化することを活動理念として、3つ対策を柱として行われます。


 一つ目は、医療救護(救急)体制の構築です。発災直後の急性期には、負傷者の救急医療体制の確保が必要であり、亜急性期には、慢性疾患への対応や避難所での医療が必要となり、さらには、できるだけすみやかに地域医療が回復するように体制整備を行うことが必要になります。


 二つ目は、保健予防活動です。感染症やDVT対策、メンタルヘルス対策など、避難所生活における集団としての健康リスクをモニタリングし、また、在宅避難者を含めて持病・障害の悪化による新たな健康問題の発生を予防する必要があります。


 三つ目は、生活環境衛生対策です。食中毒予防、廃棄物や汚物の処理など、集団生活を行う上での生活環境を整え、健康リスクを軽減します。


 これらの活動は、地域保健法に基づく平時の保健所業務と重なります。医療提供体制の整備や、感染症対策、母子保健対策、精神保健対策、生活環境衛生対策など、普段行っている公衆衛生活動が災害時にもすべて必要で、情報を収集し、課題を抽出し、課題に対する対応策を検討し実施するという公衆衛生活動の基本は同じなのです。


 さらに、公衆衛生行政には、保健医療活動チーム(DMATやJMAT、全国からの応援保健師チームなど)の派遣調整、保健医療活動に関する情報の連携、整理分析等、保健医療活動の総合調整といったマネジメント機能が求められています。平成30年3月に、専門的な研修・訓練を受けた保健所等の職員による「災害時健康危機管理支援チーム(以下、DHEAT)」が発足し、平成30年7月豪雨災害において、岡山県、広島県、愛媛県に、全国から合わせて7チーム、28班のDHEATが派遣されました。私も長崎県チームとして、岡山県倉敷市に派遣され、保健医療活動チームの登録と避難所への配置、避難所情報の収集、整理・分析、共有、そこから挙げられる課題(熱中症、DVT、感染症、生活不活発病、口腔ケア、結膜炎・皮膚炎等)を専門職チームに繋ぐためのハブ機能を担いました。


 近年日本では自然災害が多発しており、災害時の公衆衛生活動の重要性が高まっています。様々な職種による活動の指揮調整においては困難を伴うこともありますが、公衆衛生活動の基本に立ち戻りながら行う、大変やりがいのある活動です。


編者より:朝日新聞サイトに派遣時の記事が掲載されていますので、よろしければそちらも御覧ください

Posted by 公衆衛生医師確保育成事業班 at 23:20 | 業務紹介 | この記事のURL
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