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2050年01月01日

はじめに

ようこそ当ブログへ。こちらでは保健所や都道府県庁等に勤務する公衆衛生医師が、公衆衛生の分野に興味をお持ちのみなさまに対して業務や関連イベント等を紹介しています。

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個別相談は随時こちらのフォームから受け付けております。是非、入職・転職相談や些細な疑問でもお尋ねください。現役の公衆衛生医師が対応いたします。

公衆衛生医師が、仕事やその面白さ、魅力などを配信しているYouTubeの動画チャンネルです。

業界誌「公衆衛生情報」に毎月掲載されている、若手公衆衛生医師によるエッセー集です。

全国の保健所長が保健所の進展と保健所相互の連携を図り、公衆衛生の向上に寄与することを目的に活動しています。

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2024年02月12日

FETP研修に参加しています(金沢市保健所 北岡政美)

病院、大学院(公衆衛生)を経て、金沢市8年目の公衆衛生医師です。金沢市では主に感染症対策、食品衛生、病院の立入検査、医療安全、産業医業務などに携わってきました。熱意ある上司の導きと自分のやってみたい気持ちのタイミングが合致し、FETPの受検機会を得ました。20234月よりFETP研修に参加しており、その概要についてご紹介します。


FETP(エフイーティーピー)はField Epidemiology Training Programの略で、実地疫学専門家養成コースと呼ばれ、日本では国立感染症研究所での2年間の実務研修コースとして、1999年に設置されました。世界各国でFETP研修が実施され、専門家養成が行われています。コースの目的は感染症を中心とする健康危機事象を迅速に探知して適切な対応を実施するためのコアとなる実地疫学者を養成し、その全国規模ネットワークを確立することです。


コースの大きな柱として、アウトブレイク調査、サーベイランス、リスク評価、疫学研究、学会発表や論文発表などの情報発信、国内外とのネットワーキングがあります。FETPといえば感染症のアウトブレイク調査などの現地での活動のイメージが強いかもしれませんが、日々継続的に行い、活動の要となるのはサーベイランスです。


EBSEvent-based surveillance)とIBSIndicator-based surveillance)の両輪で、感染症を中心とする健康危機事象として対応すべきことが起こっていないかを継続的、系統的に監視し続けています。EBSはインターネットの情報や公式情報、知り合いからの情報、うわさも含むもの、IBSは感染症発生動向調査などが相当します。変か(いつもと違う)、ひどいか(重症度など)、拡がるかの観点で、気になる事例を検討し、対応をするかどうかの判断と必要時の対応を行っています。


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最近の出来事でいえば、ネットワーキングのひとつとして、WHO西太平洋地域事務局でのFETP fellowshipという8週間のプログラムがあり、機会をいただき参加してきました。日本での研修を活かしながらEBSなどを行い、他国のFETP fellowWHOスタッフと働くことで、日本のFETP研修を客観的に見る機会になるとともに、立場が変わることで視点や対応が変化することを実体験することができました。


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情報を系統的に継続的に見続けることで、「いつもと違う」に気が付くことや、得た情報をどのように解釈し、対応につなげていくか判断する力を養うことは、感染症に限らず行政での業務に活かせると感じています。ご興味のある方はぜひホームページをご覧ください。

実地疫学専門家養成コース (FETP-J) (niid.go.jp)


(金沢市保健所 北岡政美)

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2024年01月10日

自治医大医学生の公衆衛生学実習(宮崎県日向保健所 豊嶋典世)

みなさま、こんにちは。今回は宮崎県福祉保健部からの報告です。

個人的には後進の育成はライフワークなのですが、県のミッションにもなっている公衆衛生医師確保のため、本庁で行われた自治医科大学医学科5年生の公衆衛生学実習に参加してきましたのでその模様を報告します。

令和5年度は4人の医学生が本県での公衆衛生学実習に参加しています(うち3人は本県出身者です)。実質2日間半での本庁実習で、なかなかタイトスケジュール(トータル5日間の実習を保健所と本庁とで折半)です。

11月14日の午後から始まった実習1日目は、行政医師の業務説明に続き、予定されているワークショップのテーマ設定(今回は宮崎県の健康課題からチョイス)、担当課へのききとり、情報のとりまとめとディスカッション....議会対応か...って思うほどには忙しいです。

今回のテーマは2つ、
 ・男子チーム:健康増進のための1日+1000歩対策
 ・女子チーム:HPVワクチン接種の普及啓発策
でした。身近な課題を自分事として捉え、県民の行動変容を促すためにできることを考える、実現可能な計画を練るプロセスを体験してもらいます。

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本庁実習2日目。担当課への再確認とそれぞれのチームの意見をまとめたのちにプレゼン資料を作成し、部長・次長・担当課長の前で自分たちオリジナルの若者視点の解決プランを力強く提示してくれました。部長も「多くのことを教えてもらい、大変ためになりました」と絶賛でしたので、皆さんのプランはこれからの宮崎県の施策にも活かされるはずです。

今回の実習を通して、ポピュレーションアプローチという公衆衛生のおもしろさを学べていたら嬉しいです。実習に参加した学生さんと将来本県で一緒に働けることを夢みて、私もこれから一層精進します。

その日の夜は宮崎の食文化を学び、お互いにとても楽しい時間を過ごせました!ご協力頂いた皆さま、ありがとうございました。

(宮崎県日向保健所 豊嶋典世)
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2023年12月28日

【イベント終了】第82回日本公衆衛生学会総会自由集会「公衆衛生医師の集い」のご紹介

2023年の本イベントは終了いたしました。ご来場いただいた公衆衛生医師の皆様、本当にありがとうございます。本企画は来年以降も開催予定ですので、これから公衆衛生医師を志している皆様も、次回「仲間」として参加していただくのをスタッフ一同楽しみにしております!

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まるで春のような陽気の暖冬から一転、近頃は寒さが一段と厳しくなってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。


さて、去る10月31日に茨城県つくば市で開催された「第82回日本公衆衛生学会総会」において「公衆衛生医師の集い」を無事に開催することができました。


この「公衆衛生医師の集い」は、その名の通り公衆衛生医師のための集会で、今回が11回目の開催となり、今回は30名余の先生方にご参加いただきました。


内容としては、「新潟県における公衆衛生医師確保の取組」と「公衆衛生医師の離職調査に関するアンケート結果」をそれぞれご講演いただきました。その後の質疑応答が大変に盛り上がり、あっという間に1時間が過ぎ去りました。


当初の予定では、講演の後はグループワークを行うつもりでおりましたので、これは想定外のことでした。が、会場の皆様から吹き出す熱意やコロナを超えた想いに大いに触れることができ、これはこれで大変有意義な時間になったのかなと思っています。


この集会は伝統になりつつある?ようで、今後も続いていく可能性が高そうです。今回ご参会いただいた方もそうでない方も、是非またご参加ください!


最後に、本集会を開催することは私にとって初めてチャレンジで、全てが分からない事づくめでしたが、運営にご協力いただいた皆様、そしてなにより当日ご参加頂いた皆様のおかげでよい時間にすることが出来ました。本当にありがとうございました!


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(愛知県新城保健所 成田智晴)


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2023年12月22日

公衆衛生ウィンターセミナー(PHWS)2023 を開催しました!

昨年度から新たに始まった社会医学系専攻医のためのオンラインイベント、公衆衛生ウィンターセミナーが12月9日(土)に開催されました。

今年のテーマは
「地域の実情」に応じて課題を解決するには?さあ、考えよう。
とし、

「全国の若手公衆衛生医師が、それぞれの地域の課題を自分事として捉え、自分の立場で組織のためになにができるのか、主体的に組織に働きかけることで、地方自治体からよりよい公衆衛生活動を展開していきましょう」という趣旨でセミナーを開催しました。

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「地域の実情をじっくり観察してみよう」という意図で、今回は「虫眼鏡」をモチーフとしました。
虫眼鏡で頭の中を覗くと「?」が飛んでいますが、あるときふと「!」に変わる
そんな瞬間を体験してほしい、という思いを込めました。

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今回のセミナーでは、参加者が主体的に考え意見を述べてもらうことを重視しました。グループワークで各グループの意見をまとめ、参加者自らがスライドを作成し、全体に対して発表するまでをすべてオンラインで実践していただきました。

➤発表スライドの一例
社会医学系専門医研修の課題と解決策の提案(Aグループ)

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高齢者施策(医療と介護の連携を中心に)の課題と解決策の提案(Eグループ)

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地方自治体に所属する公衆衛生医師だけでなく、産業医や大学院生、公衆衛生医師への転職を予定している臨床医など多様な背景を持つ29名の方にご参加いただきました。講師3名、スタッフ21名とともに、講義・グループワーク・発表を通じて、大いに学び、交流を深めることができ、大盛況のうちに終了しました。

➤最後は「考える」ポーズで集合写真を撮りました

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ご参加いただいた皆様と運営にご協力いただいた皆様のおかげで、素晴らしいセミナーにすることができました。本当にありがとうございました。

(運営委員長 大阪市健康局健康推進部 植田英也 ほか主催者一同)
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2023年12月07日

重症難病患者を対象とする災害訓練を行いました(徳島県阿南保健所 郡尋香)

徳島県入職10年目の郡です。今回は、勤務先の阿南保健所で企画した災害訓練についてご紹介します。

多くの保健所では、難病対策として、相談や訪問支援などの個別支援、医療費助成、地域の保健医療福祉ネットワーク構築、人材育成、普及啓発などを行っています。その中には地域で過ごす難病患者の災害対策も含まれています。

医療依存度の高い難病患者では災害時の避難や移動も大変で、平時の準備がより重要となるため、関係者に呼びかけて訓練を行いました。メンバーは、協力患者さん、ご家族、ケアマネジャー、訪問介護、訪問看護、人工呼吸器メーカー、地域包括支援センター、地元・阿南市の関係部局(保健・障がい・防災担当)、消防、地域住民(自主防災会・民生委員)と、多くの参加がありました。

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協力患者さんは自宅での垂直避難訓練を経験されていたため、今回は発災から数日経過した想定で施設間移動を訓練しました。避難先の病院から福祉避難所の特養までの移動です。

施設間の移動では調整も多く、支援者同士で重ねた打合せや訓練で役割を確認し、関係を深めることができました。人工呼吸器、吸引器の他にも必要な物品は多く減らしても荷物は大量でしたが、地域の方が運搬役を担いスムーズに移動できました。訓練とは異なり、発災時に支援者が揃うことはないため、その点も踏まえて備える必要があります。

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振り返りでは、協力患者さんが「みんなの顔を見て力が湧いてきた」と仰っていました。また、地域の方の「訓練を自主防災会活動に活かしたい」というコメントに、とても心強く感じました。

今回の訓練対象者は1名だけです。しかし、他の災害時要援護者支援とも共通したり、地域全体の仕組みに反映できることもたくさん確認できました。訓練の企画実施は時間も労力も必要ですが、得られるものも大きいですね。
(徳島県阿南保健所 郡尋香)
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2023年11月29日

【栃木県】「公衆衛生医師ONLINE TALK CAFÉ」を開催します!

現役の公衆衛生医師(県職員)が公衆衛生行政のやりがいや魅力をお伝えするトーク・カフェ(オンライン座談会)を開催します。医師だけでなく、医学生も歓迎です。地域も問いません。行政(本庁・保健所)、公衆衛生に関心のある方は、是非ご参加ください!

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○栃木県「公衆衛生医師ONLINE TALK CAFÉ」
【日時】令和5年12月16日(土)・23日(土)14:00〜15:30
【WEB】Zoom会議システム
【内容】保健所や本庁で働く公衆衛生医師の役割・業務紹介/勤務条件・ワークライフバランス・専門医/質問タイム/個別相談(希望者のみ)など
【対象】栃木県職員(公衆衛生医師)の受験をお考えの方/公衆衛生行政や保健所業務に興味のある医学生・研修医・医師の方
【申込】参加を希望される方は開催日の前日までに参加申込フォームから登録いただくか、栃木県保健福祉部保健福祉課企画調整担当(人事)宛てにメールで御連絡ください。

また、上記以外にも当事業班では、全国から相談を受け付けております。ご相談はこちらから受け付けております。

(参考)

(栃木県保健福祉部医療政策課 早川 貴裕)
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2023年11月20日

高校3年生にHIV・性感染症予防の出前講座を実施しました!

高松市保健所の行政医師の藤川です。卒後、初期研修を経て保健所に入庁した年から、新型コロナ等を含めた感染症対策に長らく取り組んでいます。

この10月末に、保健所による高松一高3年生へのHIV・性感染症予防の出前講座を行いました。高松一高は当保健所から徒歩数分ぐらいの距離にあり、HIV・性感染症予防教育の出前講座は毎秋の恒例行事となっています。特に3年生はあと半年で大学進学など新たな門出を迎えますが、親元から離れて安心な大学生活を送っていただくために、私が保健所に入庁した年からこの講座を依頼され(当時は訳も分からず「ぷれいす東京」さんの性教育研修など慌てて勉強に伺いました)、今ではおなじみの定例行事となりました。

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本講座は、一方的な講義スタイルではなく、保健師の司会による「先生と生徒によるHIV検査のロールプレイの実演」や、「みんなで〇×ウルトラクイズ(70〜90年代の一世風靡した某有名なテレビクイズ番組名から拝借)」などを行いながら、仲間たちと一緒に語らいながら楽しく学ぶ機会となっています。

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今回は新しく改築された体育館内の講堂をお借りしての実施で、まるで大学のような広くてキレイな場所で驚きました。3年生全員262名+教員の先生方らにお集まり頂きましたが、ウルトラクイズ実施時には生徒さん達も大変盛り上がっていました。今年からはキャッチアップ世代向けのHPV9価ワクチンも無料接種できるため、高3生にはこちらもしっかりアピールいたしました。(ワクチンの説明時、生徒さん同士がお互いに接種したかどうか確認している場面もあったようです)

このような仲間同士での学びや共有体験を通じて、困ったときの対処方法を信頼できる大人や医療機関に相談できるように、備えて頂けたら何よりです。

(高松市保健所 藤川 愛)
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2023年11月13日

公衆衛生ウインターセミナー PHWS2023 今年も開催します!

昨年度から新たに始まった専攻医のためのオンラインイベント、公衆衛生ウインターセミナーが今年も開催されます。

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【公衆衛生ウインターセミナー PHWS(Public Health Winter Seminar)2023】
・対象:社会医学系専門医研修プログラム専攻医・専攻予定者
・日時:2023年12月9日(土)13:00〜17:00
・場所:オンライン(Zoom)
・参加費:無料
・定員:40名
※大学院生や「産業・環境」「医療」分野の先生もご参加いただけます
・内容:PHWS2023プログラムはこちら(PDF
・申込方法:参加申込はこちら(Googleフォーム)
・申込締切:11月24日(金)
・告知用ショート動画:公衆衛生医師チャンネル(YouTube

詳細は、全国保健所長会の案内ページをご覧ください

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社会医学系専門医研修プログラム専攻医のみなさんは、まわりに同期の仲間が多いとは言えない状況かと思います。そうした中で、お互いの研修プログラムの履修状況や専門医試験へ向けての準備状況などを同期の専攻医同士で情報交換したり、それぞれの地域での公衆衛生課題について議論しあったりする機会が提供できればよいと考え、昨年度からオンラインで専攻医向けのセミナーを開催しています。

今年のテーマは
「地域の実情」に応じて課題を解決するには?さあ、考えよう。
です。

厚労省の通知でよく目にする「地域の実情に応じて」というフレーズですが、我々は果たして「地域の実情」を把握し、解決策を提案できているでしょうか。地域の健康課題を解決できるのはその地域で働く公衆衛生医師、「あなた」かもしれません。

全国各地からオンラインでつながった仲間や講師とともに研修プログラムや公衆衛生活動を学び、語り合い、交流を深めましょう。研修についての情報交換、ネットワークづくり、公衆衛生医師のおもしろさ・やりがいを再発見する機会としてお役立てください。

(大阪市健康局健康推進部 植田英也)

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2023年11月04日

公衆衛生医師に関するシンポジウムが開催されました(第82回日本公衆衛生学会)

先にこのブログでも案内した公衆衛生医師に関するシンポジウムが、先日つくばで開催された日本公衆衛生学会総会の1日目、10月31日に開催されました。

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まず、4名の演者からの講演がありました。
<講演の主なテーマ>
・大学公衆衛生学教室/地元行政との連携に関する調査(国立保健医療科学院 町田先生)
・秋田大学医学部生への実践的な公衆衛生学教育(秋田大学医学部衛生学・公衆衛生学講座 野村先生)
・全国保健所長会の活動や香川県における大学/行政の連携(香川県東讃保健所 横山先生)
・他領域における産学官連携での人材育成(株式会社リンクアンドモチベーション 樫原先生)

国立保健医療科学院の町田先生からは、キーワード「公衆衛生医師」に唯一触れる機会を医学生に提供するのは公衆衛生学教室であることを踏まえ行った調査で、医学生の7割が公衆衛生そのものに何らかの興味を持つこと、1割は公衆衛生医師のキャリアに関心があること、公衆衛生医師キャリアを考える医学生でも「勤務するなら臨床を数年経験後」が最多だったことなどが報告されました。

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公衆衛生医師を目指す人を増やすには「楽しさが伝えられるかどうか」がポイントで、公衆衛生医師の魅力を楽しく語ること、教室と行政が共に公衆衛生医師希望者の発掘や紹介を行うこと、公衆衛生医師キャリアを臨床医と同じ並びで紹介すること、何より教室と行政の定期的な交流を図ることが重要と述べられました。


秋田大学の野村先生からは、医学部生への公衆衛生学教育の実践についてのご講演で、調査を活用したお話などがありました。秋田県から大学へ委託された県民健康栄養調査では、キャッチコピー「生きた調査を学ぶ」のチラシで毎回医学生10人以上の参加があるそうです。

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さらに、教室では多くの調査研究にそれぞれの学生が個別・主体的に取り組み、筆頭著者での論文発表の機会も提供されています。学生筆頭論文は2021年は16件、2022年は17件、うち英文原著論文は2021年が7件、2022年が6件、どれもがインパクトファクター4以上と引用回数の多い医学雑誌へ掲載されました。臨床実習前の学生が社会医学的課題への関心を持てるよう取り組まれ、学生の研究環境構築や丁寧な指導体制に会場からは驚きの声が上がりました。


香川県東讃保健所・横山先生からは、全国保健所長会事業班活動及び香川県での大学との協働について発表がありました。全国保健所長会サマーセミナーでは4人に1人が大学の講義、実習、掲示板で開催を知り参加したこと、また以前は少なかった大学生、大学院生、大学病院臨床医が約半数を占めるまで増加したことから、医育機関である「大学」は公衆衛生医師の全てに関連すると認識されていました。

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全国保健所長会での人材確保の取り組みは全て地元・香川県でも展開され、県予算で香川大学との共催で行う年数回開催のセミナーについて詳細が報告されました。セミナー告知のポイントとして、多くの大学関係者が使う学内エレベーター横掲示板の活用など、具体的なtipsも紹介されました。


株式会社リンクアンドモチベーション・樫原先生からは、企業・大学の両方でご活躍の立場から「エッジソンマネジメント」による「青田買い」から「青田創り」へ転換が重要とのお話がありました。大学4年+卒後3年の7年間が人材育成の要で「ゴールデンセブン」と位置づけられることや、樫原先生が経験された多くの企業・団体とのコラボレーション事例の一部が具体的に紹介されました。

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人材育成では、若者へきちんと説明するための「しかるべき準備」が必要なこと、「無名の大人」の言葉も影響力があること、「ミラー効果」で指導側の育成・共育効果があることなどが印象に残りました。保健医療福祉分野で見聞きする人材育成の話題とは雰囲気も異なり、刺激的な講演でした。


講演後のディスカッションは、それぞれの演者が質問に答える形式で進行しました。座長やフロアから、連携のきっかけ、ミラー効果、関係を維持するポイント、楽しかったエピソード、臨床系専門医の維持、などの質問があり意見が飛び交いました。

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今回は70名ほどの参加者にお越しいただきましたが、会場は座長の白井先生(枚方市保健所)、杉山先生(筑波大学)の巧みな進行で大いに沸き、現地開催ならではの一体感に包まれていました。

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終了後に企画運営を担当した方にお聞きしたところ、実は綿密な準備がなされていたそうで、事前打合せはなんと4回!!(web会議3回+当日確認)。熱意と丁寧な調整が生み出した盛り上がりだったのですね。

演者・座長の先生方、裏方として活躍した関係者に頭が下がるとともに、一人の参加者として「一緒に働く仲間を増やしたくなる公衆衛生医師の仕事」に就いていることを誇りに思いました。

なお、後日学会公式ウェブサイトにおいてオンデマンド配信が予定されています。参加登録済みの方はぜひご視聴ください。
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