皆さんこんにちは、ペンデル税理士法人の福山です。
新年が始まったと思ったら1月も今日で終わりで、新年度の事業計画・予算作成もピークにさしかかっているのではないでしょうか。
というわけで、今回は予算作成のポイントについて、法令上の位置付けから順にみていきたいと思います。
1.予算の法令上の位置付け
予算は、新会計基準上、財務諸表としての位置付けはなく、公益認定法において作成が求められているのみです。
よって、一般法人は法令上作成の必要はなく、法人自治の観点から定款等に基づき作成されているというのが実態と思います。
2.事業計画との関係
「予算=事業計画を数値化したもの」 のため、基本的には事業計画作成後に予算を作成することになります。
ただ、計画は立てたものの充てる財源がない、なんてことにならないよう、予算の収支状況をみながら、事業規模の拡大や新規事業の検討など、事業計画を練り直すことも多分にあると思います。
したがって、@暫定案作成(事業計画→予算) A提出案(事業計画→予算) というように、
事業計画と予算をループしながら作成するのが実際の流れと思います。
3.予算作成のポイント
収益側については、事業計画をはじめ会員数や補助・受託事業の見込み等をもとに比較的予算化し易いものと思います。
よって、ここでは、費用側について触れていきます。
費用は大別すると、個別の事業と直接的な対応関係にある直接費とそれ以外の間接費に分けられます。
事業毎に直接費を算出したのち、間接費を職員の従事割合や使用割合をもとに各事業に配賦して予算計上する、というのが基本的な流れと思います。
この直接・間接の視点に加え、契約等によって既に見込まれている「既決項目」と、それ以外の未決項目に分けて捉えると積算し易くなります。(マトリックス図)
既決項目: 契約や法人の規程等によって既に決まっている項目
→ 契約や規程等をもとに算出
未決項目: 既決項目以外
→ 事業計画、前年実績値などをもとに算出
予算作成には項目毎の過去実績の集計が欠かせないため、会計ソフト上で摘要集計機能(※)を活用するなど実績データの管理が重要になります。
(※)同種の取引につき、同一の摘要名称(又は摘要コード)による管理で、摘要名称・コードをキーとした集計が可能になる機能
4.新公益法人制度との関係
(1)公益法人
新事業年度開始前までに、行政庁に対し予算書の提出が求められますが、
予算書上での財務三基準(収支相償、公益目的事業比率50%以上、遊休財産保有制限)のクリアは基本的に欠かせませんね。
もちろん、基準判定は事業報告において行われ、収支相償であれば翌年度以降の剰余金の扱い等を記すことによる説明も可能なため、予算上のクリアは必須ではありませんが、
行政庁対応をスムーズに進めるため、なるべくこのような事態は避けたいところです。
また、前述の提出書においては、資金の調達(借入金)と設備投資の見込みを記した書類の提出が求められるため、これまでの「収支計算」の視点から数値を捉えておく必要があります。
なお予算書の留意点ですが、会計処理規程などにより費用は予算枠内での執行を前提とされている法人が多いため、ある程度の「安全」をみた予算、
つまり実際の見込みよりも過大に予算計上されているケースがい多いように思います。
これにより、予算上は収支相償だけど実際に決算を締めてみたら、未執行残額が多くクリアできなかった、なんてことも想定されるため注意が必要です。
(2)一般法人(公益目的支出計画遂行中の法人)
一般法人の場合、行政庁への予算提出は求められませんが、
費用に関し実際の見込みよりも過大に予算計上されている場合には、
支出計画の遂行可能性の判断にあたり、「安全」を考慮に入れた確認は欠かせませんね。
次回は、補正予算について考えていきたいと思います。
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