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2014年10月20日

収支相償のクリアに向けてB


皆さんこんにちは、ペンデル税理士法人の福山です。

今回も前回、前々回に引き続き、収支相償のクリアについてです。
検討の流れのSTEP1〜4のうち、残るSTEP3・4について、ポイントを記載したいと思います。


STEP3.公益目的保有財産の取得の検討
 黒字額を今期の公益目的保有財産の取得に充てる場合には、クリアしたものとされます。

 この公益目的保有財産は、有形・無形の固定資産で、
 金融資産は、対象外としているのが行政庁側の原則的な考え方のようです。

 よって、タイミングよく固定資産の取得予定と合えばいいですが、
 そのように都合よくいくケースのほうが稀と思います。

 「ではどうするか?」 ですが、

 公益目的保有財産として、金融資産の取得を完全に排除しているわけではないため、
 可能性は低くとも、個別事情の説明によるクリアについて、検討する価値はあると思います。


STEP4.特定費用準備資金、資産取得資金の検討
 特定費用準備資金及び資産取得資金の設定は、
 何かと法令上の制約があるため、活用は最低限に抑えたいところですが、
 前述のSTEP1〜3で対応できない場合には、検討することになります。

 いずれも資金の使途に制限をかけるものであり、
 資産取得資金は、資産の取得・改良に充てるため、
 特定費用準備資金は、費用(資産の取得以外)に充てるために保有されるものです。

 なお、これら資金の計上要件は以下のとおりです。
  (1) 設定した活動の見込あり
  (2) 積立限度額は合理的に算定
  (3) 会計上、特定資産として計上
  (4) 目的外取崩については、禁止又は特別の手続きの定めあり
  (5) 上記(2)、(4)に関する規程の事務所備置き等の対応あり


収支相償対策としてのSTEP1〜4についての説明は、ここまでになりますが、
この収支相償基準については、内閣府の公益認定当委員会でも問題意識を持ち、
研究会を発足させ検討を進めています。

2014.7/1付ブログ・会計制度に関する検討状況

厳しい日本の財政状態の中、社会的ニーズが多様化する現代においては、
国が担える範囲は限られています。

そのような状況においても、民間における社会的活動への参加者は増えつつあり、
社会的課題の解決は、この民間活力活用のいかんにかかっているといっても
過言ではないと思います。

公益法人が、ミッション達成に向け健全な法人運営ができるよう、
実態を踏まえた制度の見直しに期待したいと思います。

posted by 福山 at 11:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 認定基準

2014年09月30日

収支相償のクリアに向けてA


皆さん、こんにちは、ペンデル税理士法人の福山です。

今回も前回に引き続き、収支相償のクリアについてです。
前回記載した検討の流れのSTEP1〜4のうち、STEP1・2について、
具体例を交えポイントを記載したいと思います。


STEP1.収益・費用の計上区分の確認
 収益と費用の計上事業区分について、公益事業の黒字額を減少させる観点から確認します。

(1)収益項目
 法人会計または、指定正味財産に計上できるものはないか、
 以下の取扱の適用是非について確認してみましょう。

  @ 事業が公益のみ(収益事業等なし)の場合
   → 公益事業の収益も一定額は法人会計に計上可能

  A 寄附金や賛助会費など対価性のない収益
   → 使途の特定を前提に法人会計や指定正味財産に計上可能

  使途の特定とは、例えば、法人会計の管理費や、将来の○○周年事業(公益事業)のための
  寄附金などのように、寄附者によって使い道が指定されていることをいいます。

  この場合、
  前者であれば法人会計に、後者は公益事業の指定正味財産に計上することになり、
  いずれも、収支相償の判定対象の収益からは除外されることになります。

  公益法人が使途の定めのない寄附金等を受けた場合には、
  原則として、公益事業で全額計上せざるを得ません(社団法人の通常会費を除く)。

  しかし、
  使途の特定がある場合にはそれに従うことになります。

  つまり、
  優先されるのは寄附者の使途であり、その使途によって計上区分が決まるということです。

  したがって、
  このことを踏まえ寄附や賛助会費を募集することで、収支相償はぐっと満たし易くなります。


(2)費用項目
 各会計・事業に共通してかかる費用は配賦可能ですが、配賦基準の算定の手間などを理由に
 配賦しない場合には、法人会計に計上することになります。

 以下項目は、実際の相談会等で対応した団体が、法人会計に全額計上していたものの例です。
 配賦の是非について検討してみましょう。

  @ 役員の人件費 
   → 役員といえどもマンパワーの問題から、直接的な事業にかかわるケースは
     少なくないと思います。この場合、従事時間をベースに配賦可能です。

  A 総務・経理スタッフの人件費
   → このような管理スタッフの人件費を、管理費つまり法人会計に全額計上している
     ケースをよく見かけます。管理スタッフでも、例えば、公益セミナーの手配や、
     入出金管理を行うことは想定され、この場合、公益事業への配賦はもちろん可能です。


STEP2.黒字原因と翌期計画の確認
 黒字が、恒常的なものか、それとも一時的なものかについて確認します。

 例えば、予定していた大会の中止で、費用が圧縮された結果、黒字になったような場合には、
 一時的な理由と説明できます。そしてつづく翌期に、大会の規模拡大等により、
 『 今期黒字額 < 翌期赤字額 』 が見込まれる場合には、クリアしたものとされます。

 なお、この場合には、拡大等の見込みについて、翌期の事業計画書及び予算書に織り込んで
 おく必要があるでしょう。

posted by 福山 at 18:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 認定基準

2014年09月25日

収支相償のクリアに向けて


皆さんこんにちは、ペンデル税理士法人の福山です。

「収支相償をクリアするにはどうしたらいいか?」

相談会などでは、
現に公益法人として活動されている方に限らず、
公益化を目指している方々からも、よく受ける質問です。

言うまでもなく、収支相償とは、
公益事業に赤字、又は収支トントンを求める基準であり、
健全な法人運営を行う上では、大きな障害になっています。

制度上の対策としては、
特定費用準備資金や資産取得資金が用意されていますが、
規程の作成をはじめ制約が多いため、活用は最小限にとどめたいところです。

そこで、
収支相償クリアに向けた検討の流れとポイントについて、
数回に分け、記載したいと思います。

まず今回は、
検討の流れと、その概要について記載します。


<検討の流れと概要>

STEP1.収益・費用の計上区分の確認

 → 収支差額は言うまでもなく、収益と費用の差額です。
   したがって、収益と費用を計上する区分について、
   公益事業の差額を減少させる観点から確認します。


STEP2.黒字原因と翌期計画の確認

 → 黒字が、恒常的なものか、それとも一時的なものかについて確認します。
   一時的な理由の場合には、翌期の見通しを含めた説明により、クリアできます。


STEP3.公益目的保有財産の取得の検討

 → 公益目的保有財産は、有形・無形の固定資産が想定されているようですが、
   当期にこれらを取得する場合には、クリアしたものとされます。


STEP4.特定費用準備資金・資産取得資金の検討

 → 前述のSTEP1~3でも対応できない場合に初めて、
   特定費用準備資金等について検討することになります。


次回以降で、上記STEP1~4のポイントについて、具体的に記載したいと思います。




posted by 福山 at 16:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 認定基準