2021年ピアファームの取り組みを振り返って [2022年02月22日(Tue)]
2021年ピアファームの取り組みを振り返って
1.はじめに〜コロナ過の体験から学んだこと。 新型コロナウイルス感染対策が始まって2年になり、人の移動、イベントの中止など業務を進めていく上の課題も多くありましたが、スタッフとメンバーの総意で1年間を無事に終え、新型コロナウイルス感染で事業所を休止することはありませんでした。 近隣の社会福祉施設等で新型コロナ感染が流行ることもあり、予断の許さない事態となっていましたが、3密防止、手洗いの励行とマスクの着用、移動等の自粛を守り、利用者と保護者家族の方、一人一人に徹底することで今のところ乗り切ってきました。しかし、いつ不測の事態になるかわからないことを想定しながら2021年を終えました。 不測の事態は必ず起こることを前提に運営していくことが重要と認識してスタッフやかかわる人すべてに遵守をお願いしています。 2. 少子高齢化の進む地域社会で「産直市場ピアファーム」が担う役割 坂井市三国町は坂井市で最も高齢化率が高く30%に近づいています。地産地消と買い物難民の高齢者を支える店舗として営業、店舗業務を障がいのある人たちが担ってきました。地域共生社会が言われていますが、その先駆けとしての就労継続B型事業を取り組んできました。 3. 保護だけに、偏らない、拘らない、囚われない就労継続事業 1)ピアファーム創設15年目「過去〜現在までの推移」と「未来戦略」 法人を創設した際に、誰もが2年も持たない事業と思われましたが、今年で15年目を迎えました。法人経営理念に@働くこと学ぶこと、かかわることを大切にしていきます。A地域の人たちと共に農業の振興、活性化を図ります。B良質で安心安全な商品(梨、野菜つくり)をめざします。を掲げてこれまで実践してきたことが間違いでなかったと思っています。 農福連携が提唱されて10数年が経ちますが、障がいのある人たちが農業に携わることは特に地方では理解されていないことが多いですが、保護だけに偏らない障がいのある人たち、地域の人、保護者が一体となって進めてき意義は大きいと思っています。産地農産物を継承していくことで障がい者ある人が担うことに拘らない、囚われない「本物・良質」を追求していくことが私たちの使命でもあります。 2) 持続可能な「ハッピー創出共生社会」に取り組む視点と目標 農業も就労継続支援事業も社会的にはとてもマイナーな事業のように常に感じています。ここ近年のB型事業の利用で増えてきたのが発達障がい、精神障がい、引きこもりの人たちです。しかし、以前は利用が殆ど皆無であったこのような障がいの方たちの利用が増えていくのでしょうか。家庭や地域、職場で見放された人たちが10年前は利用が皆無であった就労継続支援B型事業を利用してきています。発達科学が進むことで分断が進み、統合化することができなくなる社会の縮図があります。 3) 組織から弾かれた人や障がい者、放棄された耕作地の再活性化の本意。 引きこもりの方が利用されるようになってきました。大学病院の紹介で引きこもりの方が利用、初めは週1回が、今は4回来ている。本人はここで働くことが好きですと言っています。障がいのあるメンバーがやさしくリードして仕事を教えていることがとても教育効果があるようです。 これまで荒廃農地を2.5ha開墾、地域の方の耕作依頼や撤退した農業生産法人の放棄地も担い今は7.1haまでなり、障がいや多様な課題を持つ人の働く場になっている。 4. 全ての従業員と関係者を視野に展開する「一生涯のワーク&ライフ」構想。 ピアファームは農業生産販売をすることで、果樹産地の坂井北部丘陵地の活性化になっている。その理由として荒廃農地の開墾、耕作化、二つ目にはナシの産地である丘陵地で2.5haのナシ園を経営していることや福井県の園芸奨励品種であるブドウ栽培にある。この2品種で稲作では30ha分の収益を上げていることがあります。この事業を継続することであわら市波松地区の振興と地域農業の継承に貢献しています。ナシやブドウの栽培と販売で法人だけでなく、7つの福祉事業所に販売を委託することで、工賃給与向上につながっている。 5.2021年度の新たな展開。 1) 観光農業公苑癒しの果樹園あわらベルジェの新たな役割 観光ぶどう・梨園に中高生の修学旅行や遠足で約750名が来園された。あわら温泉、 あわら市の観光としての農業体験の場にもなっている 2) 農業体験実習の場としての推進 特別支援学校キャリア教育推進の一環として福井県立特別支援学校2校が毎月一回実習をしている。他に県内農林高校や大学のインターンシップの指定事業所になっています。 |