平成29年 年頭所感
さりげなく あたりまえに はたらく
〜 法人創設10年目の節目を迎えて 〜
NPO法人ピアファーム
理事長 林 博文
皆様のご支援のお蔭を持ちまして、これまで大きな怪我や事故もなく、今年で法人創設10年目を迎えることができましたことに心より感謝を申し上げます。
事業の方向を農産物の栽培に力を入れるため、昨年末で5年間運営してきました福井市順化1丁目に設置致しました夢の果実農産物直売所呉服町店を閉じました。農業生産者の高齢化、担い手不足により農産物直売所に集まっていました農産物が品薄になり、これからは少し農産物の栽培生産にメンバーと共に力を入れていきたいと考えています。
これまでの農業に特化した事業実践を振り返りながら、これからの10年、20年を展望していきたいと考えています。まだ、まだ至らない面も多々ある法人ですが、メンバー、スタッフ、保護者の皆さんのご支援とご協力を賜りながら、今年も精一杯努力します。
年頭にあたり所感を申し述べます。
1.メンバー工賃給与の向上をめざした就労支援事業
1)メンバーと共に汗を流し働くことに感謝
障がいのあるメンバーが働き手(担い手)となり農業に特化して生産、販売、栽培を一貫した農業経営に取り組み、高い工賃給与が得られるアグリビジネスを継続していくことをめざしていくことが、当法人の役割と責務と考えています。
本人ができることを大切にして、楽しく農業で働き、販売を通じて高い工賃給与を出していく仕組みをつくりだし、社会に貢献していくことを事業の中核に据えた取り組みを今後とも継続していきます。
2)産直市場ピアファームは5年目、B型事業で働くことで地域に貢献する
営業を引き継いだスーパーマーケットを産直市場ピアファーム就労継続B型事業所として開設、営業が困難な店舗を引継ぐことは多くの苦難があり、採算面で人件費、光熱費等のコスト削減に挑みながら社会的な使命を達成しつつ、運営に努力しています。
この事業所を通じて坂井市三国町エリアの障がい者就労支援と地域振興と貢献を果たして行きたいと考えています。
3) ナシ・ブドウ・野菜栽培がピアファームの原点
開設当初は1haであったナシ園も2.5haになり、ナシ栽培も15年になりました。5年前からはブドウ栽培も始め、観光化にも取り組んでいます。
障がい者就農を本格的に取組み、農業で働くことが地域振興と共に財産になり、農産産物の販売等を連携していくことで彼らの自立支援が図れることがピアファームのめざす目標でもあります。
2.平成29年度に取り組みたいこと、そして展望
1)品質、技術の向上 〜 栽培、販売、接客
ナシやブドウを栽培していくこと。栽培した農産物、商品をお客様に買って頂くための商品陳列、販売、接客など、これまで以上に品質向上を図って行きます。そのためには、スタッフのメンバー支援スキルの向上、そしてメンバーの生産力を向上させるため、下記の2点を中心にスキルアップを図りたいと考えています。
@できることを伸ばしていくスキル向上A会話、聴く、伝えることをしっかりできるようにする。
2)あわら・坂井のうふく連携事業を通じて〜地域、農家、団体との農業振興につなげる
これまで事業と支援を継続できたのは地域、農家、各種団体など多くの皆様のお蔭と深く感謝しております。昨年より始まった事業を通じて様々な面の連携から療育的な支援の拡充と強化、次世代につなぐ事業ステップの試行と準備、販売の拡充を図ります。福祉事業、就労、就農事業から、地域の多くのと農業継承、発展に繫げます。
3)法人創設10周年に向けて 〜10年、20年後を見据えて〜
平成20年4月に創業し、今年から10年の節目を迎える準備に入ります。これまでを振り返りながら、10年、20年の長期ビジョンを策定していきながら、これからの事業実践を考えて行きます。
4月頃に実行委員会を立ちあげて、10周年事業、これからの10年、20年を見据えた検討していきます。
これからの障がい者就農、暮らしのことなどを法人の事業の在り方も含めて議論を深めながら、次世代に事業を継承していきたいと思います。
@これまでの歩みを振り返るなかで感じていること
メンバーと共に働くことがこれほど素晴らしいことをこの10年で改めて築き再認識をしました。障がいが重くても主役になって普通に働けること、働くことで自信をつけていく姿が法人の事業をここまで伸ばしたと確信しています。
Aメンバー一人ひとりが力強く活きる
メンバーがコツコツと働く姿にとても尊いもの感じています。出来ないことができるようになるよりも、「出来ること」を大切にして「出来ること」でその人が自分の世界を広げて行けるような支援やお手伝いをしていきたいと思っています。