平成28年 年頭所感
さりげなく あたりまえに はたらく
NPO法人ピアファーム
理事長 林 博文
昨年は皆様のご支援のお蔭で、毎日新聞主催第43回毎日農業記録賞の優良賞、北陸農政局「デイスカバー農山漁村の宝」優良事例選定証を受けることができました。
そして、耕作放棄地の再生を通じて障がい者の自立(所得保障と生活支援)に挑戦して農業で高い給料を出すことに取組んだことを評価して頂いてヤマト福祉財団第16回小倉昌男賞を受賞いたしました。
これまでの農業に特化した事業実践を振り返りながら、これからの10年、20年を展望していきたいと考えています。まだ、まだ至らない面も多々ある法人ですが、メンバー、スタッフ、保護者の皆さんのご支援とご協力を賜りながら、今年も精一杯努力します。
年頭にあたり所感を申し述べます。
1.メンバー工賃給与の向上をめざした就労支援事業
1)農業で障がい者の自立(所得保障)と地域振興と活性を図る
農業に特化して生産、販売、栽培を一貫して取組み、農業経営と果樹の担い手になり、高い工賃給与が得られるアグリビジネスを継続していくことをめざしていくことが、当法人の役割と責務と考えています。
農業で高い工賃給与を出していく仕組みをつくりだし、社会に貢献していくことを事業の中核に据えた取り組みを今後とも継続していきます。
2)産直市場ピアファームはメンバー工賃給与月平均5万円を達成
営業を引き継いだスーパーマーケットを産直市場ピアファーム就労継続B型事業所として開設して1年を過ぎ、普通では営業が困難な店舗を引継ぐことは多くの苦難があり、採算面で人件費、光熱費等のコスト削減に挑みながら社会的な使命を達成しつつ、運営に努力しています。
この事業所を通じて坂井市三国町エリアの障がい者就労支援と地域振興と貢献を果たして行きたいと考えています。
3) ナシ産地継承と新たな産地ブドウを作り出すことへの挑戦
ブドウ栽培に取り組み5年目、昨年に観光ブドウ園を開設し生産販売を充実させてゆとりある作業を実施することで、工賃給与のアップの継続も図ります。
2.平成28年の課題、今後に向けての展望
1)品質、技術の向上 〜 栽培、販売、接客
ナシやブドウを栽培していくこと。栽培した農産物、商品をお客様に買って頂くための商品陳列、販売、接客など、これまで以上に吟味して全体的な品質向上を図って行きます。
2)スタッフのメンバー支援スキルの向上 〜 生産、接客力のアップで給与アップ
今年度からメンバーの生産力を向上させるため、下記の2点を中心にスキルアップを図りたいと考えています。
@できることを伸ばしていくスキル向上
A会話、聴く、伝えることをしっかりできるようにする。
3)連携 〜 地域、農家、団体との地域振興、農業振興につなげる
これまで事業と支援を継続できたのは地域、農家、各種団体など多くの皆様のお蔭と深く感謝しております。様々な面での連携をすることはこれからも継続していきますが、次の点を次のステップにしていきます。
@療育的な支援の拡充と強化 A次の事業ステップの試行と準備 B販売拠点の拡充
4)法人創設10周年に向けて 〜10年、20年後を見据えて〜
平成20年4月に創業して再来年10年を迎えます。今年から10年の節目を迎える準備に入ります。これまでを振り返りながら、10年、20年の長期ビジョンを策定していきながら、これからの事業実践を考えて行きます。
5)障がい者就農についての研究調査活動 〜農福連携を推進、農業塾の展開〜
障がい者就農についての調査と担い手定着の研究活動を今年から始めて、多様な障がいのある方の受け止めながら、農業活動の定着化を図ります。
研究調査活動を広げていきます。
「農業塾あわらベルジェ」もこれはピアファームの農業での取り組みをもっと多くの方に体験してもらいながら理解して頂くピアファーム応援団でもあります。
そうしたすそ野を広げながら、積極的に農福連携の一つの参考になるように活動を展開して、障がい者就農についての調査と担い手定着の研究活動を今年から始めていきます。