令和3年度 年頭所感
1.はじめに
令和3(2021)年の年頭にあたり次のことを私の目標として取り組みたいと考えています。ピアファームは今年で創業(独立分社)14年目を迎えました。これも一重に皆様のご支援のお陰と御礼をもうしあげます。
農業に特化した就労支援事業として所得保障、障がいのある人や多様な課題のある人たちの働きやすい職場をめざしてきました。8年前に整備したブドウ栽培設備などが安定して収穫が可能になり、暫くは継続できる間、次の展開も考えていきたいと思っています。
今年、産直市場ピアファーム移転の課題を若い人たちが主役になり、多くのスタッフ、地域の皆さんや多くの方のご支援を仰ぎながら進めていきます。就労継続支援と地域振興や活性化を図ることを事業の目的の一つでもあり、栽培と販売で障がいのある人たちが生き生きと働くことで街の賑わいにも貢献していきたいものです。
そうしたなかで気になることは、農園の周辺で耕作放棄地が増えて産地が少しずつ縮小していることでもあります。何か対策はないかと考えているとろですが、この地でどうしたら耕作放棄地が少なくなっていくかは個人的のも大きなテーマであります。こうした課題に就労支援事業を活用しながら、謙虚に愚直に、強かに進めて行きたいと思っています。
2.産直市場ピアファームの移転について 販売の技を磨く
産直市場ピアファームは昭和39年に建てられた建物の店舗・事業所で老朽化しており、耐震対策がない状態です。昨年、坂井市に移転の陳情、福井県障がい福祉課に社会福祉施設等施設整備に要望をしてきました。そしてこの度、令和2年度2月補正予算に社会福祉施設等施設整備費国庫補助金事業を協議として出して頂けるようになりました。
移転建設先も北陸電力三国電化センター跡地で進めて、店舗も惣菜、農物素直売や日配の販売、簡単な食堂(イートイン)を設けていきます。また、働くメンバーやスタッフの働く環境を整備していきます。そして大きなテーマとしては、障がいや多様な課題を持つ方の職域として販売のスタンス、技を磨いていきたいと考えています。
3.就労継続支援のより良い充実 支援の技を磨く
障がいのある人たちがそれぞれの課題や困難なことを抱えていても働くことを大切して行けるようにしピアファームはこれまで就労継続支援B型を事業形態としてきました。多少、障がいが重い人でも、また障がいが軽い方でも企業やA型で働くことが困難な方でも働けることを優先しています。
今、働いているメンバーには生活介護、自立訓練、A型に向く方もいますが、本人や家族のニーズに応じていますが、包括的に就労継続支援B型で働くことが可能であるかぎりこのことを継続していきたいと思いまます。そして、少しでも働く可能性、メンバー一人一人のできる場面を大切にしていきます。
4.癒しの果樹園あわらベルジェ 栽培の技を磨く
癒しの果樹園あわらベルジェは観光ブドウ園だけのように捉えられていますが、ナシ、ブドウ等の果樹栽培、野菜栽培など、本来はピアファーム農園全体を指しています。農園全体と観光農業公苑として総称して「癒しの果樹園あわらベルジェ」としています。これから取り組み課題として下記のことを想定しています。
1) ナシ園全体のカラス被害対策、老木化したナシ樹の更新
昨年のナシのカラス被害は、これまでにない被害でナシ収穫の7割に及びました。今年はカラス被害対策を取りながら、昨年の分もカバーできるような栽培をしていきます。また、ナシ樹は昭和50年の頃に植栽されており、老木化しているため樹の更新を今年度から本格的に進めていきたい。
2)生食ブドウの安定栽培と醸造用ブドウの商品化
生食ブドウは植栽して8年目で栽培的には安定期に入った。病害虫対策ときめ細かな栽培と房づくりの技術を定着させていきたい。ブドウは栽培技術をスタッフの林以外のできるように本格的な取り組みを開始したい。また、醸造用ブドウの商品化を図り、販売ができるように栽培技術を定着さえていきたい。
3)遊休農地の活用と柑橘類の栽培
野菜の連作障害の防止を図り、農地の輪作化を図る。また、将来の販売商品を増やすために柑橘類の栽培も手掛けていきたい。
5.次のつなぐリーダーの養成
令和3年度は理事の改選期でもあり、次期リーダーを養成と就労継続支援B型の運営を次の世代に引き継いていくために田島安希子統括所長(事業本部長)をこれまでの常務理事から専務理事に登用、理事長を補佐して事業運営を担ってもらいます。また、産直市場ピアファームの畑暁彦所長を理事と法人事務局長に就任をして戴きます。事業運営は事業計画と予算執行をしながらメンバー、保護者、スタッフと共に歩める体制を整えていきます。
こうして若いスタッフが事業を担うことを、スタッフ、メンバー保護者の皆さんに支援と指導をしてもらいながら、次の10年、20年に備えていきます。ピアファームはここに働くメンバーが生きがいと潤いをもって働くことを伴走する役割もあります。メンバー、一人一人の個性と人格を尊重していくことを基本として次期リーダーに継承をしていきます。