川口様
いつもありがとうございます。川口さんにご指導をいただいてワインで6次化の認証を取れことを昨日のことのように感じています。
農業へのかかわりは、平家の落ち武者は切り開いた限界集落で育ち、儲かる儲かないかかわらず先祖から引き継いだ山河や棚田を守ること幼い時から祖父に言われ将来は農業高校で学ぶように言われました。田、畑を歩くと足の裏にその農地の歴史が伝わることを幼い頃より身体で覚えたように思います。
工業高校出身でしたが、進路では東京農大の農業経済を学びたかったのです。しかし、農業では飯は食えないと言われ田中角栄首相の時代、福祉元年といわれ当時全国で3校しかなかった社会福祉学部に入りました。アルバイトに追われる毎日でしたが、20歳の時に就学前の自閉症4歳児の療育支援の家庭教師を始めました。それ以来48年間障がいのある人たちの生活支援、作業訓練、職業指導に関わってきましたが、最後のステージで坂井北部丘陵地の出会いがありました。その前は通所授産、福祉工場で稲作等に取り組み障害者施設で本格的に取り組み農業生産法人設立まで行きました。
農業生産法人の専務、社会福祉法人職員としての偽りのない就労支援とよりよい果樹栽培をしたいと思い、前職からメンバー10名とスタッフ2名で分社独立をさせてもらいました。本物の福祉就労支援、彼らと妥協のない農産物の生産をしてメンバーの工賃向上と所得保障を進めながら地域農業の振興を微力ながら図ってきたつもりでもあります。1980年代は地域に開かれた福祉事業所のあり方が叫ばれ、それを前提とした姿勢が今のピアファームの農業就労は地域に開かれた実践ですので、今の時代はビジネスとして貧困対策や訓練等給付費だけの事業とは違うものがあります。
農業に特化した就労支援実践をできれば当法人を参考にして切り開くことで全国の耕作放棄地の解消にもつながります。また障害をもつ人たちが生き生きと働く場を作っていくことで地域農業の活性化にもつながります。そして農業本来のもっている癒し、治療、安らぎを社会で混迷をしている人に提供できるのではないかと確信していまします。こうしたことを理解してもらうのは難しいとは思いますが、私たちが進めている実践はそうしたことです。
少し長くなりましたが、就労支援で農業に特化していくことはそうした役割を担っているとおもいます。私たちの取り組みは農福連携の推進ですが、疲弊した地域、家庭、社会をこの実践で少しでも変えることができればと思っています。そんなことを思いながらナシやブドウをつくっていまます。
長くりましたがご容赦ください。ありがとうございました。