平成23年度、財団法人JKAより助成をいただき、以下の事業を実行いたしました。またその事業が完了しましたのでご報告申し上げます。
補助事業概要の広報資料
補助事業番号 23−4−002
補助事業名 平成23年度 (復興支援)被災者に対するカウンセリング、調査活動
補助事業者名 一般社団法人 ピア
補助金額:3,000千円
1. 補助事業の概要
(ア) 事業の目的
@ 被災地のがん患者さんが、脱毛や見た目の変化を伴う外来化学療法(入院せず抗がん剤治療を行うこと)を継続できるように美容を通じカウンセリング事業を行い、罹災したがん患者が治療を継続できるように心の支えとなる支援を行う。
(イ) 実施内容
@ カウンセリング事業 病院にて、担当看護師と一緒にお話を伺い、困りごとをヒアリングする。また、その改善方法を現場看護師と検討し、提案する。
A ウイッグ制作事業 抗がん剤治療による脱毛をカバーするためのウイッグが罹災により入手困難な患者さんへ、本事業の支援のもとウイッグの提供とカットを通じ、外に出られるように支援を実施した。
B 現地美容師の教育 がん患者さんが気軽に相談できるように、地域の美容師向けの教育事業を行った。
2. 予想される事業実施効果
最初、各病院に訪問するとここには被災者はいないと断られる事が多かった。しかし、話をして患者にヒアリングを行っていくと、実際には家族の罹災や失職、復職するめどが立たない等でかつらだけでなく治療費も抑えるように治療を制限していることがわかってきた。看護師たちにも患者のいえない事情を理解してもらうことができ、積極介入への機会を創ることができた。また、これを地域の美容師をあつめたセミナーで告知したことで、美容師たちからこの人たちの役に立ちたいという言葉が聞かれ、実際に病院へサポートの申し込みにいくサロンもあった。事業年度に作り上げることができなかったマップの制作が今年度予定されており、完成後は仙台エリアのニーズに合ったマップと支援体制が創られる予定である。
(ア) 患者さんへ 今回支援を行ったほぼ全員が、本人の罹災もしくはごく近しい身内が罹災していた。このため、経済的な不安や今後数年〜10年単位で継続される治療に対して継続できるのか不安を口にしていた。その中でウイッグは買えなかった、ウイッグがあるので仕事に行ける、等、他の地域では聞かれない切実な声が聞かれた。これらが軽快し、また自分たちに支援の手があり気にかけてくれるJKAの存在が何よりうれしい、という声が聞かれた。患者さんたちが地域で復興に向けた生活を送る手助けになった。
(イ) 美容師さんへ 現地では、このような事業が行われたことがほとんど無いそうで、がん患者向けの支援を行う美容室はほぼ皆無であった。今回の事業を通じ、病院と地域の想いある美容室につながりが出来たことで、地域の患者さん支援の輪が新しくできはじめた。
(ウ) 看護師さんへ 普段、相談室では泣いて居る人を慰める今年かできなかったが今回はウイッグ・カウンセリング等、全く違う現実的な手法があったことで看護師自身もいつも聞くことができない患者さんの話を聞くことが出来たと感謝された。看護師さんに話したかった、という患者さんも多く、いつも言えないことをカウンセラーが同席することで話すことが出来、治療生活によりよい患者看護師関係が生まれた。
3. 本事業により作成した印刷物
(ア) 脱毛期パンフレット
(イ) 美容師向け勉強会資料
4. 事業についての問い合わせ
団体名 一般社団法人ピア
住所 〒434-0046 静岡県浜松市浜北区染地台1-43-41-1階
代表者名 理事長 佐藤 真琴(さとう まこと)
担当者名 事務局長 津田 有也(つだ ゆうや)
電話 053-585-0054
e-mail info@team-peer.com
URL
https://blog.canpan.info/peer/