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2021年01月27日

〜日本教育の3周先を行くオランダの「イエナプラン教育」〜

発達障害と言うより、全ての子どもの教育の在り方・・・


資料:こどもまなびラボから抜粋

尾木ママも絶賛!
日本教育の3周先を行くオランダの「イエナプラン教育」

21世紀にふさわしい「人の成長をバランス良く考えている」教育法

2013年にユニセフが発表した「先進国における子どもの幸福度調査」で総合1位になった国、オランダ。その国の子どもたちがどのように学んでいるか。それがイエナプラン教育。

“入試・テストなし” “チャイム無し” “時間割自由”

これはオランダのある学校のスタイル。
しかも、そこで子どもたちは自由に学びながら自立出来る人間に育って行くと言うのです。


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<宗教や教育方針で学校を選ぶことが出来るオランダ>
学力や住む場所に関わらず、誰でも宗教や教育方針などによって学校を選ぶことが出来るのです。
4〜18歳まで学費は無料。たとえ遠くの学校に通うことになっても、なんと交通費が公費で負担されるそうです。

オランダには様々な教育方法の学校がありますが、どの学校でも一般的な初等教育の学年の区切り方は次の通りです。
・低学年 4〜6歳
・中学年 7〜9歳
・高学年 10歳〜12歳

また、義務教育は5歳からですが、任意で4歳から入学できるので、4歳の誕生日を迎えたら学校に通うことができるようになります。そのため、入学式もありません。

数多くの教育法があり、選択の自由もあるオランダで、有名なモンテッソーリ教育と同じくらい多くの学校(220校以上)が採用する教育法が「イエナプラン」です。


<イエナプラン教育、5つの特徴>
教育理念は「人を育てる」こと。そのために必要なのが、
「論理力」「自己管理能力」「思いやり」の3つの要素とされています。
そして教育のベースにあるのが「皆それぞれ異なる存在である」ということ。

年齢、民族、宗教などの違いを厄介と思わずにお互いから学び、助け合い、家庭的な関係と環境を築けるようになるアプローチが随所にみられ、健常児も障害児も一緒に助け合いながら仲良く学んでいます。


<異年齢の子ども達で成る学級編成(ファミリー・グループ)>
低学年・中学年・高学年それぞれの3学年にわたる子ども達で「ファミリー・グループ」がつくられます。たとえば「4歳/10人」「5歳1/10人」「6歳/10人」の30人が同じ低学年クラスとなるのです。

担任教師は「グループ・リーダー」とされ、そして新学期になると年長者(例でいうと「6歳/10にん」は上の中学年グループへ、下から年少者が新たに入ってくる、という循環を繰り返します。
自分の立場が毎年変化することで、グループ内での各役割を順番に体験し、これが社会に出た時に相手の立場を理解出来る人になるために役立つのだそうです。

<教室はリビングルーム>
イエナプランでは教室は「リビングルーム」と捉えています。毎年新学年になると先生と子ども達で部屋の構成を考えて整えます。
部屋の中心には共同作業用の大テーブルが置かれることが多いそうですが、自分たちや先生の席、読書用ソファ、調べもの(PC)コーナーなどは話し合って決めます。

<サークル対話>
イエナプランで多く設けられるのが「サークル対話」の時間です。学校によっては毎日というところも。これは、輪になって、自分の事やその日のテーマについて発表や話し合いをするというもの。
先生は、ファシリテーター(中立の立場で進行をサポートする人)として参加します。
「人の前で話すことに慣れる」「自分の意見を持ち説明できる理論性を身につける」「違う意見にも耳を傾ける」という効果が期待できます。

<科目によらない時間割>
イエナプランでは時間割は科目ごとではありません。教育の中心となる4つの活動に沿ったスケジュールが立てられて、これら4つの活動が循環することによってよい成長がもたらされると考えられています。

〜会話〜
サークル対話

〜遊び〜
学習効果のあるゲーム、演劇やダンスによる感情表現など

〜仕事〜
課題を意識して達成する学習のことで自立学習と共同学習があります。特に自立学習では、先生と相談しながら自分のペースで1週間単位の時間割を作ります。その結果、もし実行できなければ「なぜできなかったのか」を先生と話し合います。自分で決め、守ることで自立性と責任感が育まれるのです。

〜催し〜
ミニ学芸会(毎週末最後の1時間を使って行われる)や誕生会、季節の行事などで喜怒哀楽を共有し「共に生きる」事を体幹する機会となります。

<ワールドオリエンテーション>
これは教科の枠を越えた総合学習で、学校全体で決めた同じテーマについてグループごとに考え、話し合い、プレゼンテーションをして学びを得るという取り組みです。
テーマは「環境」「技術」「労働」「コミュニケーション」「時候や年間行事」「共存」「人生」などの人が生きる上で関わる7つの経験領域に“時間”や“空間”の要素を組み合わせたものをバランスよく取り上げて行き、年間で8〜9つのテーマに取り組みます。同じテーマの中で、学年ごとに適した題材を選びます。例えば、「地形と環境」というテーマならば、低学年は「地形と環境」、中学年は「冬木の枝」、高学年は「冬眠動物」といったふうです。

問いかけから始め、皆で計画して学習するプロセスで、知見を広げ、異なる他者との協働を学びます。また教科の枠にとらわれない幅広い学びを得ることができます。

・・・・・・・・・・・・

イエナプラン教育では、他の子と比較する事はありません。
比較するのは、その子の「以前」とです。
みんな一緒に、同じ事を学ぶのではなく、その子の理解のペースで、日本で言う国語、算数も進んでいきます。
インクルーシブ教育の先、イエナプラン教育・・・
知っておいて欲しいです。

なぜなら、家でも、
・他の子と、兄弟と比較しない
・話し合い自分で決めさせ、守らせ、出来なければ「どうしたら、できるか」一緒に考える
・お互いに意見を言い、違う意見も否定せず聞く力を付ける
色々、真似できるところがあります。



次へ 「片付けが苦手の対処法2つの記事」

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posted by 佐藤 at 05:21 | TrackBack(0) | いいね | 発達障害関係

2021年01月25日

〜「片づけが苦手」に関する記事2つ紹介〜

資料として以前投稿されたものを写し書きしていたもの2つを紹介します。


1 同じ「片づけられない」子どもではあるけれど・・・ 

★しまわなければ困らなかった子ども時代
「母の言う通りに収納すると、どこに何があるのか、分からない」と感じていた私は、自分の思うように置くのであれば、どこに何があるのかは、分かるため、こまることはありませんでした。
置いた場所の記憶があるというよりは、「だいたいこのあたりを探せばある」ということを経験則で分かっていただけなのですが、当時の私にとっては、「下手にしまうとなくす。しまわなければなくさない」ということがハッキリしていました。
そのため、母が言うような「収納するタイプの片づけ」に対しては、メリットが見いだせなかったのです。

★しまわないことでなくしてしまう息子
一方、息子の場合は「自分の思うままにモノを扱う」となくし、「母の言う通りにモノを扱う」と無くさないため、私の言う通りに片づけた方がメリットは高いようです。
ただ、それ以上に片づけをする面倒さや作業を中断することへの拒否感が大きく、用があるモノ以外には、意識が向かない特性もあって、片付けをすることは中々難しいようです。

「分かっている」けど「できない」片づけの壁
納得することと「できるかどうか」は、また別の話?

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2 片づけられない人の投稿より
〜もう、収納グッズはいらない〜

ぶっこみ収納の必須アイテムが「本質ボックス」です。これは「部屋の中で定位置が決まっていないモノは、全部ひとつの箱にぶっこむ」というやり方です。

この箱を導入してから「どこにあるか分からないから部屋の中を探す」という行動をしなくて済むようになり、生活は劇的に改善しました。発達障害者にとって、「見えないモノは存在しない」。だから、「絶対にここを探せばある」という安心感が大事なのです。

【本質ボックスのルール】
・箱は、中身が見えるスケルトンか、網目状のもの。フタはつけない。
・本質ボックスは、最大3つまで。それ以上増やさない。
・本質ボックスからモノがあふれたら、捨てる。
★でかいゴミ箱を3つ用意せよ

この本質ボックスで「保管すべきモノ」の片付けは解決したのですが、僕の部屋には、捨てるべきモノが、あふれています。
そこで、僕が開発したのは、「ゴミ箱が来い」バックです。これは「自分が座る場所のすぐ横に、ゴミ箱を置く」という、きわめてシンプルなものです。

こう書くと部屋が広いと思われがちなのですが、僕の家のデスクからゴミ箱までの距離は、たった10歩ほどです。でも、僕にとってはこの距離が、パプアニューギニアより遠い。「俺はゴミ箱までいけない。ゴミ箱が来い」。これが僕の結論です。

そこでデスクのすぐ横に、ペットボトル用と可燃ゴミ用のゴミ箱を一つずつ設置したところ、これが劇的な作用をもたらせました。部屋が汚くなっていく速度が格段に遅くなり、汚部屋を回避できたのです。

ゴミ箱のルールは次の通りです。
【ゴミ箱が来いのルール】
・ゴミ箱は「45リットル・プラスチック製・フタつき」を3つ用意する。
・貴方が最も時間を過ごす場所から、「手が届く場所」に、2つを設置する。
・3つ目は予備。2つのゴミ箱があふれたら、ベランダ(庭)に出し、予備をつかう。

★汚部屋は、「混在」から生まれる。
モノの状態は、常に変っていくものです。たとえば、ティッシュの箱を想像してみてください。中身が入っているうちは、それは「定位置が決まっているもの」でしょう。テーブルの上なんかに置いてありますよね。しかし、これがからになったとき、それは「ゴミ」になります。この「ゴミ」が正しくゴミ箱に移動しないところから、物品の堆積が始まってしまうのです。本質ボックスがなければ「保存しなければならない物品」の上にゴミが地層のように重なっていくことも起きるでしょう。床に「地層」が形成されてしまえば、それは膨大な発掘と選別の作業が、部屋の修復に必要とされてしまいます。自宅の考古学にはもうんざりです。

本質ボックスとゴミ箱を使うことで、部屋の中に存在するあらゆる部室は3種類に仕分けることができます。
1本質ボックスの中身(定位置は決まっていないが、保存する必要があるモノ)
2定位置が決まっているモノ
3ゴミ
僕の膨大な失敗経験から結論します。この3つが混在してしまうこと、これが汚部屋地層の発生原因です。すなわち、この3つが分離さえされていれば、大きな問題にはならないのです。


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posted by 佐藤 at 03:11 | TrackBack(0) | いいね | 発達障害関係

2020年12月10日

〜ふつうになりたい(作文)〜

先日、新聞に掲載されていた文部科学大臣賞をとった作文を紹介します。

令和2年  第70回 全国小・中学校 作文コンクール
                             
「ふつうになりたい」
岩手県 小1 山田えな

(本文ひらがな、カタカナですが、読みやすいように漢字に変換しています)

 私には、苦手なことがたくさんあります。発達障害があって、感覚過敏があるからです。
 打ち上げ花火は、爆弾の音みたいです。お姉ちゃんたちの運動会も、よーいどんのピストルの音が怖くて、いっぱい応援できません。
 臭いも苦手です。レストランでは、ハンバーグやカレーのにおいがまざって気持ち悪くなり、吐いてしまいます。
学校に入って一番の心配は給食でした。教室で具合が悪くなったら先生もこまるし、みんなの給食もおそくなります。私は最初、集会室で食べました。少ししてからみんなといっしょに食べたい、と相談しました。

kyusyoku_haizen.png


 四月の最後に、はじめて教室で給食をたべました。薬を机の上において、完食しました。給食当番にも挑戦し、友だちとふたりで牛乳を運びました。自信がついてきたような気がして、うれしくなりました。
こころがモヤモヤして、音がたくさん聞こえてきて、担任のまりこ先生の声が聞こえないときは、先生が作ってくれたハートのカードをつかいます。保健室でやすみたい、のカードです。保健室でおはなしすると次の時間には教室にもどれます。
年長組のとき、お母さんが、えなには発達障害があるんだよ、と教えてくれました。
でも、なんで私だけみんなと同じようにできないの、外でご飯が食べられないの、とイライラします。
私だけ。私ばっかり。私は普通になりたいです。テストで百点が取れなくても、かけっこで一番になれなくてもいい。みんなと同じことが、普通にできるようになりたい。ヘッドホンを使わないで花火を見たい。薬を飲まずにレストランでご飯をいっぱい食べたいです。
イライラしたときには、おかあさんが「えなのせいじゃない。病気のせいよ」といってくれたことを思い出す。すると、イライラがなくなります。お母さんが教えてくれたから、自分が悪くないって思えました。
話したいことがいっぱい浮かんで、なにから話したらいいかわからなくて黙ってしまうときは、お姉ちゃんとお母さんが作ってくれた気持ちのカードで、悲しいとか困っているとかを指で伝えます。お母さんは、気持ちは文字で書くといいよと言ってくれました。
障害だからあきらめるんじゃなくて、障害だから頑張ります。だって、来年は弟が入学します。弟の素敵な先輩になりたいです。だから先生と、お母さんと家族とこれからもがんばりたいです。


次へ 「親が子どもの障害となることも」




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2020年10月12日

〜友だちいないといけないの?〜



百均で買ってきた娘の塗り絵。


絵の横に書いて有った
「めざせ! 友だち100万人!!」

world_children.png



少し前に、
お子さんに友だちがいないことを気にしていた方がいて、



友だちがいないと不幸ですか?

友だちがたくさんいる子が、いい子ですか?

友だち、いっぱい作らないと、いけませんか?



発達障害、特に自閉症の特性をもつ子は、
定型発達の子と、共感する所が違ったり、相手の気持ちを想像するのが苦手だったりして、
友だちが、少ない、いない、という子もいる。


知り合いのお子さんは
「僕には、友だちはいないけど、仲間はいる。それでいい。」
同じような自閉症(アスペルガー)の知り合いが、いる。
話をしたり、共感したりできる。
疲れてしまう人間関係は、むりしない。



まずは、親や家族が、理解して受け入れること、
同じ様なタイプの子達がいること、
同じような仲間と出会えるように、
親の会や当事者会など、時には必要かも。



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2020年09月18日

〜伝わるように、具体的に話さないと〜


普段「曖昧な言葉」を使ってしまう

夫との会話は、
「あれ」「それ」「うんと…何だっけ?」
曖昧どころか・・・(笑)


自閉症や、子どもには、
具体的に、話す方がいい。
そうしないと、伝わらない。


伝わっているつもりで、正確に伝わっていないことが多いし、
言葉の意味、解釈を、少しずれた状態で認識していることも多い。
「これでいいのかな?」不安に思ってしまうことも多いみたい。


asperger_man.png


曖昧な言葉「全く無意味な言葉」として、

いつもの場所に・・・どこ?

そこら辺に置いといて・・・そこら辺って、どこ?

確認してね・・・何を? いつまでに?

早めにね・・・どのくらい早く?

多めにお願いします・・・多めって?

水曜日までに出して・・・水曜日中? それとも火曜日夜まで? 水曜日なら何時まで?

ちゃんと、キッチリ、ざっくり・・・どの程度?

いい感じにまとめて・・・いい感じって?

いいよ、そんな感じで・・・そんな感じって?

最近どう?・・・最近って、いつからのこと? どうって、何のことを聞いているの?

もっと頑張れ・・・もっとって、何をどこまで?

適当でいいいよ・・・適当って? 

・・・わかんないよ・・・




先日の講師の方が話していました
「定型発達の人は、感覚で話す
ASDの人は、理論的に話す」




まずは、具体的に話すように、いつも意識をしようと思いました。
脳トレにも、なるし・・・


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2020年08月30日

〜「障害」から「症」への動き〜


発達障害・・・

以前から、「障害」という言葉に
親達は違和感を感じていた。

ひらがなを使い「障がい」にしたり、

障害という言葉に引っかかり、
大人の都合で、
専門医に連れて行かなかったり、

隠して、普通学級で頑張らせたり・・・


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Disorder
これを「障害」と訳してきた。
それを「症」に、との動き・・・

自閉症スペクトラム障害(ASD)を
自閉症スペクトラム症へ

注意欠如多動性障害(ADHD)を
注意欠如多動症へ

学習障害(LD)を
限局性学習症へ



発達障害も
神経発達症へ

すでに、医療のなかでは、変わっていますが、

数年後には、
一般の人が使う言い方が、
神経発達症になるといいな〜



どんな名前でも、
子ども達の困り感は同じ。

ある方が、言っていました。
「「発達障害」という名前にこだわっている親が、一番の障害(壁)なんだ。そんなことより、困っている、助けて欲しい私たちを、わかってよ。助けてよ!」



次へ 「広汎性発達障害と自閉症スペクトラム症」

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2020年08月07日

〜親も教師も正しい理解が出来ていないのに、周囲や社会に理解しろは無理〜


親も教師も正しい理解が出来ていないのに、周囲や社会に理解しろは無理

最近は、大人になってから、発達障害と診断される方も増えて来ました。

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発達障害児者と支援者との相互理解を深める活動をされている方もいます。

娘の不思議なことを、医師よりも、彼らの方が、次々と腑に落ちる説明をしてくれて驚きました。

当事者に聞くと、困り感や問題点が、私達の考えとは違う事が多いのです。

「発達障害だから、こうだろう」という支援は、視力検査もしないで、眼鏡を作ってあげて満足しているようなものです。

発達障害の感じ方、わかり方、やり方が違うのも多数派である定型発達の世界から見た「違い」です。

「ちがい」とは、「Wrong=間違い」ではなくて「Different=差異」なのです。
今までの、発達障害の概念は、定型発達側からみて、感じる違いです。

発達障害を知っているつもり、解っているつもりでは、本当の理解ではないと感じています。


社会の理解を求めて行くには、まず私達が、当事者から学ぶ姿勢と適切な支援の在り方を学び活用することが大事だと感じています。


次へ 発達障害児の子育て話「家族の役割」

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2020年08月06日

〜日本は世界から遅れている。療育と親支援〜

日本は世界から遅れている。療育と親支援


先進国であるイギリスでは、
20年近く前から発達障害当事者支援はもちろん、親や教育関係者の質の向上のため、国が専門職の育成に力をいれました。

学習障害の専門の学校まで有り、一定期間通い、その子にあった学習の習得や理解の方法、表出の方法などを学び、地域の学校に戻るというものでした。

発達障害のある子のクラス担任、その子の担当支援者、母親の3人に、専門指導員がその子の発達障害の特性や指導法を教えている場面も以前テレビで観ました。共通理解が出来ることは、とても大事なことです。

現在ではクワイエットアワー(放送や照明を最小限にした、聴覚視覚過敏の人も買物をしやすい時間を設けていること)、センサリールーム(スポーツスタジアムに聴覚過敏の人と家族が入れる防音された観覧室)があります。

知的障害のある人のひとり暮らしも、様々な支援者が関わり支えています。
障害者を排除しようとするのではなく、理解し、配慮する。当たり前におこなわれています。


以前見たDVD「親のためのTEACCHプログラム〜米国・ノースカロライナ州にみる自閉症治療表育〜」では、小児発達障害専門医、児童精神科医、児童心理士、作業療法士、言語療法士他、たくさんの専門家がチームとなり、子どもを正しく診断・評価し、両親に、自閉症の子どもに対してどのような視点を持ち、いかに将来に向けてかかわっていくのかを解りやすく指導していました。継続的な指導や、相談にのってくれます。うらやましく観ました。
もちろん、国によって、アメリカも州によって、差があります。


支援の方法は、色々あります。簡単に紹介。
TEACCH(自閉症児者のためにアメリカノースカロライナ大学で作られた構造化された指導)
ESDM(9ヶ月からの超早期療育)
PECS(絵カードを用いたコミュニケーションシステム)
PRM(文字盤やキーボードでコミュニケーション出来るようになるためのメソッド)
ABA(行動応用分析)
PCIT(親子相互交流療法)
SST(ソーシャル・スキルトレーニング)

専門家が少ない。仕事のスキルとして個人で学ぶケースが多く、親子への指導に活かされる場、関わる支援者への指導に活かされることもない、または少ないのが、日本の現状です。


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子どもも親も、困っているのに、有効な支援の場がない。
もし、受けていたら、ラッキーな人。


自閉症支援の構造化も、学校などで、真似はされています。
ですが、アセスメントされずに、その子にとっての必要な構造化、再構造化はされていないことが多いです。
支援者は少し学んでいますが、
大事な家庭では、親が学ぶ術がなく構造化は、ほとんどされていません。


言葉より見ることで理解できる特性と、しっかり決まっている、見通しが立つことを好む自閉症に対して、物事などを、スケジュールやラベル、手順書などを使い、解るようにする方法で、これにより、「ひとりで出来る」ことを増やしていく自閉症児者への重要な支援、配慮です。
「何度も言ってもわからないから、怒鳴って、叩いて、教えている」という親は多いのです。
世界的に認められている支援なのに。日本では正しく理解している人も指導者も少ないのです。


PRM(ラピドプロンプトメソッド)
「僕が跳びはねる理由」著者東田直樹君が、文字盤を使い会話が出来るようになった練習法です。文字盤やキーボードで意思の疎通が出来るようになり、知性があることが周りの人にも解ってもらえ、何より本人にとって人生が大きく開けます。ところが、このような子達は勝手に体が動くので、自分の意思とは違う方を選んでしまうことも多く、周りから出来ないと決めつけられることがあります。動作性の訓練も必要ですし、周囲の理解と辛抱強さも大事です。

私の知り合いにも、東田直樹君と同じような子がいます。母親がこのメソッドを知り、文字盤で会話が出来るようにまでになりました。彼は、育ちの中で耳にしてきた3カ国語を理解していたこと、物事の理解や思考は年齢相応であること、もっと勉強をしたがっていること、を母親は知りました。まだ動作が上手くコントロールできず、文字盤もスラスラ使えるわけではありません。ですから、学校では、彼にとって退屈な課題ばかり。「ぼくは、バカではない!」母親に訴えたことば、心の叫びは、教師にはなかなか理解されないようです。もっと、双方に指導できるPRM専門家が居ればと思うのです。


お母さん達から、「どこに相談すればいいの?」「どこでトレーニングを受けられるの?」とよくきかれます。
必要とする親子が多いのに、指導者がいません。ですから、親が指導しようとして、逆に不適切な指導をしてしまう場合があります。力が入りすぎて、子どもがストレスで二次障害になる場合や、誤学習してしまうことも。
難しい・・・なんとか、ならないかな・・・


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2020年08月05日

〜発達障害があろうとなかろうと、子育ての基本は同じ〜

発達障害があろうとなかろうと、子育ての基本は同じ


発達障害の子も、褒められたら嬉しい、叱られたら悲しい。
勝てば喜び、負ければ悔しい。
ありがとうと言われて自己肯定感につながる。

家庭での安全で安心な土台(愛着・信頼)が出来て、その上に、しつけや学び。
子育ての基本は、どの子も同じです。
あとは、特性を考慮すればいいのです。



発達障害があると、
感覚(感じ方)の特性などから、触られるのが不快で、抱っこをしてものけぞる。頭をなでると痛がる苦手な音や光、臭い、何が苦手で、何が大丈夫かがわかるまでに、時間がかかります。

大事なことは、「我慢しなさい!」ではなく、「あなたは、そう感じるのね。」と無理強いしないことです。



わかり方の違いから、言葉で言うより、視覚的な提示のほうが理解できます。いつどこに何が・・・物事、順番、スケジュール、見通しが立っていることで、わかり安心です。

覚えるのに時間がかかったり(好きなことは早い)、一度間違って覚えると(誤学習)、なかなか訂正できなかったりします。



やり方も、優先順位が解らなかったり、集中出来なかったり、逆に過集中。いつもの順番が安心(こだわり)、その子、その子で、違います。

言葉で、思いを伝えられる子でも、言葉の複雑な意味までは、理解していないことがあります。
普段の会話は出来るのに、本当に困っていることを、言葉にできない子も多いのです。
言葉が出ないから、理解していない訳ではありません。ほとんどの子は、理解(入力)しています。ただ、出力できないだけです。



発達障害のある子は、真面目です。適当に力を抜くことが苦手です。
そして、感情をコントロールするのも、苦手です。
ですが、この特性を考慮してあげれば、子どもの脳は、発達の凸凹はあれど、それなりに成長します。

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大切なことは、「子どもの今のありのまま」を受け止めることです。
子どもの気持ちを受け止めて、応えてあげる、教えてあげることです。


子どもの心と、体の育ち方は、凸凹があっても、ほぼ同じです。
子どもの心を無視して、無理やり私達に合わせようとすると、うつや反抗挑戦性障害などの二次障害を起します。



「自分は、いい子でも、いい子でなくても愛される存在」と子ども自身が、思えること。
「親から、絶対見捨てられない」安心感、信頼感を育てること。
発達障害あっても、なくても、子育ての在り方は同じです。



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2020年08月04日

〜診断がつくメリット〜


 りたりこ発達ナビ(立石美津子)より

〜「発達障害」診断がつくメリットとは〜

他の子と比べて、個性や性格の範疇では説明できない特異な行動をする我が子。
「もしかして自閉症?」「もしかしてADHD?」と思いつつ・・・でも、こんな小さいうちから診断名をつけられてしまうと、「伸びるものも伸びなくなるのではないか。似たような子は他にもたくさんいるじゃないか」と思ってしまうのが親心です。


<診断がつかない状態を「咳がとまらない」場合で置き換えて考えると>
咳が止まらない場合、新型コロナなのか、インフルエンザなのか、単なる風邪なのか、それとも喘息なのかわからないと不安になります。

咳をしている原因が明確になると
風邪ならば→風邪薬を飲んでゆっくりしましょう。
インフルエンザならば→リレンザやタミフルを服用しましょう。
新型コロナ→自宅待機かホテルか入院、ともかく保健所に連絡だ!濃厚接触者もPCR検査だ!
と対処の方法がわかります。
でも、どの病院に行っても「原因不明です」と突き返されてしまい、どれにも該当しない場合、「この咳の原因は一体何だろうか?」と不安になります。これは、発達障害の診断と似ているような気がします。


<診断名がつくメリット>

★手立てがわかる
診断名がつかないと、「この子はどういう状況にあるのか」分からないまま過ごすことになります。診断名が付くことで、「発達凸凹のある子にどのような手を打っていけばいいのか分からない」という焦りから抜け出し、一歩前進できます。

集団行動がとれない、落ち着きがないことを、むやみやたらと叱責することも減ります。診断をうけたときは、保護者はショックを受けるとは思いますが、意味のない叱責がなくなることは親にとってもまた本人にとってもストレスが少なくなるのではないでしょうか。


★合理的配慮が得られる
「授業中気が散ってしまうとき、本人に努力を求めるのではなく、座席位置を前にする、窓際に座らせないなど、気が散らない環境を準備してほしい」などの要求を幼稚園、保育園、学校にお願いするときも・・・
保護者の意見だけで伝えると、「あなたのお子さんだけ特別扱いはできません」と突き放されてしまうかもしれません。(あからさまな態度はとられなかったとしても、心の中ではそう思われてしまっているかもしれません)
でも、医師の診断書というお墨付きがあれば、障害者差別解消法により幼稚園、保育園、学校側に合理的配慮も求めやすくなります。


★家族の理解を得ることが出来る
父親や姑から落ち着きのない子、集団行動がとれない子を「おまえのしつけの仕方が悪いからだ!」と責められていたとします。でも、診断名が付くことで母親や本人の努力不足ではないことを理解してもらえるかもしれません。
理解してもらえない場合は、家族を説得しようとむやみにやたらと戦うと、自身が精神的に疲弊してしまいます。距離を置くしかありません。


★自分を責めなくなる
近視の人が黒板の文字が読みづらいとき眼鏡を付けることを禁止され、「努力不足だ!気合いが足りないから見えないんだ!」と言われたらどうでしょうか?
発達障害の診断を受けることで、親も本人も「努力のせいだ。気合いが足りないんだ」と自分らを責めることがなくなります。自分のせいではなく元々生まれつき持っていた「脳のせいだった」と思えるようになります。


ただし、自閉症のある子も、一人ひとり違います。持って生まれた気質と育った環境でさまざまな性格をしています。
・文字や数字に興味のある子、ない子
・逆さバイバイをする子、しない子
・オウム返しをする子、しない子
・人に関心のない子、ある子


診断を受けることで、「自閉症は○○という行動をする。○○がすき」と決めつけることなく、我が子を育てていくことも、また大切な事です。


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posted by 佐藤 at 03:49 | TrackBack(0) | いいね | 発達障害関係