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2021年06月08日

〜発達障害の理解(4)ADHD〜

(4)ADHD(注意欠如多動症)

年齢や発達に不釣り合いな不注意さや多動性、衝動性を特徴とする発達障害で、日常生活や学習に支障をきたす状態をいいます。

ADHDは、自分の注意や行動をコントロールする脳の働き(実行機能)の偏りが関係しています。
自閉症が「認知の障害」と表現した場合、ADHDは「行動の(コントロールの)障害」と表現できます。

ADHDの子どもたちは、問題行動をとることがありますが、その本質は悪意で起こす「事件」ではなく、本人も傷つく「事故」といえます。子ども自身が当事者であり、被害者でもあるのです。

サポートの目標は「教室でおとなしくしていること」ではなく、その子の生きにくさを改善し、他の子どもたちと同じように学んだり遊んだりする機会を増やしていくことです。
適切にサポートすれば、子ども自身、周りの大人たちが困っている点を改善していくことができます。
そのためには、理解とその子に合った特別な支援が必要なのです。

ADHDの主な症状は「不注意」「多動性」「衝動性」で、こうした症状が少なくても2つ以上の状況(学校と家など)で現れます。
『不注意が目立つタイプ』『多動性、衝動性が目立つタイプ』『混合したタイプ』にわけられます。


★不注意
・忘れ物が多く、物をなくしやすい
・気が散りやすく、集中力がない
・興味があるものには集中しすぎてしまい、切り替えができない
・ボーっとしていて、話を聞いていないように見える
・行動が他の子よりワンテンポ遅れる
・字が乱れる
・不器用(縄跳びなどが苦手)
・片付けられない
・課題や活動などを順序立てて行うことが難しい
・同じことを繰り返すのが苦手

脳のワーキングメモリー(作業記憶)が十分働いていないために起こります。

*ワーキングメモリーとは
現時点で行っていることや思考していることの短期的な記憶です。
すぐ使えるように一時的に保存している情報です。
例えば「ママは5時に帰ってきて夕ご飯をつくる。お使いでキャベツを頼まれた」というワーキングメモリーから「もう4時半になる、急がなきゃ」という判断ができます。
私たちは、このワーキングメモリーの働きで、自分が置かれた状況を把握し、客観的に判断することができます。
しかし、ADHDの場合、このワーキングメモリーが十分に働かず、現時点での自分の状況を客観的に分析できず、その場に適した行動につなげることができないのです。


★多動性
無意識に体が動き、それを抑えられません(体の多動)
・じっとしているのが苦手
・たえず体を動かし、走り回る
・授業中など、座っているべき時に、落ち着いて座っていることは難しい
・立ち歩き、他の子の邪魔をする
・気になることがあるとすぐそちらに行ってしまう
・自分の思いが先に立つ
・座っていられたとしても我慢していてソワソワ落ち着きがなく辛そう

おしゃべりを自分でコントロールできません(口の多動)
・一方的にしゃべる
・しゃべり出すと止まらない
・声も大きい
・大人同士の話に割って入る
・話の内容がコロコロ変わる
・頭に浮かんだことを次々しゃべる

遊び大好きだけど、夢中になりすぎて・・・
・力の入れ方がわからず過激になる
・夢中になりすぎて周りが見えなくなる
・場の空気が読めない
・すぐにふざける


動いていないと落ち着かなくなる感じがあり、無意識のうちに、体が動いてしまい抑えられないのです。
10歳ころには、多動はわりと落ち着いてきます。ただ、頭の中の思考の多動は続くようです。

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★衝動性
自分の感情を抑えることが苦手。自分の発言や行動を抑えることが苦手です。
・順番やルールを無視してしまう
・興味の対象に突進してしまう
・思いついたら口にしてしまう
・すぐ手がでてしまう
・我慢ができない

思いついた行動について、行ってもよいか考える前に実行してしまう。
行動のアクセルは踏めるけれど、ブレーキが利かないために、友達とのトラブルが多い。



・自分の注意や行動をコントロールする脳の働き(実行機能)の偏りが原因です。
行動調節する前頭前野の働きの偏りや、神経伝達物質の働き、機能が不十分なために起こります。
意図的に相手を困らせようとやっているのではなく、ADHDの発達特性に起因するものです。


ADHDの人は、発想力、行動力に秀でています。
世界で活躍している人は、多いのです。
ディズニーも、黒柳徹子さんも、ADHDです。


<ADHDの理解>
・しつけや、努力不足ではありません
・叱られてばかりいると、劣等感をもちやすく、二次障害になります。
・薬物療法、環境調整、ソーシャルスキルトレーニングが有効
・親が子どもを理解し、家庭で円滑に日常生活を送れるように対処していくこと。家族との良い(悪い)関係が、友達関係や学校での症状のコントロールに影響します。



「発達障害の支援の仕方、対応」は、「理解」のあと、連載予定です。

以前から書いている、学びの記事で「特性のある子の子育て」があります。
記事一覧より、いろいろ読めますので、お時間のある方は、どうぞ!
https://blog.canpan.info/pearento-sp403/archive/144


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posted by 佐藤 at 05:10 | TrackBack(0) | 連載
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