• もっと見る

2019年09月01日

〜未学習と誤学習〜

自閉症にありがちな未学習と誤学習。

定型発達の子は、普通の教育環境、生活環境で、自ら知りたい、やってみたいという意欲や実行力がその子なりに育ち持っています。
もし何か間違えたと思えば、自分の力で学び直し修正する力もその子なりについていきます。


ところが、自閉症スペクトラムの子たちは、その力が弱いのです。

未学習〜子どもから見ると、
「誰も、何も、教えてくれない」状態です。

親や先生は、教えているつもりでも、
その子がわかる方法で、わかるレベルで、
わかるように教えていない。

心が安定していない(不安がある)や、
集中できる環境、状態でないと、
入力しないし、繰り返さないと覚えられません。

覚えた点と点を結んで次のことにチャレンジなんて無理。
それも、少しづつ教えていかないと、
「わからない不安」から「意欲」も「経験」も育ちません。


body_nou_bad.png



誤学習〜誤った学習。
一度間違えて覚えたことは、訂正がきかない。修正しづらい。

例えば、うるさい子が近づいてきた。あっちへ行って欲しい。叩いたら、あっちへ行った。「叩けば、離れて行く」と学習してしまう。
父親が、嫌なことがあると怒鳴る。「嫌なことがあると、大声だせばいいんだ」。



問題行動「行動障害」の大部分は、
非常に狭い視野で周囲の世界を眺め、
判断し行動することから生じる誤学習の積み重ねの結果です。



少し前に、どこかで書いた「ママスイッチ」。
(子どもが、ためたストレスをママにだけ、ママとふたりになったときだけ、爆発させることを、俗語として「ママスイッチ」と行っています。)

定型発達の子が、迷子になり、迷子センターでは平気そうにしているのに、迎えに来た親の顔をみたら、緊張の糸が切れて、泣き出すシーン、ありますよね。それまでの、不安、緊張が泣くという行為、表現で発散されていきます。

「ママスイッチ」など特定の人にだけ発散するのは、その人が安心できる人だからです。ですから、ママのしつけが悪い訳ではありません。逆に、信頼されているのです。

ただ、気を付けてください。
ママに向かって、泣いたり、大声上げるのはいいですが、叩く、蹴るなどの暴力は、「ママを叩いても、蹴ってもいいんだ」と誤学習する可能性があります。
叩く、蹴る、物を壊すは、いけないことを教え続け、かわす、逃げることも必要です。
発散する別の方法を見つけるといいですね。
(うちの娘は、布団の中で泣き叫んだり、布団の上で全身バタバタ暴れたり、布団を噛んだり。ですから、帰宅する前には布団を敷いておきます)


ほおっておいて、順調に育つ子たちではありません。
理解と支援、安心と適切な学び、工夫が必要です。
親でなければ、できないこと。実は、いっぱいあります。



次へ 「言葉の使い方を変えてみると」

「D 特性のある子の子育て」記事一覧にもどる



子育ての正論からリアルまで
子育て中の方に見て頂きたい記事一覧 
るんるんA子育てを考える 記事一覧 こちら
るんるんB子どもの育ち方 記事一覧 こちら
るんるんCしつけの仕方  記事一覧 こちら
るんるんD特性のある子の子育て 記事一覧 こちら
るんるんE我が家の子育て 記事一覧 こちら
るんるんF大人の愛着障害と家族 記事一覧 こちら

るんるん最新つぶやき記事 こちら

るんるんプロフィールはこちら



posted by 佐藤 at 04:40 | TrackBack(0) | 発達障害関係
トラックバックの受付は終了しました

この記事へのトラックバック