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2009年01月20日

農業分野における障害者就労支援セミナー報告

1月16日にさいたま市で開催された「農業分野における障害者就労支援セミナー」に参加してきました。
参加者は200名程度で会場は満員。福祉関係者が2/3、農業関係者が1/3という感じでしょうか。
農業分野における障害者雇用というテーマのセミナーはこれまでほとんど開催されることがなかったので、関係者からは非常に関心が高かったようです。
内容については、障害者福祉施設での農業の推進より、農業分野で障害者の雇用を進めていこう、という内容でした。
セミナー開催の概要は、農水省のHPをご覧ください。

こちら。

簡単に山田が聞いてきた内容をまとめてみました。
ご参考まで。
農業分野における障害者就労支援セミナー
「農業と障害者福祉の協働による農業・農村の活性化」
主催:農林水産省、(独)農研機構 農村工学研究所
日時:2009年1月16日(金) 13:00〜17:00

※以下は山田がセミナーで聞いてきたものなので、表現等が不正確な部分や発表者の意図を十分に理解できていない部分もあるかと思います。
あくまで、「参考」としてお読みください。
本ページの記載内容に関する問い合わせは山田までお願いします。

第一部「農業分野における障害者就労の手引きについて」
山下仁(独)農研機構 農村工学研究所特別研究員

農業を支える人材の確保のために、女性、高齢者、障害者等の多様な人材が活躍できる環境づくりの推進を国の政策として進めている。

2007年度に農業分野の障害者雇用を進めるための周知啓発用パンフレットを作成。
2008年度は実践的なガイドブックを作成する。

特別支援学校で農業による職業訓練が行われている。
福祉施設では授産施設3300カ所のうち、671カ所で農業を実施。

作業を単純化することによって、障害者の雇用の場となる。
また、障害者雇用を行うことによって、農業の社会貢献となる。
ただし、農業法人へのアンケート結果では、障害者雇用に関心を持っているのは2割程度と、関心は低い。

今回作成する手引きは、障害者雇用を考えている農業法人や授産で農業を行っている福祉施設で活用できるものを目指している。
募集から採用までの流れや活用できる制度、指導方法、作業の棚卸・細分化などを解説している。
手引きは3月に発行予定。


第二部「欧州のグリーンケア−農の多面的機能と障害者」
兼坂さくら 国際ジャーナリスト協会会員(スイス在住)

主に、スイスの農業事情やグリーンケアについて説明。

スイスの食糧自給率は60%。
永世中立国として、有事に備えて自給率のアップを目指している。
農業改革によって、国が農家に対して経済的支援を行っている。
また、環境保全も重要な事項であり、経済的援助の条件として環境保全型の農業が対象となる。

農業を行うにも、国の職人制度がある。
中学校卒業後、3年間の訓練・学校で認定農業者の資格が得られる。
さらに教育を受けることによってマイスターの資格がとれる。
他に、2年の実習訓練で農業アシスタントの資格が得られる。

障害者が農業スタッフとして働くためのコースもある。
2年間農家に住み込んで実習を受けつつ学校に通う。
親元を離れての生活訓練の側面もある。
農業分野で障害者が住み込みで働いて生活リズムを取り戻すことなども「グリーンケア」の一種。
その目的は、セラピー効果、就労や社会参加、教育など。
障害者以外に、オランダなどでは薬物依存症者がリハビリとして参加しているケースもある。

スイスでは、農業関係者と親の会が一緒になって「農業と障害者協会」を設立。
農家と障害者の斡旋や、受け入れ農家の養成コースを実施。
養成コースは2年間のうちに、40日研修に参加してもらう。
農業学校や農業普及指導センターで実施している。
他に、受け入れ農家で働いている障害者の農業以外の生活支援や訓練を行っている。
週末の余暇支援活動も実施。
運営費の80%は、障害者保険や健康保険からの拠出。
20%はスイス農業連盟からの拠出。


第三部パネルディスカッション「都市近郊農業による障害者就労支援について」

@鈴木厚志/京丸園株式会社 代表取締役(静岡県浜松市)
障害者雇用や障害者の実習訓練を積極的に実施している農家として有名。
園芸福祉。

水耕施設70a、田畑120aでどちらというと小さいほうの農業法人。
役員を含む従事者51名で、うちパートの障害者10名、障害者の研修生8名。

96年より障害者の受け入れを始めた。
保護者や学校が働かせてほしいといってきた時、最初は断った。
障害のある人の働きたい、役に立ちたいという気持ちを汲んで受け入れることにしたが、最初はボランティアの気持ちで受け入れた。
また受け入れる前に「コンストラクティブリビング」というカウンセリングの資格をとった。
受け入れ当初は心配だったが、実際に障害のある人を受け入れて職場の雰囲気がよくなった。
それからビジネスとしてメリットがあると考えるようになった。
毎年1名ずつ採用を行っている。

障害のある人を受け入れることは最初、混乱がある。
地域の中で障害のある人に係る人や団体は立場がそれぞれ違うもの。
連携をとって、それぞれの役割の中でやれることを行うのが大事。
浜松では30数名の障害のある人が農業分野ですでに働いている。

A白石好孝/白石農園園主(東京都練馬区)
農業体験農園「大泉風のがっこう」の運営や80aの畑で野菜の生産を行っている。
東京都の委託で「精神障害者社会適応訓練事業」を実施。

98年より精神障害者社会適応訓練事業を実施している。
これまでにうつ病や統合失調症などの精神障害のある人を20名受け入れた。
6カ月単位で最長3年間実習を受けられる。
実習は、8時15分〜12時、週3〜4日。
常時3名を受け入れている。
工賃は、作業の出来高で支払っている。

練馬区で9つの事業所が訓練の委託を受けている。
そのうち、5カ所が農家。その後、アルバイトという形で雇用するケースもある。

その他に、NPO法人「畑の教室」を立ち上げ、教育関係者と連携し、年間1000人の子供たちを受け入れている。


B石井直行/(財)横浜市知的障害者育成会主(神奈川県横浜市)
平成元年より、横浜市より委託を受け、「横浜市障害者農業就労援助事業」を実施している。就労移行支援センター「チャレンジフィールド」を立ち上げ、運営。

障害者は、K農園で基礎研修を受けて、横浜市内の協力農家で応用研修を行う。
応用研修は利用者と職員がセットで行き、農家のお手伝いを行う。
1日1万円の作業賃をもらう。
お金のやりとりを行うことによって、農家としてしっかり仕事を用意してもらう、仕事をするほうも責任感を持ってやるようになる。
その後、実習などを行い、就労への支援を行う。

就労移行支援センター「チャレンジフィールド」は障害者自立支援法の新体系に移行。
就労移行支援(定員12名)、就労継続支援B型(定員10名)を実施。


Cシンポジウムのまとめ
農業分野での障害者就労について、@通勤の問題、A労働時間・休日、B賃金、C社会保険などの課題がある。

以上
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