23年度 第2回親子学級「子どもを”見守る”ってなに?」[2023年09月14日(Thu)]
子どもを「見守る」ってなに?
今日は、2008年に宮前親子学級を受講して企画委員を経て、子育て支援ボランティア「あおぞら」として親子学級の保育を担当している、川西園美さんに話を伺いました。
川西さんは子育て支援センターやわくわくプラザ(小学校の学童保育)でも働いており、乳幼児〜小学生と様々な年齢の子どもや保護者と接しているので、その中で感じたことなどを聴かせていただきました。
■ おもちゃの取り合い ■
おもちゃを取ったり取られたりするのは、子ども同士が関わろうとしていること。取り合いを止める必要はないが、両者の気持ちを代弁できるよう子どもを観ておくことが大事。
・見守るとは子ども同士のやりとりを、近くですぐ対応できる体勢で観ていること
・児童室ではオモチャは先に使っている人が優先という考え。「小さい子に譲ってあげてね」という声がけはしていない。貸したくないという気持ちが伝われば「逃げてもいいよ」と声をかけることもある。
「ちょっと待っていてね」→「待ててすごいね」「取られちゃったね」→「悲しいね。嫌だったね」と気持ちを汲んで声掛けをしてあげる。自分の気持ちを分かってもらえる人との間で信頼関係が生まれる。
■ 子どもとの約束 ■
・「ちょっと待っていてね」と子どもに言ったら、その後で向き合う時間を取る。
・約束を守ることで子どもとの信頼関係が築かれる。「時計の針が2つぴったり上で重なったらにお迎えに来るね」と約束したなら時間厳守。
■ できた!の成功体験 ■
「自分でできた!」の成功体験と達成感を子どもにたくさん経験させてあげることが大切。そのためには手を出しすぎずにサポートをする。
成功体験・達成感はやがて自己肯定感につながる。
・リュックの一番上にお弁当箱がくるように荷物を詰める→「リュックから自分でお弁当箱を出せた!」
・開けやすいお弁当箱にする→「自分でおむすびを出せた!」
最近の生活環境では蛇口・ドアノブなど「ねじる」という行為が少ないため、ねじって開けるタイプのおしぼりケースは子どもに難しい。水筒やおしぼりケースも、自分で開けられる物・自分で持てる物にすることで「できた!」につながる。
リュックのチャックを全部閉める・靴下を履くとか、難しいことは(途中まで手伝って)最後のほんの少しをやらせてあげるだけでもいい。
■ 「ごめんね」と「ありがとう」 ■
預けて泣かれたとき・・・
トイレで離れて泣かれたとき・・・
どうしても抱っこできないとき・・・
これらは「ごめんね」ではなく「待っていてくれたから〇〇ができたよ、ありがとうね」と子どもに言うとき。
失敗したときこそ「ごめんね」を言う。「ごめんね」と「ありがとう」を親が言っている姿を子どもはちゃんと見ている。
■ 子どもを「観る」 ■
・子どもが何を考えているか色々な視点で子どもの遊びを観る。木製の車をパンに見立てている子がいても「それは車でしょ」とその世界観を変えたり遊び方を教えたりしなくていい。
・葉っぱまみれになる、木の実を拾う、虫を触ってみるなど、子どもが興味を持ったものに対して自分が苦手だとしても完全拒否をしない。
・命の危険があることについてははっきりダメと伝える。
■ 心のゆとり ■
・時間にゆとりがないと心にゆとりも生まれない。「まぁいっか」と手抜きできるところは手を抜いてみる。掃除を手抜きするとストレスになる人は、別のところで手抜きをしてみる。
・子どもにイライラするのは、自分の思い通りにならないから。自分のお腹から出て来ても、子どもは私と別の人間。
さいごに・・・
公園では様々な価値観の人がいるので、今日の話を聞いたみんなで見守り方を試しながら一緒に遊んでみるのもいいと思う。
周りから色々言われたり様々な育児情報があるけれど、子どもと自分の気持ちを第一優先にして欲しい。我が子の子育てのプロは、保育者でも誰でもなく、その子の親。
次回は、子ども本来の姿を見るというテーマで映画「アリサ」を鑑賞します。