
第4回親子学級[2010年09月30日(Thu)]
第4回親子学級
『 子どもの発達に遊びが大切なワケ 』
今回は、帝京大学文学部教育学科で幼児教育や発達心理学などの講義をされている教授の杉本真理子先生からお話を伺いました。
先週『アリサ−ヒトから人間への記録−』という映画を観て、ショックを受けた点はどこかを受講生に発表してもらいながら、先生からコメントをいただきました。
●丸太の上を渡るシーン・ウンテイを登るシーン・崖の上から駆け下りるシーンなど様々な
ところで「危険だと感じるがここまでやらせなきゃいけないのか?」とか
「どこまで子供にやらせていいのか?」と感じた。
→アリサの舞台となったさくらんぼ保育園では子供達一人一人の能力を見極めた上で
子供達にやらせている。子供達自身も赤ちゃん時代からこういう環境で手足を動かしてきた
積み重ねがあったからこそ出来ることであり、今までやっていなかった子供に急にやらせて
も出来ないしケガにつながること。
今から変わろうとするなら、親が「危険だから」と言って手を出すのを少しずつ控えていき、
子供に多少痛い想いをさせても子供自身で力加減や危険度を理解させていくといい。
「あぶないよ!」と叫ぶ代わりに「おかあさん見てるよ。」
「きたない!」と言う代わりに「後できれいにしようね。」
●アリサのような環境は周りに無いが今後どうしたらいいのか?
→特別なこと・環境は必要としない。子供の相手をさせていたテレビのスイッチを消し、
水たまりで遊ぼうとした子供を制止せず遊ばせてやり、子供がチョウチョや自然に反応
したら一緒になって見てみるだけでいい。
●アリサに比べて自分の子はできないことが多く、可能性を狭めてしまっている気がする。
→「できる」ことに目のいく人が最近は多いが、小学校に入ると否応なく成績表で評価を
されてしまうのだから、それまでの間はせめて「できる・できない=結果」に目をやるの
ではなく「できるまで=課程 (=意欲・ねばり強さ・失敗にめげないこと・集中力・
頑張ること・好奇心を持つこと・楽しむこと・体力・最後までやりきる力 etc.) 」を見て
あげること。
そして最後に心理学者エリクソンの発達段階を用いて、遊びの大切さについてお話しをいただきました。
@乳児期:基本的信頼関係
・・・周りと信頼関係を築けないと周りを警戒して生きていくことになってしまう
A1〜3歳:自律性
・・・いずれ自分の足で立つためには大人が代わりにやってあげてはダメ。
大人は手を出すのを控える。手をかけすぎないこと。
B4〜6歳:自主性
・・・自分からしたいことを自分からやる
C小学生:勤勉性
・・・やらなければいけないことが出てくる。@からBのここまでの段階を
きちんと踏まえていないと小学生になっても勉強ができない
D中高生:自我同一性・アイデンティティの確立
E若い大人:親密性
・・・他と親密ではあるが同一化しないこと
F大人:世代性
・・・次の世代に対して何かをする。自分の生みだしたものに責任を持つ。
G老人:統合性
・・・自分の人生を振り返る
@からGまでの発達段階はそれぞれをきちんと経ていないと次の段階には進めないもので、Bの自主性が欠けている子供は小学生になってもCの勤勉性が身に付かない。
また、Aの自律性・Bの自主性は「習い事」や「遊び風味のお勉強」ではなく「遊び」の中で育つものである。
次回は『 お母さん応援団〜母子を見つめて17年〜 』というテーマでNPO法人ままとんキッズの理事長である有北いくこさんからお話しを伺います。
学級第3回の保育室だよりを載せました。
ママ達が別室で勉強している間に児童室の子供達(名前は全て仮名です)がどのように過ごしているのか書いているもので、毎週印刷して受講生の皆さんにお渡ししています。
『 子どもの発達に遊びが大切なワケ 』
今回は、帝京大学文学部教育学科で幼児教育や発達心理学などの講義をされている教授の杉本真理子先生からお話を伺いました。
先週『アリサ−ヒトから人間への記録−』という映画を観て、ショックを受けた点はどこかを受講生に発表してもらいながら、先生からコメントをいただきました。
●丸太の上を渡るシーン・ウンテイを登るシーン・崖の上から駆け下りるシーンなど様々な
ところで「危険だと感じるがここまでやらせなきゃいけないのか?」とか
「どこまで子供にやらせていいのか?」と感じた。
→アリサの舞台となったさくらんぼ保育園では子供達一人一人の能力を見極めた上で
子供達にやらせている。子供達自身も赤ちゃん時代からこういう環境で手足を動かしてきた
積み重ねがあったからこそ出来ることであり、今までやっていなかった子供に急にやらせて
も出来ないしケガにつながること。
今から変わろうとするなら、親が「危険だから」と言って手を出すのを少しずつ控えていき、
子供に多少痛い想いをさせても子供自身で力加減や危険度を理解させていくといい。
「あぶないよ!」と叫ぶ代わりに「おかあさん見てるよ。」
「きたない!」と言う代わりに「後できれいにしようね。」
●アリサのような環境は周りに無いが今後どうしたらいいのか?
→特別なこと・環境は必要としない。子供の相手をさせていたテレビのスイッチを消し、
水たまりで遊ぼうとした子供を制止せず遊ばせてやり、子供がチョウチョや自然に反応
したら一緒になって見てみるだけでいい。
●アリサに比べて自分の子はできないことが多く、可能性を狭めてしまっている気がする。
→「できる」ことに目のいく人が最近は多いが、小学校に入ると否応なく成績表で評価を
されてしまうのだから、それまでの間はせめて「できる・できない=結果」に目をやるの
ではなく「できるまで=課程 (=意欲・ねばり強さ・失敗にめげないこと・集中力・
頑張ること・好奇心を持つこと・楽しむこと・体力・最後までやりきる力 etc.) 」を見て
あげること。
そして最後に心理学者エリクソンの発達段階を用いて、遊びの大切さについてお話しをいただきました。
@乳児期:基本的信頼関係
・・・周りと信頼関係を築けないと周りを警戒して生きていくことになってしまう
A1〜3歳:自律性
・・・いずれ自分の足で立つためには大人が代わりにやってあげてはダメ。
大人は手を出すのを控える。手をかけすぎないこと。
B4〜6歳:自主性
・・・自分からしたいことを自分からやる
C小学生:勤勉性
・・・やらなければいけないことが出てくる。@からBのここまでの段階を
きちんと踏まえていないと小学生になっても勉強ができない
D中高生:自我同一性・アイデンティティの確立
E若い大人:親密性
・・・他と親密ではあるが同一化しないこと
F大人:世代性
・・・次の世代に対して何かをする。自分の生みだしたものに責任を持つ。
G老人:統合性
・・・自分の人生を振り返る
@からGまでの発達段階はそれぞれをきちんと経ていないと次の段階には進めないもので、Bの自主性が欠けている子供は小学生になってもCの勤勉性が身に付かない。
また、Aの自律性・Bの自主性は「習い事」や「遊び風味のお勉強」ではなく「遊び」の中で育つものである。
次回は『 お母さん応援団〜母子を見つめて17年〜 』というテーマでNPO法人ままとんキッズの理事長である有北いくこさんからお話しを伺います。

ママ達が別室で勉強している間に児童室の子供達(名前は全て仮名です)がどのように過ごしているのか書いているもので、毎週印刷して受講生の皆さんにお渡ししています。