18年度 第13回親子学級[2018年11月29日(Thu)]
2018年度 第13回親子学級『 つながっていく大切さ 』
今回は、元川崎市夢パークスタッフの山田悦子さんにお越しいただきました。
●自己紹介
20年ほど前、幸区で子育てしていた頃、乳幼児学級で講座を受講したのがきっかけで市民館に関わり、後に市民館で4年間働くことになった。
市民館職員時代はお母さんや地域の人への支援をしていたが、直接子どもと触れ合いたいと思い、こども夢パークのスタッフとなった。
●なぜ市民館の講座を受講したか、今に至るまでのお話
今年の2月から長男は一人暮らしを始めた。
元々子どもは2人いて、次男と長男は2学年差だった。長男は活発で幼稚園にも通い始めたので、今度は次男にも同学年のお友達を作りたいと講座に申し込んだ。
―次男のこと
次男は生まれつき心臓に疾患があり、何度か手術をしていたが、健常の子どもと同じように育てたい、と思っていた。
講座受講後、4月から3年保育で幼稚園に入園予定だったが、手術などがあり、少し遅れた5月に3年保育の幼稚園へ入園。しかし術後の経過が良くなくて、6月に亡くなった。
―夫との関係、長男との関係
次男を失ってから、子育て、夫との関係、長男との関係などが変わり、長男が小学生の間はぐちゃぐちゃの生活を送っていた。
夫にも喪失感などがあったと思うが、夫は外に逃げ出した。そのことへの怒りがあった。「誰か自分を包んで、支えて」と思い、不安定だった。
その中でも、市民館で色々な講座を受けていた。「子どもを一生懸命育てないと」と使命感に駆られていた。
息子はよく話す方だったが、話しにきても遠ざけてしまっていた。
講座を受けると、やはりこれではだめだと一時的に思うけれど、夫への怒りは子どもに向き、怒鳴ったり、叩いたりしてしまっていた。
寝顔を見ると反省。いつも寝顔を見ながら謝っていた。
今思えば、息子の人生にレールを敷いていた。習い事は4、5個していて、始めは息子がやりたいと言い出したが、休みたいと言っても自分がやりたいと言ったんだからと休ませなかった。
ー息子が脅迫神経症に
息子が4年生の時、先生から『授業中によく手を洗いに行く』と言われた。
家でもやっていたのに言われるまで気がつかなかった。
「なんで洗うの?」と聞くと「汚いから。」と息子は答えた。その他には、「悪いことを考えちゃう。」と教えてくれた。
同じマンションの保健の先生のママ友に相談すると、脅迫神経症ではないかと言われた。
様々な症例を聞き、これではまずいと思い総合教育センターへ相談することにした。他に、児童相談所にも月に1回行き、母はカウンセリング、子どもは心理士さんと遊ぶ。ということをやったが、改善されることがなかった。
―自分が息子を枠にはめていた
小5の頃、世田谷の思春期外来を受診した。
医師から「息子さんは好奇心旺盛。お母さんの思う枠にはめようとしていませんか?お母さん自身の枠を広げてあげて。そうすると、子どもも肩の力を抜いて症状もよくなる。」という話をされた。
その頃、自分は悲劇の中心にいて、悪いのは夫だと思っていたが、私も原因だと気づいた。その日に、習い事をやめてもいいよと伝えると、本当に嬉しそうにしていた。息子は今でもその時のことをとても嬉しかった出来事として覚えている。
それから、手洗いや自分のことを汚く思ってしまうこと、悪いことを考えちゃうと息子が言うこともだんだん減ってきた。
市民館の講座も引き続き受講しながら1日4時間の仕事を始めると、だんだん息子が私から解き放たれる感じになっていった。
―みんな一緒
市民館の色々な講座を受講する中、様々な悩みや不安を抱えるお母さんと出会った。
自分が苦しい環境にいると、みんなキラキラしていていいなと思っていたが、みんなが羨ましく見えても、それぞれ悩んでいることがあるのだと気づいた。「みんな、一緒なんだ」と感じた。これが自分と子どもが向き合うきっかけとなった。
―仲間とつながる
次男が通っていた講座で出会ったお母さん達とグループを作ろうということになった。名前はプリティーマミークラブ。
最初は、亡くなった次男と同じ年齢の子の成長を見ることになるのは辛くなるだろうと思って入らなかったが、しばらく経ってグループに入会。公園、ランチ、工場見学など子どもと一緒に遊びに行く。子どもが中学になるとついてこなくなったので、大人の集まりになった。今でも続いている。
このメンバーは、こどもが小さい時から知っている。辛かった時のことも知っている。だから話しやすい。小さい頃の悩みからだんだん悩みの質が変わる。同じ幼稚園、小学校では距離が近すぎる。広いところから集まるのがいい。
●いい距離感の仲間を作る
このように皆さんともお話ししたいと思い、話しをさせてもらった。ぜひこの後もつながってください。
もし悩みが出来ても、安心できる人に話し、いっぱいの荷物を抱えていいても肩の力が抜けるところになるといい。
コップの水がこぼれる前に誰かに話してホッとする。そう言う話ができる人を1、2人でも作ってほしい。
この後、下記のルールのもと、受講生の皆さんにも今悩んでいることなどを話してもらおうと思います
ここで聞いた話は、外に持ち出さない・意見しない、批判しない(アドバイスはいい。押し付けるのはダメ。)・言いっぱなし、聞きっぱなし。
自分の中に拳のようにギューッと押し込めてるものがある人もいる。それは無理にこじ開けて話さなくてもいい。今ではなく、10年後なのか20年後なのかそれを開くタイミングや場所が他にあるかもしれない。ここだからみんなに聞いてもらいたいという話をしてください。
学級第13回の保育室だより(子ども達の名前はすべて仮名です)
今回は、元川崎市夢パークスタッフの山田悦子さんにお越しいただきました。
●自己紹介
20年ほど前、幸区で子育てしていた頃、乳幼児学級で講座を受講したのがきっかけで市民館に関わり、後に市民館で4年間働くことになった。
市民館職員時代はお母さんや地域の人への支援をしていたが、直接子どもと触れ合いたいと思い、こども夢パークのスタッフとなった。
●なぜ市民館の講座を受講したか、今に至るまでのお話
今年の2月から長男は一人暮らしを始めた。
元々子どもは2人いて、次男と長男は2学年差だった。長男は活発で幼稚園にも通い始めたので、今度は次男にも同学年のお友達を作りたいと講座に申し込んだ。
―次男のこと
次男は生まれつき心臓に疾患があり、何度か手術をしていたが、健常の子どもと同じように育てたい、と思っていた。
講座受講後、4月から3年保育で幼稚園に入園予定だったが、手術などがあり、少し遅れた5月に3年保育の幼稚園へ入園。しかし術後の経過が良くなくて、6月に亡くなった。
―夫との関係、長男との関係
次男を失ってから、子育て、夫との関係、長男との関係などが変わり、長男が小学生の間はぐちゃぐちゃの生活を送っていた。
夫にも喪失感などがあったと思うが、夫は外に逃げ出した。そのことへの怒りがあった。「誰か自分を包んで、支えて」と思い、不安定だった。
その中でも、市民館で色々な講座を受けていた。「子どもを一生懸命育てないと」と使命感に駆られていた。
息子はよく話す方だったが、話しにきても遠ざけてしまっていた。
講座を受けると、やはりこれではだめだと一時的に思うけれど、夫への怒りは子どもに向き、怒鳴ったり、叩いたりしてしまっていた。
寝顔を見ると反省。いつも寝顔を見ながら謝っていた。
今思えば、息子の人生にレールを敷いていた。習い事は4、5個していて、始めは息子がやりたいと言い出したが、休みたいと言っても自分がやりたいと言ったんだからと休ませなかった。
ー息子が脅迫神経症に
息子が4年生の時、先生から『授業中によく手を洗いに行く』と言われた。
家でもやっていたのに言われるまで気がつかなかった。
「なんで洗うの?」と聞くと「汚いから。」と息子は答えた。その他には、「悪いことを考えちゃう。」と教えてくれた。
同じマンションの保健の先生のママ友に相談すると、脅迫神経症ではないかと言われた。
様々な症例を聞き、これではまずいと思い総合教育センターへ相談することにした。他に、児童相談所にも月に1回行き、母はカウンセリング、子どもは心理士さんと遊ぶ。ということをやったが、改善されることがなかった。
―自分が息子を枠にはめていた
小5の頃、世田谷の思春期外来を受診した。
医師から「息子さんは好奇心旺盛。お母さんの思う枠にはめようとしていませんか?お母さん自身の枠を広げてあげて。そうすると、子どもも肩の力を抜いて症状もよくなる。」という話をされた。
その頃、自分は悲劇の中心にいて、悪いのは夫だと思っていたが、私も原因だと気づいた。その日に、習い事をやめてもいいよと伝えると、本当に嬉しそうにしていた。息子は今でもその時のことをとても嬉しかった出来事として覚えている。
それから、手洗いや自分のことを汚く思ってしまうこと、悪いことを考えちゃうと息子が言うこともだんだん減ってきた。
市民館の講座も引き続き受講しながら1日4時間の仕事を始めると、だんだん息子が私から解き放たれる感じになっていった。
―みんな一緒
市民館の色々な講座を受講する中、様々な悩みや不安を抱えるお母さんと出会った。
自分が苦しい環境にいると、みんなキラキラしていていいなと思っていたが、みんなが羨ましく見えても、それぞれ悩んでいることがあるのだと気づいた。「みんな、一緒なんだ」と感じた。これが自分と子どもが向き合うきっかけとなった。
―仲間とつながる
次男が通っていた講座で出会ったお母さん達とグループを作ろうということになった。名前はプリティーマミークラブ。
最初は、亡くなった次男と同じ年齢の子の成長を見ることになるのは辛くなるだろうと思って入らなかったが、しばらく経ってグループに入会。公園、ランチ、工場見学など子どもと一緒に遊びに行く。子どもが中学になるとついてこなくなったので、大人の集まりになった。今でも続いている。
このメンバーは、こどもが小さい時から知っている。辛かった時のことも知っている。だから話しやすい。小さい頃の悩みからだんだん悩みの質が変わる。同じ幼稚園、小学校では距離が近すぎる。広いところから集まるのがいい。
●いい距離感の仲間を作る
このように皆さんともお話ししたいと思い、話しをさせてもらった。ぜひこの後もつながってください。
もし悩みが出来ても、安心できる人に話し、いっぱいの荷物を抱えていいても肩の力が抜けるところになるといい。
コップの水がこぼれる前に誰かに話してホッとする。そう言う話ができる人を1、2人でも作ってほしい。
この後、下記のルールのもと、受講生の皆さんにも今悩んでいることなどを話してもらおうと思います
ここで聞いた話は、外に持ち出さない・意見しない、批判しない(アドバイスはいい。押し付けるのはダメ。)・言いっぱなし、聞きっぱなし。
自分の中に拳のようにギューッと押し込めてるものがある人もいる。それは無理にこじ開けて話さなくてもいい。今ではなく、10年後なのか20年後なのかそれを開くタイミングや場所が他にあるかもしれない。ここだからみんなに聞いてもらいたいという話をしてください。
学級第13回の保育室だより(子ども達の名前はすべて仮名です)