17年度 第12回親子学級[2017年11月22日(Wed)]
2017年度 第12回親子学級『 つながっていく大切さ 』
今回は、元川崎市夢パークスタッフの山田悦子さんにお越しいただきました。
●自己紹介
20年ほど前、幸区で子育てしていた頃、乳幼児学級で講座を受講したのがきっかけで市民館に関わり、グループ『わたぼうし』を立ち上げ。
お母さんを支えたいという気持ちから夢パークスタッフとなり、6年間勤務していた。
―夢パークについて
夢パークは、手作り遊具があり、泥んこになれる、子どもにとって楽しい場所。
バスケットコートやスタジオも登録すれば無料で借りられる。
夢パークの中には、フリースペース『えん』といって、学校に行けていない子が来る場がある。
その子たちにとってはエネルギーチャージの場。勉強プログラムもあるが、精神状態を整える場になっている。
午前中はこのフリースペース『えん』へ来る子や乳幼児、午後は小中学生、夜になるとスタジオを使う高校生などが来る。
―フリースペース『えん』に来る子どもたち
フリースペース『えん』に来る子は、遊びに来るというよりスタッフをいじりに来る。
キレる。暴言を吐く。タバコを吸う。人には手を出さないが、物に当たる。
毎日来るのは誰かに聞いてもらいたい、知ってもらいたいから。そういった子は、家庭で問題を抱えている子が多い。家庭内暴力、両親の不仲。親子で話す環境がない。友達関係がうまくいっていない子もいる。
●息子の話
息子は現在25歳の社会人。
―次男の死
下の子が2歳半の時、市民館の講座へ申し込んだ。
下の子は生まれつき心臓の病気があり入退院を繰り返していたが、病気があっても兄弟同じように育てたくて、下の子の同年代の友達と関わりたくて受講した。
手術などがあり、少し遅れた5月に3年保育の幼稚園へ入園。しかし術後の経過が良くなくて、6月に亡くなった。
―仲間とつながる
参加していた講座でグループを作ろうとしていたが、自分の子は亡くなってしまった。
しばらくたってから、せっかく繋いでくれたし、兄もいたのでプリティマミーというグループを結成した。
つい最近20周年でバスツアーに行った。今でも繋がっている。
辛い時も、嬉しい時も。
●息子との関係
―いい母親でいなきゃいけない
次男を失ってから自分の気持ちの置き場がなく、上の子をしっかり育てなくちゃと思いながら夫とも上手くいっていない状況で、精神的にどん底だった。
『今日はいい母親でいよう』そう思ってもドカンと怒ってしまったり、手をあげたことも。ぐちゃぐちゃな自分だった。
そんな私でも息子本人がやりたいという習い事は、何でもやらせた。
スイミング、合気道、ピアノ、塾。一回始めると、やめさせられなくなる。
息子はよく話す方だったが、話しにきても遠ざけてしまっていた。
寝顔を見ると反省感。いつも寝顔を見ながら謝っていた。
-脅迫神経症に
息子が4年生の時、先生から『授業中によく手を洗いに行く』と言われた。
言われるまで気がつかなかった。子どもを見ていなかった。
息子は、自分が触ったものが汚いと感じていた。そして、常に悪いことを考えてしまうと。
同じマンションの保健の先生をやっていた人に相談すると、脅迫神経症だと言われた。
見て見ぬふりをした方がいいとアドバイスされたが、何とかしなくちゃと思い、気になってしょうがなかった。
総合教育センターへ行ったり、児童相談所でカウンセリングを受けたり。
―私が変わるしかない
病院を進められ、3ヶ月待ちで受診。先生に、「息子さんは好奇心旺盛。お母さんは、枠におさめようとしている。お母さん自身の枠を広げてあげて。」と言われ、彼がこうなってしまったのは、わたしのせい、自分が変わるしかない、と初めて思った。その日に、習い事をすべてやめていいよ、と息子に言った。息子は嬉しそうだった。
息子は、習い事があった時間、ゲームをしたり、のんびりする時間が増えた。わたしはパートを始めた。3年くらいかかったが、気がついたら手洗いはしなくなっていた。
子どもは親にはしんどいことを言わない。心配かけたくないから。
夢パークの「えん」に来る子のように、第三者に話すのが普通なのかも。
―完璧なお母さんにならなくていい
何でも話せる関係作りは幼いころから必要。完璧なお母さんには話しにくい。ダメな所がある方が話しやすい。
●いい距離感の仲間を作る
こういう講座で先生の話を聞くことはいいことだけど、すぐに実行できなかったり、長続きしなかったり。他人がよく見えるけど、その人の背景は見えない。今後、幼稚園、小学校、中学校といろいろな場で人間同士の関わりが増える。でも、同じ幼稚園、同じ小学校では近すぎて話せない。市民館やプリティマミーでは、遠からず、近からず、いい距離感で話せた。いろんな情報も集まる。
これからそんな関係を作ろう。
この後、下記の話を聞くルールのもと、受講生の皆さんにも子どものこと、夫のこと、親のこと、何でも良いので日頃の溜めていることを一人ずつ話してもらいます。
評価はしない。言いっぱなし、聞きっぱなしで、ここで話したことは外では話さない。
ぎゅっと握りしめていることは、話さなくていいし、話すことがなければ、話さなくてもいい。泣いてもいいよ。
●最後に
子どもに気付かされることがたくさんある。
子どもとの関係性は必ず変わってくる。息子が大学でひとり暮らしをする時、さみしくてさみしくて。その感情が不思議だったけど、嬉しかった。
今は、コップの表面張力の状態。ちょっとしたことであふれてしまう。
ぜひみなさんで、話してください。学級の後も、繋がってください。
今、本当に大変な時期。いろんな人に頼って、自分よしよし、自画自賛も大切に。
学級第12回の保育室だより(子ども達の名前はすべて仮名です)
今回は、元川崎市夢パークスタッフの山田悦子さんにお越しいただきました。
●自己紹介
20年ほど前、幸区で子育てしていた頃、乳幼児学級で講座を受講したのがきっかけで市民館に関わり、グループ『わたぼうし』を立ち上げ。
お母さんを支えたいという気持ちから夢パークスタッフとなり、6年間勤務していた。
―夢パークについて
夢パークは、手作り遊具があり、泥んこになれる、子どもにとって楽しい場所。
バスケットコートやスタジオも登録すれば無料で借りられる。
夢パークの中には、フリースペース『えん』といって、学校に行けていない子が来る場がある。
その子たちにとってはエネルギーチャージの場。勉強プログラムもあるが、精神状態を整える場になっている。
午前中はこのフリースペース『えん』へ来る子や乳幼児、午後は小中学生、夜になるとスタジオを使う高校生などが来る。
―フリースペース『えん』に来る子どもたち
フリースペース『えん』に来る子は、遊びに来るというよりスタッフをいじりに来る。
キレる。暴言を吐く。タバコを吸う。人には手を出さないが、物に当たる。
毎日来るのは誰かに聞いてもらいたい、知ってもらいたいから。そういった子は、家庭で問題を抱えている子が多い。家庭内暴力、両親の不仲。親子で話す環境がない。友達関係がうまくいっていない子もいる。
●息子の話
息子は現在25歳の社会人。
―次男の死
下の子が2歳半の時、市民館の講座へ申し込んだ。
下の子は生まれつき心臓の病気があり入退院を繰り返していたが、病気があっても兄弟同じように育てたくて、下の子の同年代の友達と関わりたくて受講した。
手術などがあり、少し遅れた5月に3年保育の幼稚園へ入園。しかし術後の経過が良くなくて、6月に亡くなった。
―仲間とつながる
参加していた講座でグループを作ろうとしていたが、自分の子は亡くなってしまった。
しばらくたってから、せっかく繋いでくれたし、兄もいたのでプリティマミーというグループを結成した。
つい最近20周年でバスツアーに行った。今でも繋がっている。
辛い時も、嬉しい時も。
●息子との関係
―いい母親でいなきゃいけない
次男を失ってから自分の気持ちの置き場がなく、上の子をしっかり育てなくちゃと思いながら夫とも上手くいっていない状況で、精神的にどん底だった。
『今日はいい母親でいよう』そう思ってもドカンと怒ってしまったり、手をあげたことも。ぐちゃぐちゃな自分だった。
そんな私でも息子本人がやりたいという習い事は、何でもやらせた。
スイミング、合気道、ピアノ、塾。一回始めると、やめさせられなくなる。
息子はよく話す方だったが、話しにきても遠ざけてしまっていた。
寝顔を見ると反省感。いつも寝顔を見ながら謝っていた。
-脅迫神経症に
息子が4年生の時、先生から『授業中によく手を洗いに行く』と言われた。
言われるまで気がつかなかった。子どもを見ていなかった。
息子は、自分が触ったものが汚いと感じていた。そして、常に悪いことを考えてしまうと。
同じマンションの保健の先生をやっていた人に相談すると、脅迫神経症だと言われた。
見て見ぬふりをした方がいいとアドバイスされたが、何とかしなくちゃと思い、気になってしょうがなかった。
総合教育センターへ行ったり、児童相談所でカウンセリングを受けたり。
―私が変わるしかない
病院を進められ、3ヶ月待ちで受診。先生に、「息子さんは好奇心旺盛。お母さんは、枠におさめようとしている。お母さん自身の枠を広げてあげて。」と言われ、彼がこうなってしまったのは、わたしのせい、自分が変わるしかない、と初めて思った。その日に、習い事をすべてやめていいよ、と息子に言った。息子は嬉しそうだった。
息子は、習い事があった時間、ゲームをしたり、のんびりする時間が増えた。わたしはパートを始めた。3年くらいかかったが、気がついたら手洗いはしなくなっていた。
子どもは親にはしんどいことを言わない。心配かけたくないから。
夢パークの「えん」に来る子のように、第三者に話すのが普通なのかも。
―完璧なお母さんにならなくていい
何でも話せる関係作りは幼いころから必要。完璧なお母さんには話しにくい。ダメな所がある方が話しやすい。
●いい距離感の仲間を作る
こういう講座で先生の話を聞くことはいいことだけど、すぐに実行できなかったり、長続きしなかったり。他人がよく見えるけど、その人の背景は見えない。今後、幼稚園、小学校、中学校といろいろな場で人間同士の関わりが増える。でも、同じ幼稚園、同じ小学校では近すぎて話せない。市民館やプリティマミーでは、遠からず、近からず、いい距離感で話せた。いろんな情報も集まる。
これからそんな関係を作ろう。
この後、下記の話を聞くルールのもと、受講生の皆さんにも子どものこと、夫のこと、親のこと、何でも良いので日頃の溜めていることを一人ずつ話してもらいます。
評価はしない。言いっぱなし、聞きっぱなしで、ここで話したことは外では話さない。
ぎゅっと握りしめていることは、話さなくていいし、話すことがなければ、話さなくてもいい。泣いてもいいよ。
●最後に
子どもに気付かされることがたくさんある。
子どもとの関係性は必ず変わってくる。息子が大学でひとり暮らしをする時、さみしくてさみしくて。その感情が不思議だったけど、嬉しかった。
今は、コップの表面張力の状態。ちょっとしたことであふれてしまう。
ぜひみなさんで、話してください。学級の後も、繋がってください。
今、本当に大変な時期。いろんな人に頼って、自分よしよし、自画自賛も大切に。
学級第12回の保育室だより(子ども達の名前はすべて仮名です)
キーワード:怒りすぎ