
17年度 第5回親子学級[2017年10月05日(Thu)]
2017年度 第5回親子学級
『子どもに遊びが必要なワケ』
今回は、元地域子育て支援センターすがお職員の森田喜巳子さんにお越しいただきました。
<はじめに>
・幼稚園で22年間教諭をしていたが、その頃から「 遊びを基本に子どもは成長をする 」という信念が自分にはあるので、それを今日はお母さん達に伝えたい。
・子どもの精神状態=ママの精神状態
「苦しい」「助けて」という想いは誰かに話して悩みを分かち合って欲しい。人と喋ることで、自分の気持ちの整理ができて精神状態が安定する。
<1:発達をとらえよう!>
「できる/できない」=「発達が早い/遅い」ではない
楽しく遊ぶことで心の成長があり、あ〜楽しかったと感じた経験から発達が促されていく。子どもの気持ちを探りながら見守って欲しい。表情や体の動きの成長があり、子どもは自ら発達する。
「イヤ」と言えることは大事なこと
イヤイヤ期は2歳頃からくるが、2歳で来なくても後から必ずくる。「イヤ」と言えないと、大きくなってからストレスが溜まって非社会的行動などに繋がったりする傾向がある。
お母さんは「イヤだったね〜」「何がイヤだったの?」と共感しながら見守ってあげるしかない。
<2:なぜ今、外遊び?>
文部科学省のお部屋遊びの調査によると、平成2年と平成22年では絵本/テレビでの室内遊びが2倍に増えた反面、三輪車や自転車で遊ぶ子どもが減り、体を動かす遊びの経験が少なくなってきている。
体を動かすこと
文部科学省の通達では「毎日、合計60分以上楽しく体を動かすことが望ましい」となっている。
体の操作が未熟だと、転んだ時に手を着くことができず危険の回避が出来ない。小さい時からのケガの経験と積み重ねで、危険の回避が出来るようになる。
今の子どもは筋力がなく小学生になってもずっと座っていられない。日頃から体を動かすことで、持久力・筋力・心肺機能を高めることに繋がる。
手先を動かすこと
生活は便利になったが環境変化に伴い、手先を動かす機会が減ってきている。
「ひねる」 →ひねる蛇口が減った
「しゃがむ」→和式トイレの利用が減り、しゃがんだ姿勢をキープできない
「しぼる」 →雑巾を絞るなどのお手伝いをさせなくなった
子どもにお手伝いをさせると、親に認められていると意識するようになる。手や指先の力は、家事の中でも育っていく。お手伝いが延長して自分で出来るようになり、1人で生きていく自立につながる。ママがやっていることが出来なくても、出来ないなりにやっていくという経験をさせることが必要
<3:乳幼児期における遊びの意義>
生活習慣病が子どもにも及んでいる
良く遊び、良く食べる、寝るを身に付ける。無理してやらなくてもいいけど、早く起こすだけで勝手にサイクルが早寝になるので、早く起きるように時間を決める。
意欲的に取り組む心がはぐくまれる
「やってみる」という遊びの経験が、やる気・我慢・前向きな性格に繋がっていく。「自分は出来るんだ」「自分はやれるんだ」という感覚が自信に繋がり、社会でたくましく生きていくことに繋がる。
<4:遊びの中で育つ豊かな学び>
自己肯定感を育てる
自己肯定感が低い人はコミュニケーションをうまく取れなかったり、自分を否定して自分の気持ちを出せず我慢をしてしまう。友達の存在は肯定感に繋がっていく。
まねるは学に通じる
誰かのまねっこをすることは、学習=発達に繋がる。テレビなど映像のまねっこより、人と人の直接の関わり、ママの言葉が一番、脳にとどまる。
投げたい気持ちを否定しない
投げてはいけない物を、投げても良い物(新聞紙や紙のボールなど)に変えて投げさせてやる。物の大切さや物の扱い方の注意はするが「投げる」いうことを否定しなくていい。右手で投げたら左手でも投げさせたり、バランス感覚を取るようにする。
必要な力は遊びの中で育つ
股関節の柔軟性は、運動神経の発達に関わる。膝の上に乗せたり抱っこしたり、遊びの中で股関節を開いたり閉じる動作や肩を広げたりするといい。
手押し車は手の力がつくので、転んだ時に地面に手を着けるようになる。逆上がりが出来ない子は、小さい時に逆さになった経験がない。無理せず楽しく遊びながら体を抱えて逆さにしてみる。
<5:お外で遊ぼう!友だち作ろう>
外遊びのすすめ
子どもの生きる力の必要な要素は、様々な刺激、五感の刺激、興味、遊びの経験の積み重ね。
キャンプやアウトドアで火を経験したり、公衆トイレを使ったり様々な経験をしておくと災害時も動ける。生きていく為には必要な経験をしておくことが大切。
公園に行っても遊ばない時は、他の子を見ているだけでも遊びの経験につながる。手と手を握って一緒に歩くだけでもいい。(手をつないでも離される時は、ママの親指を子どもに握らせてからママが子どもの手を覆うようにつなぐと子どもの手が抜けなくなる)
外遊びを経験して、自分の生きる力を付けた子は生活設計ができ、対応ができるようになる。少し嫌なことがあっても、自力で乗り越えられる強さがあるので、そこを大事にする。子どもが大きくなって社会のルールを守れなくならないように育てていって欲しい。
散歩のすすめ
抱っこ→ベビーカー→自転車か車での移動手段で歩くことが減ってきている。子どもの体力と発達を考えたら、歩いた方がいい。
1歳はトータル1km、2歳は2km歩ける能力がある。すぐに長い距離を歩けるわけではなく、経験・能力の積み重ねで歩けるようになる。
散歩はウォーキングではないので、歩くだけではなく手を繋いで会話をすることが大事。水たまりを飛び越えたり、マンションの階段を使ったり、遊びを取り入れ外の刺激を受けながらゆったり歩く。
みんなでつなごう!地域の輪
川崎市では、ひきこもりや学校の長期欠席、自殺などに繋がらないように未病対策として地域と関わることを大事にしている。スポーツ・サークル・お祭り・子ども会、ボランティア、地域の大人との関わりを経験することで、未病対策と同時に互助に繋がっていく。
なるべく外に出て、地域や色んな人と関わって子どもが育つという環境にして欲しい。
<最後に>
自分の子どもの取扱説明書は、親が作っていかないといけないし、親しか分からない。今の手間は宝になる。これから色々な先生方のお話を聞いて、自分に合ったものを取り入れて、自分の体をケアしながら頑張っていって欲しい。
学級第5回の保育室だより(子ども達の名前はすべて仮名です)
『子どもに遊びが必要なワケ』
今回は、元地域子育て支援センターすがお職員の森田喜巳子さんにお越しいただきました。
<はじめに>
・幼稚園で22年間教諭をしていたが、その頃から「 遊びを基本に子どもは成長をする 」という信念が自分にはあるので、それを今日はお母さん達に伝えたい。
・子どもの精神状態=ママの精神状態
「苦しい」「助けて」という想いは誰かに話して悩みを分かち合って欲しい。人と喋ることで、自分の気持ちの整理ができて精神状態が安定する。
<1:発達をとらえよう!>
「できる/できない」=「発達が早い/遅い」ではない
楽しく遊ぶことで心の成長があり、あ〜楽しかったと感じた経験から発達が促されていく。子どもの気持ちを探りながら見守って欲しい。表情や体の動きの成長があり、子どもは自ら発達する。
「イヤ」と言えることは大事なこと
イヤイヤ期は2歳頃からくるが、2歳で来なくても後から必ずくる。「イヤ」と言えないと、大きくなってからストレスが溜まって非社会的行動などに繋がったりする傾向がある。
お母さんは「イヤだったね〜」「何がイヤだったの?」と共感しながら見守ってあげるしかない。
<2:なぜ今、外遊び?>
文部科学省のお部屋遊びの調査によると、平成2年と平成22年では絵本/テレビでの室内遊びが2倍に増えた反面、三輪車や自転車で遊ぶ子どもが減り、体を動かす遊びの経験が少なくなってきている。
体を動かすこと
文部科学省の通達では「毎日、合計60分以上楽しく体を動かすことが望ましい」となっている。
体の操作が未熟だと、転んだ時に手を着くことができず危険の回避が出来ない。小さい時からのケガの経験と積み重ねで、危険の回避が出来るようになる。
今の子どもは筋力がなく小学生になってもずっと座っていられない。日頃から体を動かすことで、持久力・筋力・心肺機能を高めることに繋がる。
手先を動かすこと
生活は便利になったが環境変化に伴い、手先を動かす機会が減ってきている。
「ひねる」 →ひねる蛇口が減った
「しゃがむ」→和式トイレの利用が減り、しゃがんだ姿勢をキープできない
「しぼる」 →雑巾を絞るなどのお手伝いをさせなくなった
子どもにお手伝いをさせると、親に認められていると意識するようになる。手や指先の力は、家事の中でも育っていく。お手伝いが延長して自分で出来るようになり、1人で生きていく自立につながる。ママがやっていることが出来なくても、出来ないなりにやっていくという経験をさせることが必要
<3:乳幼児期における遊びの意義>
生活習慣病が子どもにも及んでいる
良く遊び、良く食べる、寝るを身に付ける。無理してやらなくてもいいけど、早く起こすだけで勝手にサイクルが早寝になるので、早く起きるように時間を決める。
意欲的に取り組む心がはぐくまれる
「やってみる」という遊びの経験が、やる気・我慢・前向きな性格に繋がっていく。「自分は出来るんだ」「自分はやれるんだ」という感覚が自信に繋がり、社会でたくましく生きていくことに繋がる。
<4:遊びの中で育つ豊かな学び>
自己肯定感を育てる
自己肯定感が低い人はコミュニケーションをうまく取れなかったり、自分を否定して自分の気持ちを出せず我慢をしてしまう。友達の存在は肯定感に繋がっていく。
まねるは学に通じる
誰かのまねっこをすることは、学習=発達に繋がる。テレビなど映像のまねっこより、人と人の直接の関わり、ママの言葉が一番、脳にとどまる。
投げたい気持ちを否定しない
投げてはいけない物を、投げても良い物(新聞紙や紙のボールなど)に変えて投げさせてやる。物の大切さや物の扱い方の注意はするが「投げる」いうことを否定しなくていい。右手で投げたら左手でも投げさせたり、バランス感覚を取るようにする。
必要な力は遊びの中で育つ
股関節の柔軟性は、運動神経の発達に関わる。膝の上に乗せたり抱っこしたり、遊びの中で股関節を開いたり閉じる動作や肩を広げたりするといい。
手押し車は手の力がつくので、転んだ時に地面に手を着けるようになる。逆上がりが出来ない子は、小さい時に逆さになった経験がない。無理せず楽しく遊びながら体を抱えて逆さにしてみる。
<5:お外で遊ぼう!友だち作ろう>
外遊びのすすめ
子どもの生きる力の必要な要素は、様々な刺激、五感の刺激、興味、遊びの経験の積み重ね。
キャンプやアウトドアで火を経験したり、公衆トイレを使ったり様々な経験をしておくと災害時も動ける。生きていく為には必要な経験をしておくことが大切。
公園に行っても遊ばない時は、他の子を見ているだけでも遊びの経験につながる。手と手を握って一緒に歩くだけでもいい。(手をつないでも離される時は、ママの親指を子どもに握らせてからママが子どもの手を覆うようにつなぐと子どもの手が抜けなくなる)
外遊びを経験して、自分の生きる力を付けた子は生活設計ができ、対応ができるようになる。少し嫌なことがあっても、自力で乗り越えられる強さがあるので、そこを大事にする。子どもが大きくなって社会のルールを守れなくならないように育てていって欲しい。
散歩のすすめ
抱っこ→ベビーカー→自転車か車での移動手段で歩くことが減ってきている。子どもの体力と発達を考えたら、歩いた方がいい。
1歳はトータル1km、2歳は2km歩ける能力がある。すぐに長い距離を歩けるわけではなく、経験・能力の積み重ねで歩けるようになる。
散歩はウォーキングではないので、歩くだけではなく手を繋いで会話をすることが大事。水たまりを飛び越えたり、マンションの階段を使ったり、遊びを取り入れ外の刺激を受けながらゆったり歩く。
みんなでつなごう!地域の輪
川崎市では、ひきこもりや学校の長期欠席、自殺などに繋がらないように未病対策として地域と関わることを大事にしている。スポーツ・サークル・お祭り・子ども会、ボランティア、地域の大人との関わりを経験することで、未病対策と同時に互助に繋がっていく。
なるべく外に出て、地域や色んな人と関わって子どもが育つという環境にして欲しい。
<最後に>
自分の子どもの取扱説明書は、親が作っていかないといけないし、親しか分からない。今の手間は宝になる。これから色々な先生方のお話を聞いて、自分に合ったものを取り入れて、自分の体をケアしながら頑張っていって欲しい。
